謎の成分と、眠気。
遅くなりました。実は、途中まで書いていたのが、消えてしまって。本当に申し訳ありません。
一気に時間は飛ぶけど、俺は夜ご飯を、食べてお風呂にも入り、歯を磨いていい感じに眠たくなったので、みんなに『おやすみ』と、言い自分の部屋に来た、
「ふぁ~〜〜〜ふぁ〜〜ふぅ。」
長いあくびをしてしまった。口を開きすぎて顎が痛いなぁ。
「あっ、欠伸をしていて部屋をすぎちゃったなぁ。ダメだ、かなり眠い。本を読もうかと思ってたけど、もう寝るかな?」
「それでは、おやすみなさい。ご主人様。」
「うわっ!びっくりした!アイナ脅かさないでくれよ!」
いつの間にか、後ろにいたアイナに声をかけられて驚いた。
「すいません、ご主人様。実はシャティちゃんの姿が見えないので、探しに来たんですが、ご存知ないですか?」
「ゴメンよ。知らないよ。」
「そうですか、お疲れのところ申し訳ありません。」
そう言いながら、アイナは抱きついてくる。
「えっ!?ちょっ、アイナさん!」
「申し訳ありません。ご主人酸が切れ始めたので補充をします・・・・・・・恥ずかしいので動かないでください。」
そう言いながら彼女は、顔が見えないように埋めてくる。ご主人酸ってなんだ?
彼女からは、クラリとするような甘い香りがする。気のせいかもしれないけど、呼吸が荒くなっているような。アイナの尻尾は、フリフリと揺れていて、揺れすぎてお尻までも少し揺れている。
さらに、抱きついているため、彼女の上半身の大きく柔らかい部分が・・・持ってくれよ、俺の理性!こうして、見ると彼女の白い髪はやっぱり綺麗だなぁ。青空に浮かぶ白い雲のようだって、語彙力が足りなくてうまく説明出来ない。
どれくらい時間が経ったか分からないけど、彼女のご主人酸の補給とやらは終わった。音を立てずに抱きついていた姿勢から離れた彼女の顔は何故かツヤツヤとしていて、満足そうな顔だった。
「ありがとうございます、これでしばらくは耐えることができます。」
「何を耐えるかは知らないけど、こちらこそありがとう?」
顔が熱いよー、恥ずかしいよー。
「それでは、ご主人様。おやすみなさい♡」
そう言って、彼女は嬉しそうな尻尾で自分の部屋の方向へと歩いていった。
やっと、自分の部屋の中に入ることが出来た。疲れているがアイナのせいで少し眠気がなくなってしまった。
俺は背伸びをしながら、眠たくなるまで本を読もうか、それとも寝ようかと迷いながら、ふと俺のベッドのほうを見ると不自然に膨らんでいた。布団からはちょっと、黒髪が見えている。・・・はァ、めんどくさい、俺は眠いんだよ。
「【ココ、すまないがちょっと静かに来てくれ。頼みたいことがあるんだけど。】」
ちょっと相手をする自信がないのでココを呼ぶ。
「【・・・余は眠たいが、あるじ様の命令なら仕方ないな。】」
「【ありがとう。今度また何か買ってくるから。】」
渋々だがココは頼みを聞いてくれた。
空中に出た魔法陣から、ココが出てきた。
「(それで、あるじ様、なんの用じゃ?)」
「(お前って、大きさ変えれるか?人くらいの大きさに。)」
「(うむ、あるじ様から魔力を貰えば出来るぞ。)」
「(よし、じゃあ魔力をやるから、あそこの布団が不自然に膨らんでいるところの近くに横になって、布団を少しめくってくれ。)」
「(承知したぞ。)」
ココは大きさをトラくらいに変えた。あっ、けっこう魔力を取られた気がする。そして、ココはベッドに飛び乗って布団を少しめくった。
すると・・・。
「マスター、おかえりぃ!突然だけど、ウチを抱い・・・・ってあれ?ココじゃない、マスターは?」
顔を真っ赤にしながらシャティがここに抱きついた。やっぱりお前だったか、ていうかそのお願いは、何だ?一体俺に何をさせるつもりだったんだ?
「あるじ様なら、そこにおるぞ。あるじ様、余はもう戻ってよいか?」
「あぁ、ありがとう。」
ココはベッドから飛び降りいそいそと、リビングに戻って行った。大きさは、虎くらいのまま。
さすがに扉を出る時に気がついたらしく、風船が萎むように元のサイズに戻った。あれは、生物なのか?
