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影法師の悠々自適な異世界ライフ  作者: マッドちゃんぽん
港町ケルプ編
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ホームシック?と天岩戸

すいません!火曜日に更新しようと思ってたのですが、旅行に行くための準備をしてました。

ソファで寝ているアイナを寝室へと運んで、後片付けをする。

「ねぇ、倫さんは今日のパーティ楽しかったスか?」

隣で俺が洗った皿を拭いてくれているリシアが聞いてくる。ちなみに、ラータとシャティはもう寝ている。日付変わるくらいの時間だから仕方ないけど。

「あぁ、もちろん。とっても面白かったよ。ありがとうな。」

「そっスか。よかったッス・・・。」

リシアは大きく欠伸をかき、目を擦っている。

「あとは、俺がしておくから寝てきな、夜更かしは美容の大敵だよ。」

「それじゃあ、ありがたく頂いておくっス。おやすみなさいッス、倫さん。」

「はい、おやすみ〜。」

さて、俺もそろそろ寝るかな。


次の日は珍しく、いつも1番最初に起きているアイナが結構遅めにに起きてきた。頭をいたそうにさすっている。

「・・・うぅ、あっ、皆さんおはようございます・・・何故か、昨日乾杯してからの記憶が曖昧なんですけど、何があったか教えてくださいませんか?」

昨日あったことかァ・・・言っていいのかなぁ。

「・・・特に・・・何もないよ。」

「ちょっと酔ってたくらいだよ。」

俺たちの目は確認してないがきっと泳いでいたことだろう。アイナは俺たちの態度から何があったのかを大体察したのか青い顔をしている・・・二日酔いのせいかな?


その後、アイナが昨夜起きたことでで恥ずかしくなり、机の下に潜りプルプルと震えるという事件が起きた。まるで天の岩戸の天照大神のように机の下から出てこなかったが、シャティがアイナを説得して、元に戻ってもらった。プルプルしている時尻尾もプルプルしていて可愛かったが・・・言わない方がいいだろうな。


と、まぁ、こんな茶番を俺が見ていると、ラータがこの前のように天井をすり抜けて土下座してきた。本当のフライング土下座だな。

「ラータ、それ本当に驚くからやめてくれないか。」

「旦那はん、頼みがあるねん!」

「ほいほい、分かってたよ。で?どんな頼み?」

「えっとなー・・・小生に新しい布団を下さい!

そろそろ布団の寿命で、このごろ寝つきが悪いねん。頼むわ旦那はん、お願いします!」

ふむ、ふとんか。

俺たちは元々この屋敷にあった布団を天日ぼしなどして普通に使えるようにしたが、それでも古く、確かに最近寝つきが悪い。

機会としては、ちょうどいいかな。

「分かったよ、ちょっと家具屋行ってくるな。どんなやつでもいいのか?」

「あっ、ホンマ?旦那はん、ホンマにありがとう♪あと、布団はフカフカのやつね!」


ということで街の家具屋に来たが、1つ予想してなかったことが起きた。

それは、布団の素材は自分で持ってくるというものだった。基本的にオーダーメイドらしい。

このことを聞いた時、冒険者じゃない人達はどうするんだろうと、思っていたが、普通は旅の行商人などから素材を買うか、古いヤツをリサイクルして使い続けるらしい。

ちなみに、自分で素材を持ってきた方が格段に安い。別に行商人から買っても良いのだが・・・よし、素材を集めてこよう。



店の人に聞いたのだが素材は『アイシクルチキン』とかいうやつの羽根らしい。あー、あれかぁ、あの鶏冠が青っぽいニワトリな。でも羽根捨てちゃったんだよな。狩ってこないとなぁ。


「・・・ということなんで、それを狩ってきます。車とか、«影転移»とかを使うから、すぐに戻ってくるよ。」

俺は、屋敷へと帰り、そのことをアイナたちに報告した。報告・連絡・相談は、大切だからね。

「ご主人様!私も同行します。」

アイナが手を挙げてそう言った。別に手を挙げる必要はないんだよ?

「分かったよ、他についてきたい人いる〜?」

俺がそう言うと他の人達は断った。

シャティは、『う〜ん、アイナっちがいるから、ウチはお留守番してるよ。・・・アイナっち頑張って。』と言っていた。何を頑張るんだ?


まぁ、ラータは、この家の敷地外には出られないから、俺はアイナと二人でニワトリを狩りに行くことになるな。


リシアとココの2人はどうしたって?ああ、彼女たちは、まだ寝てたよ。まぁ、ココは、リシアに抱き枕にされて動けなかっただけなんだけど。何かあったら連絡してきてくれるだろう。ココ、結構強い力で抱かれてたけど大丈夫なのかな?

