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第九十八話 はじめての護衛

 読んでくださりありがとうございます。カナリアからアムニスヴェーレに行きたくないかと言われたジャロですが何か含みがありそうです。

 気づけば十月も終わりです。早いもんですね、ほんと。


「……? ええ、行きたいなとは思ってましたよ。そろそろ行き方を誰かに聞こうかと思ってました」


「ふふ、そんなお前には朗報かな。先程王宮よりギルドに伝達が入った。水の国から我が国へ使者が訪れたんだがその使者がお帰りのようでな。その護衛をお前に頼みたい」


「護衛ですか? 初めて行く場所なのに護衛なんて出来るんですか?」


 護衛と聞いて少しジャロは不安気である。なにしろそんなことはやったことがないのである。


「心配するな。知らない場所に帰るわけでもない。使者が帰るのについて行きながらいざとなったらお護りすればいいだけの依頼だ。長期間の依頼になるから報酬金もかなり弾むぞ。どうだ? 依頼を受けてくれるか?」


 そう言うカナリアはかなり強引に依頼を受けるよう勧めてきた。元々カナリアは豪快な人ではあるが今回はやや強引すぎるかもしれない。とはいえジャロには断る理由も無かった。なにしろ水の国に行けそうだからである。


「……まあ依頼は受けますよ」


「本当か、助かったよ。じゃあギルドで受注はしておくよ」


「助かった? 一体何が助かったんです?」


「ギルド側の話だよ。中々受けてくれる人がいない場合はギルドの責任になっちゃうから今回受けてくれて助かったっていう訳さ」


「……はあ、そうなんですか?」


 カナリアになんだか言いくるめられているような気がするのは気のせいだろうか。


――

モンスター牧場

――


「……、それでここに来たって訳かい? 誰か預けに来たのかと思ってたよ」


「そうなんですよ」


 ジャロはモンスター牧場に着くと、ロビンと会話をしていたようである。なぜモンスター牧場に足を運んでいるのか。それは水の国アムニスヴェーレに行くためにはこの牧場近くの関所を通る必要がありカナリアにそこで依頼者をお待ちするよう言われたからである。


「それで、ええと。アムニスヴェーレまではどう言う道順なんです? カナリアさんは依頼者について行けば良いって言ってましたが」


「アムニスヴェーレはこの近くの関所からトルク街道を抜けてスレド砂漠を越えた先にあるんだよ。だから護衛だって言うならトルク街道は良いとして、スレド砂漠のモンスターから依頼者を守るって感じになるね」


「……砂漠ですか?」


「そう砂漠。アムニスヴェーレは砂漠の中のオアシスのような国だからね。便宜上アムニスヴェーレの西の砂漠をスレド砂漠、東の砂漠をシャダル砂漠って呼んでるけど要するにアムニスヴェーレは砂漠の真ん中にあるんだよ」


「へぇ、そうなんですね。なんだか行くのが難しそうな所ですね」


「まあ姉貴の言う通り今回は依頼者について行くだけで良いんじゃないかな。アムニスヴェーレの使者が自国に辿り着けませんでしたなんて無様な真似をしたっていうのは聞いたことがないしね」


「なるほど、たしかにそれはそうかも知れませんね」


 ロビンのその言葉にジャロはかなり安心した。なにしろ行ったことのない所まての護衛なんてしたことがないからである。尤も護衛自体初めてなのだからそれは当たり前なのだが。しかしその言葉とは裏腹にロビンは何やら不安そうである。


「しかし僕がわからないのはまた別のところだよ」


「……? なんです? 別のところって」


 ロビンが再び登場です。アムニスヴェーレに行けば当分登場しないのでこの登場を噛みしめましょうかね。

 何やらロビンには気になることがあるようです。

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