材料は蜂蜜
俺たちは街に入る少し手前、城壁って言えばいいのかな?まぁ、街を囲っている壁の近くで高機動車を止める。流石に街中では乗れないし、と言うか、この門を通らせてくれなさそうだしね、
「よし、みんな降りろよー。ってシャティは寝てるのか。おーい、起きろよ〜、街に着いたぞ。」
俺はシャティを起こすために彼女の肩を揺する。彼女は顔をほんの少し赤らめて微笑みながら寝ている。気持ちよさそうだなぁ。出来ればそのまま寝かせといてあげたいんだけどね。そうもいかないしね。
「あれ?起きないなぁ。うーん・・・。」
人の寝かせ方は分かるんだけど、起こし方は知らないなぁ。このまま背負って連れていこうかな。とりあえず、もう1回肩を揺すって起きなければ背負っていこう。
「おーい、いい加減起きろよ〜。シャ〜ティ〜?」
彼女は、寝覚めたらしく、うっすらと目を開けて、寝言を言った。
「ますたぁ、それはハチミツが無いとつくれないよぉ。」
「「「・・・・・・ん?」」」
「・・・ん?・・・はっ!にゃんでもないよ、なんでも!」
シャティは、寝言の恥ずかしさのあまり、顔を押さえて猫のように車のシートの上で丸まっている。
俺たちの間にほんのりと生暖かい空気が流れた。
本当にかわいいなぁシャティは。
「シャティ、おはようッス。・・・で?何を作るんスか?」
リシアが笑いながら、トドメを刺しに行く。
やめてさしあげろ、恥ずかしさでシャティが死んでしまうぞ!アイナは笑いをこらえていた。誤魔化せてないぞ、顔を隠していても、尻尾には出てるからな?
「な・・・何でもないよ!で、どこに行くの?マスター!」
「そ・・・そう言えば、どこに行くか・・・はちみつ・・・フフッ・・・聞いてませんでした。」
シャティは、顔を真っ赤にしながら聞いてくる。
そういえばアイナとシャティの2人にはには言ってなかったけ。笑いこらえきれてませんよ?アイナ。
「リシアが持っている家だ。今日から俺たちはそこに住むことになった。もちろん、旅は続けるけど。」
「「えっ!?」」
その言葉を聞いた途端シャティとアイナの2人はホケーっとした。目の焦点があっていないが大丈夫か?2人とも。
さて、ようやくシャティも高機動車から降りたことだしこれは、«影収納»に入れておこう。高機動車は、沼に沈んでいくように影に沈んでいく。
あっ!これ、収納すると『和文神・車バージョン』て
表示されるんだ。まぁ、細かいことは考えないでおこう。さぁ、リシアが持っている家とやらに行ってみようか。
この『港町ケルプ』は、地球で言うなら、『アドレア海の真珠』こと、クロアチアのドブロブニクのような印象の国だ。地面は石畳で舗装され、建物は屋根がカラフルなレンガ造りの家が多い、もちろん木造の建物もあるが。路地もかなり多い、探検したい。
いやー、いい街だなぁ。
そして、港町ということもあり、the海の男って感じのマッチョが多い・・・これは、マイナスポイントかなぁ。
あと、出店のようなものは少ない。
一言で言うなら、良い国だなぁ、もう魔王退治とか、どうでも良くなるなぁ。
「リシア、そう言えばおまえ、家の場所知ってるの?」
「はいっス、家を譲り受けてもらう時に場所も教えて貰ったっスよ。心配はご無用っス。まぁ、家を見るのは今日が初めてなんスけど。」
リシアに案内されて俺たちはその場所に着いた。
そこを見て、俺が抱いた感想は一つだけだ。
・・・な、なんじゃこりゃぁ!
そのには、家ではなく『屋敷』が、あった。
しかし、そこは整備されていないのか、雑草がたくさん生え、屋敷にはツタが絡みついていて、印象だけでいえば、ここに住んでいるのは、マッドサイエンティストか、魔女のどちらかだろうという感じだ。
屋敷の見た目は、昔のイギリスの田舎にあるような豪華なお屋敷のイメージそのままだ。モダンな茶色の屋根なのでそういった印象を持つだけなのかもしれないが。
見た目を抜きにしても、これは凄いなぁ。
「「「「・・・・・」」」」
もう、みんなおどろきすぎて、何を言えない。本当に驚いた時って声って出ないんだなぁ。
「よ・・・よし、みんな、まずは、家の中に入ろう。
それから、屋敷の掃除をしようじゃないか。話はそれからだよ。」
3人は開いた口を塞がないまま首を縦に振った。
俺たちは、屋敷の門を開け、大きな木製の茶色のドアを開けて屋敷へと入っていった。
・・・リシア、これをくれる知り合いってどんな奴だよ。