「よし、じゃあ行こうかアイナ。」

「はい、ご主人様♪レッツラゴーです!」

俺は«影転移»を昨日練習したとおりに空中に窓のように貼り付けた。

・・・今思ったんだけど、なんでアイナご機嫌なんだ?さっきまでの二日酔いでだるそうにしてたのは何処に行ったんだ?

よくわからん。


行き先は、距離的に近い『獣人国グラニース』にしようと思ったが、アイナに頼まれて、俺たちが召喚された国『フリーチェ王国』にした。理由はあっちで教えてくれるらしい。


ということで、はい、やって来ました『フリーチェ王国』。とりあえず、アイナになんでこの国を選んだのか、理由を聞いてみましょう。

「なんで、この国にしたの?」

「実はですね。久しぶりに故郷にいる家族に会いたくなったんです。でも、私は契約上、ご主人様と、出来るだけ一緒にいなくてはいけません。

・・・本当に申し訳ございません!私の勝手で。でも、お願いします!どうか私の故郷の村に私を連れていってください。無理を承知ですがお願いします。」

あーね、なるほどね。ホームシックみたいな感じかな・・・契約?契約って彼女は言った?何それ?


「・・・ねぇ、アイナ?契約ってなに?」

「私は雇われてご主人様のメイドになったんですが・・・」

「うん、それは知ってるけど・・・それで?」

「その時、本来毎月支給されるはずのお給料を一括で受け取ったんです。」

「へぇー、それってどれくらいの期間のやつ?」

「えーっとですね。確か~私が死ぬまでですね。」

・・・うん?今すごいことを彼女は言ったような気が。

「死ぬまで?どれくらい?」

「私たちが貰う給料が年間で12万くらいですから。えーっと、1200万くらいですね。」

「死ぬまで働いてそれって安くない?」

「私の村ではかなり良い方ですよ。本来私が村で死ぬまで働いて、その10分の1も手に入るかどうかですからね。」

「・・・なぜそんなことをしたのか聞いてもいいかい?答えたくなかったら答えなくてもいいけど。」

「いえ、大切なことなのでお話します。・・・私の家は元々貧しかったのですが、今年、双子の新しい妹が出来ました。私の家族はかなりの人数がいて、その子たちが生まれると、生活が出来なくなりそうで、両親は、その子たちを産むことを断念しようとしました。」

産むことを断念する・・・つまり中絶か。元の世界でも妊娠中絶は色々と問題となってたな。正しいのか間違ってるのかってことだが。


「しかし、産むことをやめる為に行うことはかなり危険で、もしかしたら母も亡くなってしまうかもしれません。そうなれば、まだ、小さな妹たちを父1人で育てなければなりません。そして、私は妹を失いたくありません。それを解決するために、私はお給料を一括で受け取りました。はじめの時に私を担当してくれた受付の人にも、止められましたが・・・それでも私は、家族を守りたかったんです。私の大好きな家族を。」

アイナは、悲しそうにそう言った。

つまり・・・身売りか。日本でも、昔にはあったらしいが・・・。


「アイナ・・・。」

「ご主人様。でも、私は今は幸せです。

ご主人や、シャティちゃん、リシアちゃん、もっとたくさんの人に会うことが出来ましたから。そしてあなたが優しかったおかげでもあります。

もし、ご主人様が酷い人だったら、私は笑えてなかったはずです。でも、ご主人様だからこそ私は幸せなのです。

きっと、シャティちゃんも、同じ気持ちです・・・リシアちゃんはどうかは分かりませんが。だから、そんな顔をしないでください。あなたが私たちに笑っていてほしいと思っていると同様に私たちもあなたには笑っていてほしいのです。」


俺はアイナの話を聞いていた時どんな顔をしていたのだろうか。目の前の女の子が自分自身を売って俺の、隣に笑って立っていたことを聞いて。

この娘は、自分から、奴隷のようなものになったのだ。物凄い覚悟だ。


どんな顔をしたら良いのだろうか。

とりあえず、彼女が言う通り笑おう。笑っていいことではないのだが、俺には笑うことしか出来ない。

「分かった。よし!じゃあアイナ、君の故郷に行こうか。君の家族にも会いたいしね。」

「お心遣いありがとうございます。それでは行きましょう!」

アイナは、一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに笑顔になってくれた。なんか、色々気まずいなぁ。まぁ、彼女に対しての態度は変えないつもりだけど。


「・・・あれ?そういえば、その契約って国としたんだよね。じゃあ、国に許可取れば行けるんじゃない?」

「そうですけど・・・今私はご主人様の専用のメイドです。つまり、私はご主人様のモノですね。ご主人様のモノなのです。」

「あ・・・あぁ、そうなの。」

「私はご主人様のモノですよ。・・・貴方のものですからね?」

アイナがしつこくそう言いながらニッコリと微笑んでくれるが・・・何だろう、怖いな。彼女の笑顔はニッコリと言うより・・・濁り(にっごり)だな。


・・・よし、じゃあ行こうか。気にしない!


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