作戦会議
神凪に論破された木戸は神凪と柊が本物のカップルに見えるよう本物のカップルらしいことすることになった?
俺の精神が破壊された結果、結局神凪の言いなりとなった俺は神凪と響也が本物のカップルに見えるように本物のカップルっぽいことをしようという頭の悪そうな論理展開を受け入れることとなった
「それで具体的に何をすればよいのでしょうか?」
「まぁデートをするのがベターではあるけど」
「ではデートをしましょう。木戸君、柊さんの連絡先は持っていますか?」
俺のことは『木戸君』で響也のことは『柊さん』なのは何か意味があるのだろうか
「一応同じサッカー部にいた身として持ってはいるけど、それがどうした?」
「では空いてる日を聞いてください」
「待て待て。なんで俺が誘うことになるんだ」
「さっきも言った通り私は携帯を持っていないので」
「デートの約束は当事者同士で行うの!」
説明しよう!!
デートの約束とは?
どちらかが勇気をだしてドキドキしながらデートに誘い、それを受けた相手もドキドキするまでがワンセットとして構築される男女交際の初等段階でよく見られる出来事の一つである!!
しかし神凪と響也でそれが脳内再生されるのはこちらとしては誠に遺憾である
「そうですか、では私が学校で誘うことにしましょう」
あっさりしすぎでは?と思わんかね、どうせこの状況もほくそ笑みながら見てるブランコさんよぉ
「それでデートというのは何をすればよいのでしょうか」
「それは一緒にご飯食べたり、話題の映画見たり、ショッピングしてみたりとか」
「ご飯というのは牛丼でいいんですか?」
「ダメに決まってるだろ!」
俺は携帯を取り出しあれこれと検索をかける
「こことかは割と穴場だけど評判いい店だ、映画は万人向けの話題作といったらこのアクションものだな、それでその近くにこれがあって…」
何が悲しくて好きな女が自分以外といくデートのプランを考えねばならんのだ
そんな俺の気持ちをよそに神凪は俺のスマホの画面を食い入るように見ていた。特に俺が薦めた映画には興味津々である
俺が一緒に行けたらとめちゃくちゃ悔しかったが、すごく目を輝かせた神凪を見れただけよしとすることにした
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一通りのプランを組み立てた頃、時刻は深夜の3時を示していた
「そろそろ寝るか」
「では私は帰ります」
「家までの距離はどれくらいだ?」
「電車で三駅です」
「いや待て。もう終電はとっくに過ぎてるんだが?」
「歩いて帰ります」
「三駅分はだいぶ無理があるだろ。というか補導されるし色々危険だわ」
「しかし見たところ二人で寝るには些か狭すぎるのでは?」
最初に狭いとか言ってたのはこのことを案じていたのか
「心配するな。神凪は俺がいつも使ってる布団を使えばいい」
「木戸君はどうするんですか?」
「俺はどこでも寝れるタイプなんだ、椅子にでも座って寝る」
「それはいくらなんでも危ないのでは?」
「何回かやったことがあるから大丈夫だ。それよりもう早く寝た方がいいぞ。教科書とか取りに一度帰る必要はあるだろうし」
「すいません、では甘えさせていただきます」
神凪は歯を磨きに洗面台へ向かった
俺は慣れた手つきでテーブルを折りたたみ、空いたスペースに布団を敷く
起きたらすぐに出れるように荷物の準備をして、俺も歯を磨いて、一通りの寝支度を終えた
「じゃあ電気消すぞ」
消灯。この家の近くは街灯も少ないため深夜は真っ暗である
俺は宣言通り椅子に座り、背もたれに体重を預けた
「木戸君、ありがとうございました」
暗闇で姿は見えないが声が聞こえてきた
「どういたしまして」
「私こんな風に相談に乗ってもらうのは初めてで浮かれていたかもしれません」
「そう思うならそれを表現できるくらいには表情を豊かにするんだな」
「それは自覚しています、それを差し引いてもです」
「なら大きな一歩だな」
「はい…それだけです、おやすみなさい」
「おやすみ」
それから一分も経たず内に彼女は寝息を立て始めた




