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影法師の悠々自適な異世界ライフ  作者: マッドちゃんぽん
港町ケルプ編
70/309

コウカイとやりすぎ

気がつくと朝になっていた。俺は毛布をかけられて、馬車に寝かされていた。なんだろうな、ぐっすりと寝た、という気分じゃない。眠気がなかなか取れないな。

そう言えば、なんかあったような。


・・・あっ!アイナたちは無事なんだろうか。

俺は毛布を吹き飛ばして急いで馬車の中から外を見た。

「あっ、起きましたか、ご主人様。おはようございます。」

「あっ、おはよう。」

アイナが微笑みながら、挨拶をしてくれた。

彼女はリシアとシャティにひざ枕をしていた。2人はよく眠っている。

こう見ると姉妹みたいだなぁ、微笑ましいな・・・じゃない!


「どうして俺は、眠り薬で眠らされたんだ?アイナは、その理由知ってる?」

「あ、はい、存じ上げてますよ。実は・・・少し聞かれたくないお話がありまして。で、でも悪巧みとかじゃないですよ!ただの順番決めです。ただの順番決めですからね。」

ちょっとやりすぎな気がするが、まぁ、そういうことならいいか。人間聞かれたくないこともあるし。

「そういうことなら許すよ。でも、こんなことはもうしないこと。いいね?」

「はい、申し訳ございません。」


馬たちは、しばらく前に起きていたようで、ムシャムシャと、エサを食べていた。アイナが、エサを出したようだ。

「アイナ、その2人と馬車に乗ってくれ。すこし、早いが出発しようと思う。今日は俺が御者をするから。」

「あっ、はい。承知しました。」

俺は御者台に乗って馬の手綱を握り、スキル«騎行»発動する。

スキルが発動すると、ゲームの画面のようなものが出てきた。おぉー、どうすれば、馬が思った方向に行くかが分かるようになった。凄いなコレ、かなり便利だな。

ご都合主義万歳。


俺は後ろに乗っているはずのアイナに声をかける。

「火の番をしていて眠いだろう?アイナ、寝てていいよ。」

「承知しました。ありがとうございます。でも、お気持ちだけ貰っておきますね、ご主人様。」

アイナの声が横から聞こえた。・・・横?

彼女はいつの間にかに横にちょこんと座っていた。

メイド服を着た美人が横にいる。


やっぱり、アイナってかなりの美人だよな。

サラサラのシルクのような美しい白い髪。

白玉団子のようなプニプニとしたキレイな肌。

その小動物のようなクリクリとした青い瞳はまるで、サファイアだ。結婚するならこんな人がいいな。

「ご、ご主人様、そんなに見つめられると恥ずかしいのですが。えへへへ♪」

俺は彼女の声を聞いて、ハッと正気に戻り、御者に集中する。何をしてたんだ俺は!

女性の顔をじっと見るなんて。


「ご主人様、何か、私の顔についていましたか?」

「い、いや、そうじゃなく。・・・正直に言うと見とれていた、アイナに。この人と結婚する人は幸せ者だなとか思ってた。」

照れくさい。っていうか、死にたい。

正直に言いすぎた。

アイナはリンゴのようになった。顔を尻尾で隠している。


パカラパカラと、馬の蹄の音だけが山道に響く。

俺はさっきのことを忘れるために馬を操ることに集中する。ずっと俺はこう思っていた。

『うわぁぁぁ、やっちゃった、やっちゃった!クソが!なんで正直に言っちゃたんだろう。うわぁぁぁ!』

うぅ、後悔でいっぱいだより


しばらくすると何か体の片側が重くなった。

ふと、重さがかかっている方に目を横に向けるとアイナがスースーと寝息をたてて、もたれかかっていた。

危ないなぁ、落ちたらどうするんだ。

俺は『和文神しずのかみ』を操り、ゆりかご?のようにしてアイナを後ろに運ぶ。影でも運べたが、影じゃなくこっちにしたのは柔らかそうだったからだ。

«影収納»から毛布を出してアイナにかける。

もちろん毛布をかけるのは、御者中だから影でだけどね。影を手の形にしてかけた、上手くかけられたかな?



3人が、起きたのは昼くらいだった。

昼ごはんは、朝ごはんなのか昼ごはんなのかわからなかった。あっ、俺は朝ごはんに、毎度おなじみのリンゴもどきを食べたよ。

やっぱり、夜更かしはいけないな。

それにしても、3人だけの話ってなんだったんだろう。


まぁ、秘密が女を美しくするって、とあるマンガの登場キャラクターも言ってたしね。

そもそも俺が気にすることじゃないだろうな。

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