腹から
俺は頭の上でダレているココに言う。
「ちょっと重たいから、頭から降りてくれないかな?」
「了解したのじゃ、あるじ様。とりあえず、一旦帰るから、目的地に着いたらもう一度召喚して欲しいのじゃ。2回目からは触媒とかは必要ないぞ、名前を呼ぶだけで召喚できるからな。」
「わかったよ。また後で呼ぶからな。」
俺の言葉を聞いたココは俺の頭を何故か前足で軽く叩いて光の粒子になり、消えた。
なんで叩かれたんだろう。
門の前ではお馴染みのメイドさんのアイナが竹箒を持って掃除をしていた。
・・・こうして見ると彼女の雰囲気は、アパートの管理人の未亡人の人みたいだ。彼女は結婚してないけど・・・多分ね。アイナは、俺を見ると、愛しいものを見る人のような優しい微笑みをしてくれた。いや、そう感じたのは俺の勘違いかもしれないけど。
「おかえりなさい、ご主人様♪」
「ただいま、アイナ。お掃除ご苦労さま。ありがとうな。」
「はい、ありがとうございます。でも、私はあなたのものなので当然ですよ。」
・・・泣きそうになってきた。なんていい子なんだ。でもね、アイナ。その言い方はほかの場所ではしないでくれよ。
「ご主人様。お話があるのですが。えっと・・・あっ、ご主人様はお疲れでしたね。詳しくは中でお話しますよ。」
「ん。じゃあ、行こうか。」
アイナは持っていた箒をどこかに消してオレについてきた。・・・時々あるそのどこからともなく出したり、片付けたりするのは君の特技か?
殺さない殺人鬼に弟子入りでもしたのか?
ふと、地面を見ると俺とアイナの他にももうひとつ影が出来ていた。・・・上か?上を向きかけた時、声が聞こえた。
「Hey!マスター!ウチを置いてどこに行ってたの!いつの間にかいなくなるの止めてよね!」
シャティが玄関の庇のようなところにいた。庇とは、玄関にある雨よけのようなところだ。大きな屋敷だから、人が乗っても大丈夫なくらい頑丈なのだが・・・。
「おい!シャティ。そんなところで何をしてるんだ?
危ないぞ。落ちたらどうするんだ!」
「言い訳は聞かないよ!お仕置きを受けてもらう!」
そう言ってシャティは、飛んできた。人の話を聞けよ。
彼女は、ボディプレスでも決めるつもりなのか完全に両手両足を伸ばしている。本当に危ない!
俺はシャティを全力で受け止めた。
抱っこ状態シャティは、表情を崩している。Mなのか?
そんなことよりもだ。
「シャティ!危ないじゃないか、怪我をしたらどうするんだ!自分の体は大事にしろ!もう二度とやるなよ!」
俺が怒鳴るのシャティは、身体をビクッと震わせた。
「ご、ごめんなさい、マスター。もうしないよ。」
シャティは涙声でこたえた。流石に大声で怒鳴りすぎたみたいだ。
「・・・どうして、こんな真似をしたんだ?何をしても君の自業自得だけと、君がけがをしたら、僕が嫌な気分になる。」
僕はかなり怒ってる。確かにアイナにしか、あきらのところに行くと、言ってなかったのは俺の責任だが、それでもこの行為は良くない。
俺から降ろされた彼女は俯きながら蚊の鳴くような声で言った。
「だって・・・マスターがいなくて寂しかったんだもん。もしかしたら、捨てられたんじゃないかって不安で。」
「そうか・・・、ゴメンな。今度からはキチンと君たち全員に伝えるよ。」
俺はシャティの頭をナデナデと撫でる。
「ウチこそ・・ごめんなさい。少しテンションが上がってたみたい。」
シャティは、顔を俺の胸のところに埋めた。ぎゅっと俺にハグをしている。俺もぎゅっとし返す。
少しするとシャティは、俺から離れた。
「じゃあ、反省したみたいだから中に入ろうか。アイナが話あるみたいだしね。」
「うん、マスター。」
シャティは俺の腕に抱きついて顔をスリスリと擦り付けた。おいおい、俺はタオルじゃないぞ。
アイナはそんなシャティを見て、驚いて声を上げた。
「シャティちゃん、その頬の血はどうしたんですか!?」
見るとシャティの頬にに血がベッタリと付いていた。
彼女は自分の頬を手で触ってその手を見た。
「何コレ?ウチの血じゃないよ!ウチどこも怪我してないよ!」
・・・怪我?・・・あっ!
