インターホンがないと不便だね。
あきらの場所を«マップ»を使い調べる。
これ、街の地図みたいなのが視界に映っている。
結構細かいところまで記載されていて、店の名前とかも分かるところは分かるようになっている。あっ、よく見てみると、地図のある部分にピンのようなものが刺さっており、そのピンの上に鈴木あきらって書いてある。多分これだろうな、向かってみよう。
玄関のドアを開けようとした時、アイナがパタパタと音を立てて走ってくる。あっ、一応玄関で靴を履く感じの家だよ。アメリカのように家の中でも靴のままとかでもいいんだけどアイナが嫌がったんでね。
「いってらっしゃいませ、ご主人様!」
見事なお辞儀だ。百貨店とかで朝一番に行ったら見える感じのお辞儀だった。
「あぁ、行ってくるよ。今日は、あきらのところに行ってくるから。あとなるべく早く帰ってくるよ」
「なるべく早く帰ってきてくださいね、ご主人様。」
まるで仕事に出社する前の夫を見送る奥さんみたいだな。・・・こんなこと思ったらアイナに失礼か。
俺はあきら滞在している屋敷に着いた。うーん・・・正直に言うと俺たちの方がほんの少しだけデカい。
今思ったんだが、これどうやってあきらを呼び出そう。インターホンとかないから呼び出せないよな。玄関先で大声をだすか?
そんなふうに屋敷の前で悩んでいると、屋敷の前でほうきを持って掃除をしていた女の子に声をかけられた。
「あの?なにか御用でしょうか?」
この言葉をきいた時、やっちまったと思った。だって、完全に不審者じゃないか、家の前で唸ってるって。
「えっと・・・この屋敷にいる人に用があるんだけど。」
「どなたに御用でしょうか?私がしらせてきますが。」
女の子はみためとは裏腹に大人びた態度をしている。どこかで見た気がする・・・ダメだ思い出せない。
「鈴木あきらに用があるんだけど。えーっと、『勝瀬倫太郎が来た』と、言ってくれればいいと思う。あっ、あとアポ無しで突然来たから、ゴメンね、とも伝えてもらえる?」
「承知しました、あきら様の今日の予定は特にありませんので、中でお待ちください。」
俺はその女の子に案内されて、応接室のようなところに案内された。それにしても、あの子とても落ち着きがあったな。しばらく待っていると、あきらがやって来た。
「久しぶりだけどなんの用?りんお兄ちゃん。」
「スキル«召喚獣召喚»について教えてくれないか。使い方が分からないんだ。」
「・・・分かったよ。なんでそのスキルを持ってるかとか、質問があるけど、他でもない、りんお兄ちゃんのお願いごとだからね。聞いてあげるよ。ほら、庭に行こ。」
俺は、あきらと庭に来た。
そう言えば、今思い出したのだがどこかで見たことある女の子だと思っていたが、彼女はあきらの専用メイドの女性だった。女の子ではなく、女性と表すのは・・・フォークで刺されるのは嫌なので省略しておく。
「で、りんお兄ちゃんは«召喚獣召喚»というスキルについてどこまで知ってるの?」
「・・・えっと、名前くらい?」
「はぁ・・・りんお兄ちゃんの言っているスキルについて簡単に説明するね。スキルを使って呼び出した召喚獣と、契約を結ぶ、これだけだよ。もし、強い召喚獣を召喚したいのなら、魔物の身体の一部とかを触媒にするとかをするとうまくいきやすいよ。あと、触媒とか使わなくてもスキルを使った人の魔力量が多いと比較的強い召喚獣が出やすいよ。」
「へえー・・・契約って何だ?」
「さあ?その呼び出した召喚獣によって違うよ。あたしのイヌワノフちゃんは比較的懐きやすい子だったから簡単だったよ。でも最初の方は少し凶暴で腕を噛んできたりしたけど、撫でながら、『ほら、怖くない、怖くない。』って言ったら、懐いたんだよ。やっぱりナ○シカは偉大だね。」
もしかして、イヌワノフってさっきからジーッと瞬きもせずに俺のことを見ているこの狼のことか?そして、俺の足をガジガジと噛み始めたこいつか?痛くはないのだけどズボンがヨダレで汚れるなぁ。
「なんか、コイツアイナに似てるな。失礼だけど。」
「そうだよね。なんか、アイナさんに似てるよね。あっ、そういえば聞きたかったんだけど。アイナさんと、お兄ちゃんて恋人同士なの?」
なんだ、唐突に。
「違うが、どうしてそんなこと聞くんだ。」
「何となくだよ〜。」
あきらは手をヒラヒラと動かしながらそう言う。よくわかんねえ。
さて、さっそく«召喚獣召喚»を試そう。
以前たおしたティランドラゴンの牙を触媒として使おう。あと、『迷宮都市』で倒した魔族の死体も使おう。
使えるものはなんでも使わないとね。牙はともかく、この死体って使えるのかな?
「勝頼様、その矢が大量に刺さった死体は・・・もしかして、魔王のしもべの・・・」
深く言及されると面倒なので、さっさとしてしまおう。まぁ、隠す必要も無いんだけどね。
死体と牙を中心に魔法陣が出てくる。
あれ?気のせいかもしれないけど・・・なんか、この魔法陣黒くない?あと、魔法陣から赤い稲妻のようなものが出てるもんなの?
「なぁ、もしかしてこれやばいんじゃない?」
「そ、そうだね、りんお兄ちゃん。」
パッと強い光で司会が一瞬塞がれたあと、そこには・・・大きなねこのような動物がいた。
ちなみにさっきまで俺の足を犬のおやつのようにガジガジと噛んでいたイヌワノフは、怯えながら吠えまくっている。
もしかして、俺、変なのを召喚獣として呼んじゃった?




