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think you  作者: 寒ブリ
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3人でファミレス

神凪とデートの振り返りをした

長い連休だった


『だった』というのはどういうことかというと、序盤に神凪と一緒にバイトをして以来GW中は特に何か起こるわけでもなくただ家で過ごすかバイトしてるかで、無為に時間を消費していった


その間にいつも急に連絡をしてきては俺を振り回すブランコからの連絡は一切なく、こちらから電話でもかけようかとも思ったが、それをすると俺が能動的にブランコに頼っている感じとなる


ここまで色々と従ってきて今更かもしれないが、あいつに頼りきりになっているといつか痛い目をみそうで怖い気がする


そんなこんなで今日はもうGW最終日。今から花音と健太郎ファミレスでご飯である



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



約束の5分前。現地集合ということで俺は既にファミレスの中に入り、一人でテーブル席に座っていた


ピークの時間より早めに時間設定をしたものの、大型連休中のファミレスは大いに盛況していた


席の確保ということで早めに入店して店員に3名だと伝えこのテーブル席に案内されたわけだが、混雑しつつある店内において一人でテーブル席を占有している今の状況は非常に居た堪れなかった


そんな風に考えているとちゃんと時間通りに花音と健太郎が入店してきた


俺は手を振ってアピールすると、こちらに気づいたようで二人はこちらにやってきた


「お兄ちゃん久しぶりー!」


「おっすコウちゃん」


「うっす。久しぶりって言うほど最後にあってからそんな経ってないと思うけど」


「久しぶりって思えるぐらいずっとお兄ちゃんに会いたかったんだよ」


そう言って花音は素早く俺の隣にポジショニングした


「なんか『久しぶり』の定義が崩れる音がするんだが」


「細かいことは気にしない気にしない♪それより早く注文しよ」


俺たちは各々好きなものを注文した


「じゃあドリンクバー行ってくるよ!お兄ちゃんは何がいい?」


「ん〜。じゃあアイスコーヒーで」


「花音俺もオレンジジュース頼む」


「ばか兄の注文は受け付けませ〜ん」


花音はベーっと古典的な煽りを健太郎にしてからドリンクバーへと向かっていった


「花音はいつも変わらないな」


「そりゃコウちゃんの前だからだな」


「どういう意味だ?」


「あいつコウちゃんの前ではいつもあんなんだが、コウちゃん以外だと結構大人しい方だと思うぞ」


「本当かそれ?もう全くそんなイメージないけど」


「まぁあれでいて結構な人見知りだからな。高校のクラス内であんな風にはしゃぐにはもう少し時間がかかりそうみたいなことを母さんと話してた気がするわ」


「盗み聞きかよ」


「俺には全く話さんからな。なんでこんな嫌われてるんだか」


話していると花音が戻ってきた


「はい、お兄ちゃんのコーヒーとばか兄のオレンジジュース」


「え?俺のは受け付けてないって?」


「うっさいばか兄!」


花音は自分の分を取りにまたドリンクバーへ向かっていった


「ったく話は聞かねーし、行動には矛盾ばっかりだしなんなんだよあいつ」


「ありがとうぐらい言ったらどうだ」


「…それは絶対やだ」


なんだこの似た者ツンデレ兄妹は…




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



あれから注文していた料理が届き、俺と健太郎は既に完食した

花音は本人が言うには食べる量が『ちょっぴり』多いので一心不乱に食事中だ


「にしてももうGWが終わっちまうな」


「『もう』か。俺にとってはすることなくてずっと家にいたからちょっと退屈だったな。『やっと』って感じだ」


神凪とも初日のバイト以来だしサッカー部も忙しいと言うことなのだろうか


ただこの空いた時間でブランコから貰った本は読破することができた。めちゃくちゃ面白くて、一日中読むのに没頭していた日もあったぐらいだ


しかし文庫本でラッピングまでされていたからてっきりどこかで買ってきたものだと思い、作者や出版社を探したのだがどこにも載っておらず

加えてタイトルで検索をかけても全くヒットしないしで流石にちょっと不気味さを覚えた。やはりブランコから渡された物だし、曰く付きってやつだろうか


「そうか。確かにそれと比べて俺は結構壮絶だったかもな」


「やっぱり甲子園に向けて猛練習か」


「そうだな。去年はまだ一年って事で色々中途半端なオーダーだったが、今年からはチームの主力になれそうだからな。ここからが本番ってやつだ」


「気合い入ってるな。絶対応援行くわ」


「おう!頼むぜマジで。花音も演奏よろしくな」


花音は健太郎に何か言いたそうな顔をしていたが、喋ることより食べること優先したのか、遂には首を横に振るだけして料理を書き込むのであった


「ほんとそのちっちゃい体のどこに入っているんだ妹よ」


「というよりちゃんと待つからゆっくり食べような」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「どこか遊びに行こうよお兄ちゃーん」


「花音。それもいいがもうすぐ中間テストだが勉強の方は大丈夫なのか」


「その話はやめてよお兄ちゃーん」


「普段から勉強しないからだ間抜けが」


「そう言うケンちゃんだって人のこと言えんだろ」


「ふふふ…残念だがもう今回のテストの提出用課題は既に終わらせているのだ」


「「え!?」」


俺と花音は自慢げに語った健太郎に驚きを隠せなかった


健太郎の才城高校への入学はスポーツ推薦である。授業こそちゃんと受けるが家に帰ってから自習なんていうものはあり得ず、俺に幾度となく宿題を見せてくれと頼み込むのが恒例行事であった


それ自体はあまり良くないことではあるものの、健太郎のこの学校での目的が野球であることは理解しているからこそ、そういうお願いも了承していた


てっきり今回の中間テストの際の課題も俺に頼りきりになるかと思われたのだが…


「お前らなんだよ。文句でもあんのか」


「あるよお兄ちゃん‼︎どうしたのいきなり‼︎変なものでも食べたの‼︎」


「ケンちゃん…昔に『家で勉強している暇があったら身長伸ばす為に寝る』とか言ってなかったっけ」


「『ちょっぴり』心境に変化があったというかさ」


なるほど。花音の食事量といい、健太郎の心境の変化量といい、取り敢えず君たちの『ちょっぴり』が当てにならんことだけは分かった






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