「あ!ゴメン、それ俺の血だ。さっきちょっと怪我してね。服を着替えるのを忘れてたよ。」
「マスター、大丈夫なの?」
シャティが慌てている。オロオロとしていて見ていて面白いな。それにしてもさっきから忙しい奴だな。
「・・・ねぇ、もしかしてウチのせいなの?」
「いや、違うよ。ちょっと・・・特訓しててね。大丈夫、怪我はもう治したから。というか、治ったかな?」
シャティは、ホッと息を吐いた。
しかし・・・アイナは放心状態だった。
「ご主人様がお怪我を・・ご主人様がお怪我を・・・ご主人様がお怪我を・・・。」
壊れたスピーカーのように延々と言っている。
「おーい、アイナ〜。戻ってこーい。」
「ご、ご主人様がお怪我を・・・・・大丈夫なんですか!痛みはありませんか?怪我の場所はどこなんですか?ご主人様が怪我をしてしまうと私・・・。」
アイナが俺の身体をぺたぺたと触りながら慌てている。俺はアイナを少ない語彙で説明して落ち着かせた。
まぁ、そんなことは置いておいて、屋敷の中に入る。アイナの話を聞いたり、ココを彼女たちに紹介しなくちゃいけないしね。そう言えば、話って以前『迷宮都市ラカタ』で彼女が俺に言おうとしていたことがなるあの時は結局わからなかったんだよな。
「アイナ、リシアとラータは、どこにいるんだ?」
「はい、リシアちゃんはリビングにいると思います。ラータちゃんは、自分の部屋にいると思いますよ。ら」
「じゃあ、ラータを呼んできてくれるかな?みんなに言わなければならないことがあるから。」
「承知しました。では、私からのお話もそこでしますね。」
「じゃあ、先にリビングで待ってるからね。」
「ぇー、コホン。唐突だけど、みんなに紹介したい子がいる。」
アイナたちがリビングに集まったので話をし始める。俺がこの言葉を言った時、ラータは、さっきまで寝ていたらしくポケーっとした感じだったが、アイナ・リシア・シャティの表情は、少し強ばっていた。そして、アイナたち3人は集まって話をしている。
・・・ラータは、どこを見ているんだ?何かそのほうこうにいるのか?
「(紹介したい人だって。どう思う?)」
「(まさか、女の子スかね?それだと・・・計画が。)」
「(まぁ、これからどうするかはご主人様のお話を聞いてからにしましょう。)」
3人だけの話はが終わったらしい。アイナが続きを聞いてきた。
「どんな娘なんですか?ご主人様?」
アイナスマイルは、怖かった。なんだろうさっきの『こ』ってところの意味が違う気がするのだけど。
「じゃあ、今から呼ぶよ。」
「「「ゴクリ・・・」」」
3人は(; ・`д・´)みたいな顔をしている。表情が豊かだなぁ。
「スキル発動«召喚獣召喚»!」
そう言い指パッチンを鳴らすと地面に黒い魔法陣がでて、ココが現れた。もちろん、大きさは最初のような巨大なサイズではなく、普通の猫サイズだ。あと、指パッチンに意味は無い!
「えっと、俺の召喚獣のココだ。これからはみんな共有のペットだと思ってくれ。」
「ペットってどういうことじゃ!余をペットあつかいするな!」
ココは跳躍して、猫パンチをしてくる。なかなかの威力じゃないか。
「「「「えっ・・・喋った・・・?」」」」
4人の反応は、一緒だった。
やっぱり、驚くよね、これ。驚きでアイナ・リシア・シャティは動けないようだ。これが常人の反応だよな。しかしなぁ。
「なんや、この子喋るんか、かいらしなぁ。」
ラータは彼女たちに比べるとそれほど衝撃を受けておらず、ココのクビを撫でている。
撫でられたココは気持ちよさそうに目を細めている。
・・・ココが黒猫のせいでラータが怪しい魔女にしか見えない。
「これで俺の話は終わりなんだけど。そういえば、アイナ。君が言っていた話って何だ?」
「あ・・・ああ、えーっと、少し遅いのですが引っ越し祝いのパーティをしませんか?」
「うん、イイよ。」
「ありがとうございます、それでは買い出しなどの準備します。」
パーティか、あきらたちも呼ぶべきかな?微妙だなぁ、




