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影法師の悠々自適な異世界ライフ  作者: マッドちゃんぽん
港町ケルプ編
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ドライブ

俺は『和文神』に魔力を込める。そう言えば、魔力の込め方を説明するのを忘れていた。言葉で説明するのは少し難しいので、感覚で察してほしいが、体の中にある暖かいナニカを外に出す感じだ。まぁ、ラノベとかでよくある感じとでも思ってほしい。物体を持っての魔力の流し方は、自分の体温をものに伝えるような感じになるな。


えっとー、どうやって車に変化させればいいんだろう。

『魔力を込めながら、変化させたい物体をイメージするとそれに変わるよ。お前の影を操る能力とかは、お前のイメージが強いほど強くなる感じだから、精一杯イメージしろや。』

いつも通りヘルプ機能さんが教えてくれた。そろそろこれの名称を決めないとなぁ。


俺は、山道に合う車をイメージする。大きな石とか、気をなぎ倒せるようなパワーのある車を、大人数を運べる車を。

『和文神』の端が伸びて、伸びた先が車の形になる。

おぉ、イメージどおりの種類の車になった。

・・・なんか携帯のストラップになった気分だなぁ。

繋がっているところを切り離す。

一応切り離すことも『和文神しずのかみ』の能力のため、切り離しても普通に動かせるらしい。

トカゲの尻尾切りみたいだなぁ。でも、あれは動かしてるわけじゃないが。


「ご主人様、これは何ですか?見たところ馬車のようですが、馬はいないですよ?」

「ん?あぁ、正解だよ、これは馬車の代わりだよ。でも、馬は必要ない感じのやつだよ。」

馬はティランドラゴンに食べられたしな。・・・ホラーだった。馬たちはリシアとシャティが埋葬してくれている。ほとんど肉体は残らなかったけど、小さな墓標を建てた。短い間だったけどありがとうな。


俺が作ったのは自衛隊が乗る高機動車だ。

やっぱり、かっこいいな。昔、部活の先輩に自衛隊の見学に行かせてもらった時、気に入ったから強くイメージすることが出来た。

武器とかは組み込められるのかな?

魔力を込めると変形もできるっぽいから、大丈夫かな。

剣とかなら、作れるかもな。


俺は運転席に座る。なかなかいい感じだな。

「みんな、乗らないの?置いてくよ。」

外でボーッとしていたアイナたちに声をかける。彼女たちはハッと気づき、車のドアを開けて中に入る。

よし、全員乗ったな、次の街にさぁ行くぞ!

「『港町ケルプ』に向かってレッツゴー!」

車全体に魔力を通していくようなイメージで、魔力を込めながら、アクセルを踏む。

スキル«騎行»のおかげでうまく動かせるみたいだ。ん?«至妙の腕»のほうかな?まぁ、どっちでもいいか。

しかし、全然揺れないなこの車。それに元は布?なのにかなり硬いし。うん、やっぱりご都合主義だなぁ。


この車の後部座席は普通の高機動車のようではなく、普通の車のような座席にしている。これは、何となく気分でした。あと、色々と普通の自動車に近づけている部分もあるが、この車?は高機動車と普通の自動車の間の子とでも思ってくれ。



あっ、シートベルトもキチンと付けてるよ。

今も法定速度を守っての速度で走ってるからな。

・・・法定速度とか無いな、この世界。

細かいことは気にしない、気にしない。

免許?この世界にそんなものが存在すると思う?

『ドン!』「プギャァァァアォァア!」

「ひぅ!今のなんスか?倫さん!何かがこれに当たったスよ!」

「気にしない、気にしない。アハハハハ♪」

隣に座っていたリシアが怯えている。

イノシシさんを轢いたっぽい。

大丈夫大丈夫、北海道とかではよくあるらしいから。


高機動車に乗ってからリシアは、ずっと怯えている。

頭のアホ毛は、ふにゃふにゃになっていてしおれているように見える。何そのアホ毛、マジで可愛い。

やっぱり、これが普通の反応なのかな。

ちなみに、アイナとシャティは寝ている。

・・・大物になるよ、君たち。


1時間くらいすると山道がおわった。

「ハァハァ・・・、もうすぐ『港町ケルプ』っス。これ、はやすぎっス。ちょっと飛ぶたび心臓がキュッとなったス。」

隣で冷や汗をかいて(:.;゜;Д;゜;.:)みたいな顔で震えていたリシアが言った。アホ毛はペタンとおでこにのっている。まぁ、道で揺れないと言っても山道だからな、段差とかで飛んだりしたから、普通こうなるよな。


俺は車の窓を開けた、海が近くならそれっぽい匂いがするはずだが、うーん、まだ、ほんのちょっと香る程度だった。

「ねぇ〜、着いたの〜?」

さっきまで、寝ていたシャティが言ってきた。まだ寝ぼけているのか、目を瞑りながらだったが。

「うーん、多分もうすぐかな?」

「じゃあ、着いたら起こして〜。」

あれ?これ踏まなくてもスピード上がるんだけど。

あー、魔力で操作してるからかな?

まぁ、いいや。


しばらくすると、窓から潮の香りが車内に入ってきて、遠くの方に街のようなものが見えた。

「ハァハァ、あれ?倫さん、あれなんスかね?」

「ん?なになに?あ〜、人だかりが街の前に出来てるな?本当になんだあれ?祭りか?」

「ご主人様、あそこにあきら様がいらっしゃいますよ。なんか、道に座っていますが。」

確かにいるなぁ、よし!サプライズをしよう。

この車を見ると驚くだろうなぁ。

あぁ、あとこの車まったく音がならない。


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