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think you  作者: 寒ブリ
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尾行調査2

久しぶりの一日オフであったが、ブランコに呼び出され神凪と響也のデートの尾行をすることになった

店を出たら次は映画館で海外のアクション映画を見る

そのあとにボウリング場で何ゲームかして解散というのが今日の流れである


何故彼らの予定を俺が知っているかだって?勿論俺が考えたからである

ブランコのように盗み聞いたとかではないのでご安心を


というわけで現在神凪と響也は映画館へと歩みを進めており、それをギリギリ視認できるぐらい後方で俺とブランコが並んで歩いている


ブランコは俺より少し小さいぐらいで女性のなかでは中々の高身長を誇り、ファッションはどれも高そうなブランドばかりだけど綺麗にまとめていることとか、でっかいサングラスの着用、それにスタイルの良さも後押ししてるのかそれこそこれから見に行く映画の女優みたいなカッコよさを感じる。カリスマ漂う雰囲気だが、この女からぶっ飛んだ言動が連発されるのが残念過ぎるといったところ


神凪と響也はというと相変わらず全く会話がない

二人の物理的な距離もそこそこ空いていて、神凪はといえばいつもと何ら変わらず淡々と目的地に向かっているだけである。響也はというとなにやらチラチラと神凪の表情を伺っているようである


しかし多才な響也といえども神凪の表情を読むなんて神技ができるはずもなく、幸せがいっぱい逃げそうな大きな溜息まで吐いていた


このまま何もなく映画館につくと予想されたのだったが


『そこの二人!!』


と俺から見て二人のさらに向こう側から声をかけてくるスーツを着た成人男性のイケボだった


『いきなり話しかけて申し訳ない。私はこういう者なんだけど』


そういって男はなにやら名刺を渡しているようだった

思わぬハプニングだろうか?そう思いブランコに視線を向けるとポケットからごそごそとなにかを取出し俺に手渡してきた


手渡されたのは一つの名刺。いやまさかそんなことあるわけないだろ

あんな唐突に現れた男の名刺を持っている訳がない。あるはずないんだよ。ないはずなんだが…


『須藤プロダクションの須藤達也ですか』


耳から神凪がそう言っているのが聞こえてきた

そして手元の名刺を見るとその名刺に記載されている企業名も名前も合致しており、当人のもので間違いなさそうだった


というか実を言うと名前ぐらいは俺でも聞いたことがあるぐらいの有名人だ


須藤達也、何を隠そう健太郎が大ファンとして応援している星海花蓮が所属する須藤プロダクションの社長さんである。そういや星海花蓮はこの人にスカウトされたって話もあるし、ということはここで話しかけてきたのって…


『君たちはタレントとしての活動に興味ないかな』


スカウトだー!!しかも超が付くほどの一流企業からのお誘いじゃねぇか


(というかなんでナチュラルに須藤さんの声まで拾っているんだ)


俺はメモ帳を突き出しながらブランコを見るが、彼女の反応はというと明後日の方向を見て我関せずといった態度を決め込んでいやがる


『すいません、私たちはこの後用事があるので。それにそのような活動には興味はないですね』


『それは残念だ。君はどうかな』


神凪はきっぱりと断った。いや普通に考えると断ってしまったと表現するべきなのだろうか?まぁ彼女の言葉に嘘は無そうである。本当に興味がないのだろう


それで今度は響也に振られたわけなのだが


『えっと…その…俺もダメです』


『そうか。仕方ないな。お邪魔して悪かった。もし気が変わったら電話してくれ』


すごいお誘いだったがどちらにも断られるとすぐに踵を返してどこかへ去っていった

すごく爽やかな雰囲気で、できる男感がすごい


(なんであんな人の名刺までもってるんだよ)


(単純な話だ。私もあの人にああやって一度スカウトされたのさ。すごいだろ)


それは確かにすごい。が、ブランコのただでさえ渋滞しているステータスがまた一つ加えられることとなった


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


想定外な出来事はあったものの、予定通り映画館に到着した


今日のプランの中でも神凪がひとしお楽しみにしていた場所である

歩きながらロビーを見回す神凪からは普通の人比較するとあからさまではないにしろ、これから映画を見ることに珍しくもワクワクしているのが見て取れた


(俺たちはどうするんだ?)


(無論乗り込む。チケットはカップル割で安く仕入れたぞ)


(Wデート設定はもういいから)


券売機でチケットを買う神凪と響也

当日券ということもあり、席は結構埋まっていた

俺たちにとっては都合がいいことに予約してある後ろの方の席は軒並み埋まっている

といってもどうせブランコの工作が働いているのだろう


『一人千円だそうです。私から払いますね』


『いや。神凪は払わなくていいから』


『…?ですが自分のチケットは…』


『いいから!』


強引な口調で神凪を制した響也は二人分の料金を一人で払う

あんな風に声を荒げる響也は初めて見た。普段と明らかに違う響也、少し怖いぐらいだった。先ほどからの態度も含め一体何が彼をあのようにさせているのだろうか…


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


上映終了。面白い映画だったので普通に見入ってしまった。隣で見ていたブランコはというとまさかの寝落ちである

孫と一緒に来た映画見に来たおばあちゃんかよ


(折角見に来ておいて寝るのはどうなの。いろんな意味で)


(私にとってあのような映画は退屈なのさ。それにもう一つの目的の方もあまり進展がなさそうだしね)


上映中も目立った動きはなく、神凪は純粋に楽しんでいて、響也は神凪にも映画にもまるで無関心だった

確かにこのまま尾行を続けても新しい収穫は得られそうにない


(お手洗い行ってもいいか)


(ああ、構わないよ)


もやもやすることが増える一方である。この状況の背景も全く掴めそうになく、あの二人を繋ぐ謎は謎のままであった























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