転校生
迷子を助けてデートが終了。その後神凪に見つかり、その際に有り合わせのプレゼントを贈る
なんとか尾行調査をやり切った俺
といっても神凪にバレたから成功と言えるのかは怪しいのだけれど
あの日なんといっても印象的だったのは全然喋らない響也である
今日俺は確認のために少し早めに登校して響也の様子を見ることにした
朝練には基本出席していたはずだ
といっても学校内では人目も多いし、昨日みたいに張り付くわけでもなく流し目に練習しているグラウンドを見ると、今日の響也はいつも通りの響也だった
チームのメンバーにしきりに声をかけていて、笑顔も絶えないいつもの響也
まるで同一人物とは思えないほどである
一応マネージャーとして神凪もいるにはいるが、やはり二人きりとかじゃない限りはあんな風にはならないということだろうか
確認を終えた俺は怪しまれないようにさっさと昇降口へ向かった
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「今日うちのクラスに転校生が来るらしいぞ!」
「マジか」
2年生になってもうすぐ1ヶ月。もうすぐGWに差し掛かろうというタイミングである
転校生が来るにしてはちょっと変わったタイミングだろうか
「席につけー。HR始めるぞー」
転校生のニュースでガヤついていたクラスが先生の一声で静まり返った
「もうみんな知ってるみたいだが今日からこのクラスに転校生が加わる」
先生が教室のドアを開け、転校生に教室に入るよう促す
入ってきたのは黒髪で前髪がぱっつんになっていて、眼鏡までかけた女子だった
なんだろう。とても地味な印象を受ける
「館林理乃です。これからよろしくお願いします」
「館林は後ろからでも黒板見えるか」
「大丈夫だと思います」
「じゃあ一番後ろの空いてる席を使ってくれ」
今の席はみんな好きな人と近くになれるようにくじなどはせずに自由に決めた席であり、俺は窓際の前から3番目、健太郎が俺の後ろにいて、館林は健太郎の右後ろの席となった
「なんというか。もう敢えてやってるのかと思うほど地味だなケンちゃん」
「ん?ああそうだな」
HRが終われば早速質問攻めに遭っていた
「どこから来たの?」
「静岡から。親の事情で」
「部活は何するの?」
「すいません。帰宅部だと思います」
「好きなことは?」
「音楽を聴くことです」
特に尖った要素はなさそうな普通の女子高生である
俺がここ最近で話すような女性は神凪、ブランコ、花音、店長ぐらいだろうか
それらに比べると平々凡々と言った感じだが
とはいえこの才城高校は自分でいうのも難だが偏差値はそこそこ高めである
健太郎みたいにスポーツ推薦で入学する人もいるが、見た目から察するに彼女がそっちのタイプとは見受けられない
だから普通に受験するよりも遥かに難易度が高い編入試験を乗り越えた秀才、と思われたのだが
「館林。この問題のわかるか?」
「えっと…わかりません」
「そ、そうか。まぁ転校したばかりだからな」
どうやらそういう訳でもなさそうである
授業中はずっと頭を抱えているようだし
性格こそ普通だがどことなく不思議な印象を受ける女子だと思った
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それから一週間ほどが経った
突如として現れた転校生の館林理乃であったが、転校初日に登校したきりで次の日からは姿を見せなくなってしまった
前の学校でも不登校だったからここに来たのか、なぜこの才城高校に入学できたのかとか色々と噂されていたが、その本人がいないのでは聞くことも出来ず。真相は闇の中になったまま、遂にGWの連休に突入してしまった
まぁそんな素性の知れぬ転校生に現を抜かしている場合ではない
GWというものを有意義に過ごさねばならない
俺はおもむろに携帯を手に取り考えていると俺と花音と健太郎のグループにチャットが来た
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花音:ヤッホー
花音:GWも休みがなさそうでーす
花音:だからどこかで一緒にディナーにでも行きませんか?
花音:お兄ちゃんの予定を聞かせて下さい
健太郎:最後の日なら余裕があるぞ
花音:ばか兄には聞いてない
健太郎:じゃあグループに送るのおかしくない?
花音:どうしてもっていうならばか兄は財布要因ね
健太郎:酷い!
孝太郎:俺は今日明日を除けばどこでも空けれるぞ
孝太郎:花音の都合は大丈夫?
花音:大丈夫だよ!ではGW最終日に
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というわけで一応GW最終日には花音と健太郎で集まれるようだ
そしてそれまでは神凪へのアプローチをしなければ
貴重な連休の幕が上がる




