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デザイナーズバトル  作者: ゴスマ
バトル物は修行に始まり勝利で終わる..ハズ。
3/11

第3話 第二の門

当て字が酷くて申し訳ありません。

 長い階段を350段上ると次の小門がある。


 息の上がった羽織の背中を押しながら登るが、この調子では17時までに頂上にたどり着けない。


 17時を超えるとどうなるか?もちろん門限で閉まってしまうのである。


 因みに勝負の途中で日を跨ぐと翌日に試合再会となるが、その前にまた千ギラ追加となる。


 寺のスタッフも日給で働いているのだから仕方無いのである。


 「よくぞ第一の関門を突破した、挑戦者の諸君!ってなんでエロ組までなんで付いて来ているんだ?下の守りはどうしたんだ!?」


 二人組で登場した茶色Tシャツの片割れが言った。


 それを聞いたひかると羽織は傍らで耳を両手で塞ぎたくなった。初めて知ったハナジと転生シロウのコンビ名が可愛そうになる程に痛いたしかったからである。


 「俺たちはこの人を見込んで弟子入りしたんだ。そして一緒に監獄長を倒して自由になるんだ!」


 おいおい鬼の泣く街じゃあるまいし、ここの住職さんはキチンとした人だから誤解のある事言うんじゃない。とひかるは思ったが、茶Tシャツもノリノリで言葉を返した。


 「むっ無理だ!お前たちも見ただろう。あの大木をにぎり潰す巨大な手、巨岩をも粉砕する鋼鉄の拳。」


 それもう人間超えてるから。ほっとくと話が戻って来ないからこっちから行くか。


 「ごちゃごちゃうるさい。デザインターゲットは机だ!」


 勿論これは対デェスク戦の特訓を兼ねての選択であった。


 すると敵が手でひらひらと合図を送って来た。どうやら相手は先行を譲る様である。


 「描けたわ!」


 羽織の描いた机は重厚な質感を持った高級木材を使い落ち着きと信頼をしっかり描き切ったエグゼクティブなデスクである。


 欲しい!そう思わせる机であったが、でもきっと軽く100万ギラ位しそうなので今のひかるには絶対入手不可能であった。


 「ぐぼっ!なっ中々やるな。では此方からの反撃はこれだ!」


 茶色いシャツに’佐’と書かれた方の敵が叫んだ。


 ’佐’が描いたデスクは組み立て式で様々に組み換えが出来るタイプだとった。


 成長に合わせて使えて取っても便利そうだが、しかしひかるは左手を高く上げたのだった。


 「ちょっと待て!それって大手机メーカーの変身机シリーズの盗作じゃあ無いのか?」


 説明しよう!


 デザインバトルには1発退場になるケースが幾つかあり、その一つが盗作である。


 かつて羽織のヒマワリTシャツがそれに該当しなかったのは余りにも溢れすぎている物だったから。


 そして’転生シロウ’のスリットTシャツが盗作に該当しなかったのは版権の所在が不明な為であった。


 「いっいや。ここ!..この辺りにオリジナリティーが。」


 狼狽える茶シャツが食い下がる。


 こういう時はジャッジを呼ぶに限った。古今東西彼らほどデザインに精通した者はおらず、彼らに判定を依頼すれば難解な勝負も即座に解決してくれるからだ。


 ひかるはスマホに向かって大声でコールした。


 「カモン、ザ・ジャッジマン」


 携帯の中から白い物体が沸き上がるとそれは顔面を真白い化粧で固めた赤い丸鼻のジャッジマンを形作った。


 因みにピエロそっくりなこのジャッジマンが纏うブカブカの服の中身を覗いた者は未だ誰も居ない。それどころか彼らが実際何人いるのかさえも分かって居なかった。


 「ふむふむ、こちらの組み換え可能デスクは商標には違反しないギリギリセーフですがやはり知名度NO.1の模倣と取られても仕方が無いかと。」


 「じゃあそっちの女の机は如何なんだ!よく見るタイプだから真似じゃ無いのか?」


 「こちらはすでに星の数ほどこういった感じな物が出ていますので、まるっきりコピーで無ければ逆に問題ないでしょう」


 「やったー!あたしの勝ちねー!」羽織が初勝利に小躍りしている。


 「じゃあ俺たちの1勝だ。次は俺の番だな、それっ!」


 ひかるがデザインオープンした。


 その時、静かに座禅を組んでいたもう一人の修行僧はひかるの作品を見ても動じる事がなかった。


 その机は小さく丸く、そして脚は50cm程の高さしかなかった。


 「ひかる。何その可愛いテーブル?でも高さが低すぎて椅子も入らないわ。」


 ふふふ、そうか羽織は知らないのか?


 これは畳と言うオリエンタルでトラディショナルなマットとセットで使う事によりその性能を極限まで高めるコンボ兵器である。


 そう敢えて兵器という表現で説明した。


 この小机で腕を枕に寝ても良し、宿題をしてもよし、ご飯を食べてもよし、漫画を読んでも良し、そして寝る時に邪魔になると脚が折りんで収納までできるという究極の机なのである。


 『あー懐かしい。ちゃぶ台ですね。奇麗に書かれていますけど貴方ペインターじゃ無いんですからデザインで勝負してくれないと...』


 ジャッジマンがひかるのちゃぶ台を見てそう言った。


 「ジャッジマンよ。そのちゃぶ台はケプラー素材{注}で出来ている。そう小さく注釈で書き入れて於いたのだが見えなかったのか?」


{注:防弾材の様な物だと思って下さい。}


 『まっまさか防弾用具としての機能を...?』


 ジャッジマンは驚いた表情を浮かべた。しかしその時敵が物凄い勢いでペンを走らせ始めたのだった。


(つづく)

読んで頂きどうも有難うございました。

次回は明日の11時頃の投稿を予定しています。

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