ドタキャン
花音の定期テスト対策を手伝った後、夕飯を食べた。定期テストを終える日に3人で水族館に行く約束をした
一学期中間テストの最終日
中間テストということもあってテストが行われない教科もあったため、期末テストに比べれば重要度は低い
そんな性質であることに加えて去年は新生活でとにかく忙しかったこともあり全然時間を割けなかったが、今年は部活の時間もなくなってゆとりができたのでガッツリ対策することができた
その対策の甲斐あってかなり手応えがある。順位も少し上がるかもしれない
また定期テストが行われる日は今まで不登校を貫いていた転校生の館林さんが来ていた
全く授業を受けていないはずの彼女だがテストだけ受けるというのは大した自信である
まぁテストでいい点を取ってもある程度の登校数がないと留年になるのだがそこら辺を改善する気はあるのだろうか
「お疲れコウちゃん。テストどうだった?」
「良かったよ。結果が楽しみだな」
「今回は簡単だったし、平均点は高くなるんじゃねぇか」
「いや、難易度はいつも通りって感じだったぞ」
「マジで?全体的に解ける問題が多かったから簡単かなって思ったけど」
「定期テストなんて受験とか模擬とかと違って範囲は絞られているから課題さえ真面目に取り組めばいい点取れるんだよ。それにしてもケンちゃん部活もあったはずなのによく頑張ったな」
「ちょっときっかけがあってさ」
「ケンちゃんに勉強まで負けたら俺の立場がなくなるなぁ」
「流石にそれは無いだろ。あくまで俺にしては出来た方ってだけだから」
「何にせよ良い事だな」
「ああ」
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今日のテストは午前中に終了し、その後すぐに下校となった
俺と健太郎は花音と合流すべく一年のフロアに向かった
「テストお疲れ~」
「お疲れ。花音も大丈夫そうか?」
「お兄ちゃんのおかげでバッチリだよ!これで思いっきり羽を伸ばせるというものだね」
「じゃあまず腹ごしらえといくか。コウちゃん食べたいものとかある?」
「うーん…ラーメンとか?」
「背脂たっぷりなやつね」
「却下だ!俺はあっさりしたやつが食べてぇ」
「うっさいばか兄!なんでよりにもよって正反対の主張をするわけ!」
「脂っこすぎるのは抵抗あるんだよ。あんなん食べるのは世間的には少数派だっつの」
「二人とも落ち着けって」
「じゃあお兄ちゃん決めていいよ」
「多数決だな。コウちゃんが決めろ」
えぇー…
俺としては正直どっちでもいいのだが、素直に『どっちでもいい』なんて言ったら埒が明かないし…
「あれだ。オプションで色々設定できるとこで妥協するってのはどうだ?」
「いいね!」
「それで決まりだな」
俺の提案があっさり通って決着し、大事にならなかったことに俺はほっと胸をなでおろすのであった
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「かぁ~!!染みるよぉ」
こういう店では一般的な胃袋では危険とされる『大盛り』を何の躊躇もなく注文した花音は届いたラーメンを幸せそうにすすっていた
「おっさんかおめえは。それとコウちゃんはなんで炒飯頼んだんだ」
「メニュー見てたらすげぇ美味しそうだったんだよ。気変わりしちゃった」
実際滅茶苦茶旨い。俺はこの選択にまったく後悔はなかった
「折角だからちょっと分けてよ」
「それ思ってたわ。俺のラーメンも少し分けるから」
「いいぞ」
「その…できれば花音のやつも少し欲しいかな…なんて」
「私も一応経験として?あっさりしたやつも食べておきたいかなって思ったり」
うーんこのツンデレ兄妹
こうして俺たちはそれぞれシェアして昼食を楽しんだ
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花音は胃もたれを起こしそうな量ラーメンを無事綺麗に完食して店を出る前に俺たちは水族館での計画を立てていた
「すべてを回ることは出来なさそうだな」
「深海エリアは外せないでしょ!」
「ケンちゃんは何か希望ある?」
ふと視線を向けると健太郎は携帯の画面をじっと見ながら顔をしかめて険しい表情を浮かべていた
「悪い。急用ができたから俺はいけなくなった」
「え?」
「いつか埋め合わせはするから!」
そう言いいながら健太郎はテーブルに千円札を置いて店を出て行ってしまった
「いきなりすぎるだろ…花音は今のケンちゃんの用事に心当たりある?」
「知らないよ。ばか兄の交友関係なんて」
こんな風に約束を反故にするようなことは今までなかった。それにしても健太郎は焦った顔してたがそこまでの用事って一体何だったのだろうか




