第百四話 ダリアの様子が……
読んでくださりありがとうございます。無事にブラック・ナイトメアを倒せるんでしょうか。
『ファングの硬化 ファングのまもりが少し上がった』
『ブラック・ナイトメアの潜行 ファングに18のダメージ』
うーむ、一回の硬化で劇的にダメージが軽減されるわけではないな。まあ多少は軽減されただろうから次のダメージを考えようか。ファングの体力は今18/52だから次毒牙なら耐えられるし潜行でもポーションで回復するターンがあるから大丈夫。それ以外の攻撃スキルがあるか……なんだけど、それはもう運が悪いってことだな。攻撃していこう。
『ファングの爪牙 ブラック・ナイトメアに21のダメージ』
『ブラック・ナイトメアの毒牙 ファングに15のダメージ ファングは毒になった』
『ファングは毒におかされている ファングに5のダメージ』
『ファングは倒れた』
ここで毒になっちゃったか。ダメージ量の計算は合ってたけど状態異常までは加味してなかったな。これは僕のミスだな、ファングは何も悪くない。ただファングがかなり削ってくれた分次の攻撃で倒せるだろうな。それじゃあアイアンでいきますか。……なんか久しぶりな気がするな。
『アイアンの剣舞 3回当たった ブラック・ナイトメアに合計15のダメージ』
『ブラック・ナイトメアを倒した 不気味な黒殻を手に入れた 経験値を198手に入れた』
ふぅ、なんとか倒せたか。これでとりあえずアリエテさんとダリア様は助けられたかな。
「お見事です。大変助かりました。お嬢様の危機に何も出来なかった私は本当に不甲斐ありません」
「そんなことないわ、アリエテ。あなたのモンスターならばあんなモンスター簡単に蹴散らせたハズよ」
「ありがたきお言葉痛み入ります」
そう言いながらアリエテは何故か眉をひそめているようにジャロには感じられた。
「……あれ?」
ジャロは感じてしまった疑問を思わず口に出してしまった。状況に合わぬジャロのその声にアリエテ、そしてダリアが怪訝そうにジャロの方へ顔を向けていた。そんなダリアの頭にはティアラが被せられていた。
「ジャロ様、どうなさいましたか?」
「アリエテさん、ちょっとこれを見てほしいんですけど……」
ジャロはアリエテに先程拾った“ダリアのティアラ“を見せた。
「ふむ、確かにこれはお嬢様のものですね。しかしおかしいですな。お嬢様はティアラを着けておいでです」
「……な! ティアラを拾っただと? そんな訳がない。私が今被っているものこそ本物のティアラですよ」
アリエテにダリアは信じてもらおうとしきりに主張し続けていた。その姿は依頼主として最初に接した時の姿とはかけ離れているようにジャロには思われた。アリエテはそんなダリアに向かい語り始めた。
「あなたもご存知かと思いますが、お嬢様のティアラはこの世に二つとない逸品でございます」
ファングは倒されてしまいましたが、ブラック・ナイトメアは無事に倒せました。これで合流できましたが……、ダリアの様子が変ですね。ティアラを落としていたはずなのに何故か被っています。口調もなんだか変ですね。