「さて、シャティ?なにをしているんだ?話を聞こうじゃないか。」
シャティは、ベッドの上に女の子座りをしながら頬を赤らめて可愛らしく上目遣いを向けて言ってくる。
「サプライズだよ、マスター。」
「サプライズってのは時に迷惑以外の何者でも無くなるんだぞ。」
俺は元の世界でサプライズと、ドッキリ系の番組をあまり見させてもらえなかった。
理由は、俺の家の家訓に、『人を笑わせる時は、人を傷つけないようにしろ。もし、人を貶すなどして、笑わせた時は、それはお前が笑われているんだ。人を笑わせることの出来る人になれ、しかし、人に笑われるな。』というものがある。よく分からない家訓だが、これを親は守っていて、ドッキリ企画系の番組は一切見させてもらえなかった。
そう言った時の俺は、結構怖い顔をしていたのだろうか?少し、シャティを涙目にさせてしまった。
『少し怒気が出ているぞ。』
おまけ機能さんが教えてくれた。しまった!眠いんでイライラしていた。
「ウー、だって最近構ってもらえてなかったんだもん。ウチはマスターを愛してるから、寂しくなって・・・。」
シャティは、( ̄^ ̄゜)みたいな顔をしている。女の子を泣かせちゃダメだよなぁ。
「・・・そうか、それは俺が悪いな、ゴメン。何か埋め合わせをする。何かして欲しいことはあるか?」
俺がそう言うと、シャティは涙目だが目をキラキラとさせた。
「じゃあ、膝枕と添い寝をさせて欲しいよ!今まで、寂しい思いをさせた罰だよ。何でも聞くんでしょ?」
うーん・・・俺は全然構わないのだが、世間体がなぁ。こんな中学一年生のようないや、小学校高学年のような見た目の女の子と添い寝はなぁ。社会的に死ぬぞ。
俺の表情から察したのか、シャティは、驚くべきことを言った。いや、異世界モノのラノベでは、ベタっちゃあテンプレか。というか、最近、俺表情から考えを読まれすぎだろ。
「マスター、エルフは成長が遅いんだよ。だから、大丈夫だよ!」
彼女は何の自信か分からないが自信を持って胸を張っている。いやぁ、実際に見た目と年齢が一致しないと言われるとかなり驚くなぁ。・・・それだったらいいのかな?よくわかんない。
「マスター、マスター、早く。膝枕してー。夜は短いんだから、早くしてくれないと朝になっちゃうよ。」
ちょっと考え込んでいると、シャティが服の袖を引いてきた。まぁ、彼女が望むなら、してあげよう。
シャティは、今、ベッドの上で正座した俺の膝の上に顔を置いて蕩けさせて、笑っている。そんな俺はというと、シャティの頭を撫でていた。正確には、髪の毛を触っているって感じなんだがな。やっぱり、エルフの耳ってとんがっていると言えばいいのかな?ちょっと先がピンとしているようだ。触ってみたいなぁ。
笑っていたシャティは突然笑うのを止めて話をし始めた。俺は変わらず頭を撫でているが。
「マスター、ウチって、ほら・・・・『忌み子』じゃない?」
「あぁ、そうだったな。」
エルフの間では、シャティのような黒髪は『忌み子』と言われ、後天的に五感のひとつを奪われるらしい。一種の差別のようなもので、大体の『忌み子』は、奴隷に落とされるか、運が良ければ、監視・拘束されるらしい、それでも、時間が経てば奴隷に落とされるらしいが。これは、おまけ機能さんが教えてくれた。
「ウチね、そのことでかなり酷い目にあってね、少し前までは、時々夢に出て来ていたんだよ。その夢を見た後は、悲しかったし、不安だったよ。」
シャティの声は、小さく、そして震えているように聞こえた。少し、俺の太ももに冷たい何かが伝わってきた。
「でもね、最近は夢を見ることが少なくなったんだよ。マスターに、いっぱい幸せを貰ったからだよ。つまり、マスター・・・あなたには2回も助けて貰ったんだよ。・・・あの日、マスターがウチを買ってくれなかったら、多分ウチは人生を諦めてたと思う。あと、あなたが優しい人で良かったと思うよ。・・・・・・ウチは、あなたのことが・・・・大好きです。」
・・・こんな話を聞いている時に思うことじゃぁないんだろうが、重いよ。かなり重い。
言い終わると、シャティは、寝息をたて始めた。・・・って寝るんじゃない!
俺が眠れないだろ!
俺は、シャティを起こそうかと思ったけど、寝ている人を起こすのはお姫様抱っこをして彼女の部屋に連れていく。何より、こんな幸せそうな顔をした女の子を起こすのは忍びないしね。
彼女をベッドに寝かすと、目尻に涙を浮かべたまま『いかないでぇ、みすてないでぇ。』と、か細い声で寝言を呟いた。
こんな時出来ることは・・・俺は寝ているシャティの頭を軽く撫でた。あとは・・・ラノベ主人公たちはこんな時こう言うよな。
「大丈夫だよ、俺がいるから。君は僕が幸せにするよ。」
そう言うと、シャティの眉間によっていたシワがとれた。俺は、ハンカチで彼女の目元を吹く。
念の為というか、不安にならないように、ココを呼ぶ。本当は、一緒にいてあげたいんだけど、流石にそれは色々と不味い。
「(ふわぁぁ、何じゃ?あるじ様?余は寝てたんじゃが。)」
「(ココ、シャティと一緒に寝てくれないか?彼女が不安にならないように。)」
ココは、ベッドの上で、目元を赤く晴れさせて、満足そうな顔をしたシャティを見て、『承知した。』と言った。ココはかなり頭がいいから察したのだろう。
俺は、その後すぐに部屋に戻り寝た。少し、寝るまでに時間はかかったけど。




