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「…どうしたの?和葉。」
「…いぇ、何でも――」
嫌になりつつ、城のような校舎へと足を踏み入れる。
「和葉、この校舎は、特別棟っていって、理事長室、生徒会室、風紀委員室とかの部屋がある校舎だよ。」
(…だからって、金かけすぎだろう、)
廊下には、真っ赤な絨毯、壁も天上もピカピカで、照明なんて、シャンデリアだ。
そのまま歩いていくと、エレベーターが!
ピピピピピピ
「…先輩?なんでカード通すんですか?」
エレベーターを動かすためにわざわざカードを通す先輩。
「…あぁ、これはね、防犯とか、親衛隊とかの無断侵入を防ぐためだよ。ちなみに、上の階にはこのエレベーターでしかいけなくて、理事長、生徒会役員、風紀委員、あと、特別にその中の誰かに専用のカードをもらえた人だけしか行けないようになってるんだ。」
「…へ〜え、そうなんですか…」
(…親衛隊?何だそれ?まっ、いっか)
エレベーターが着いて、ドアが開くと、その階も、またピカピカしてた。
なんだこの学校は…
「…和葉?大丈夫?行くよ。」
ヤバイ、ボーっとしてた。
「…あ、すみません。」
長い廊下を進むと、目の前にでかい紺色に金の縁取りのでっかい扉。
「和葉、ここが理事長室だよ。」
まじか!どんだけお金かけてんだ!あ、!ヤバイ
「先輩、はなれ、『コンコン、理事ちょ…』て」
バッターン!!!!
「かずちゃ〜ん」
ギュッ―――。
先輩を突き飛ばし、僕を抱き締めたのは、
まぎれもなく、変態、いや僕の叔父で僕を支えてくれた親バカな理事長様でした。――