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影法師の悠々自適な異世界ライフ  作者: マッドちゃんぽん
港町ケルプ編
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クロロホルム?

「マスター、そろそろ山に入るよ。この山を超えれば『港町ケルプ』は、すぐって、リシアたんが言ってたよー。」

御者シャティが、空を見てボーッとしてた俺にそう言った。いやー、この世界本当に空が綺麗だなぁ。

今は、夕方で茜色のキレイな夕日が空をオレンジ色に変えている。山に入るのか・・・俺、酔わないか心配だ。

酔い止めが欲しいな。


リシアも先程昼寝から起きたが、まだちょっとぼんやりとしているのか、ボーッと口を開けている。

アイナ、本に集中している。声をかけるのを躊躇うくらいに。尻尾で、馬車の床を叩いて音を出している。

あんなに集中するなんて、なんの本貸したっけな。


山に入ったぽいが、やっぱり山道というだけあって結構揺れるなぁ。そこまで道が急じゃないのが、まだいいところかな。うわぁ、もう絶対に酔うのが分かる。

「マスター、暗くなってきたし、そろそろ野営しようよ。」

「そうだな。暗い山道は危険だしな。

それでどこにするんだ。」

「あそこがいいんじゃない?」

少しひらけた所を指さした。近くには川が流れている。

「じゃあ、あそこにしよう。」



「リシア、そういえば、怜からいくつか調味料を貰ってたぞ。必要なら«影収納»から出すけど。」

リシアが晩御飯を何にするか迷っていたから、言ってみた。

「れい?・・・誰?」

彼女はそう言って首を傾げた。

そういえばシャティにアイツのこと教えてなかったけ?

「ご主人様の弟様ですよね?」

アイナは知ってたか。弟様?なんでそんな言い方なんだ?

「えーと、どう説明したらいいんだろうな。

シャティたちは『迷宮都市ラカタ』で、三香原先輩に呼び出されてたろ。」

「三香原瑞希・・・。」

「私が、鎖でぐるぐる巻きにされて、黒焦げになったあの日っスね。」

シャティはしかめっ面をしながら下唇を噛んでいる。どれだけあの人のこと嫌いなんだ。リシアは、懐かしいものを見るような・・・というか、何かを諦めたような目をしている。


「で!それがどうかしたの?」

シャティはキレ気味で言ってくる。落ち着けよ。

「落ち着けよ、シャティ。せっかく可愛いのに、そんな顔をすると台無しになるぞ。」

「ふぅ〜。おっけぇ、落ち着いたよ。」

彼女は深呼吸をしながら自分の眉間をシワの伸ばすように撫でた。


「で、そのとき、台所にいた奴だ。角刈りの、俺と同じくらいの身長の男だ。」

「台所っスか?誰もいなかったと思うんスけど。」

あー、そういえば、あいつ俺と来たんだったな。

そりゃあ知らないか。


「まぁ、次会ったら紹介するよ。あいつのクラスは、料理人だから、調味料をいくつか作っていて、それを少し貰ったんだ。シャティと同じくらいの料理の腕前かな?」

「へぇー、なるほどね。それで、調味料ってどんなの?」

シャティは、落ち着いたらしく、機嫌が良くなっていた。俺は怜から貰ったいくつかの調味料を«影収納»から出す。あっ、調味料は、ちゃんと包んで貰ったり、容器に入れてもらったりしてるよ。


シャティは、その調味料たちを見たり、匂いを嗅いだり、手に少し垂らして味を確かめたりしている。

「よし、今日の献立は決まったよ。楽しみにしててよ!」

「あぁ、もちろんだよ。楽しみにしてるね。」




シャティは回鍋肉ホイコーローを作った。

でも、豚肉はイノシシ先生のものとキャベツのような野菜を使った回鍋肉もどきだ。回鍋肉っぽいなにかだ。

柔らかな葉と、甘辛い味噌(怜が作ったもの)と

豚肉のうまみが絡み合った素晴らしい一品だった。

とにかく、ご飯が欲しくてたまらなかった。

おいしかったです。



今日も火の番をしようと焚き火にまきをくべていると、アイナが俺と焚き火のあいだに立った。リシアとシャティも一緒だ。3人とも真剣な顔をしている。

焚き火の火で彼女らの首についたチョーカーの赤さが増しているように思える。

「あれ?3人とも、寝ないの?」

「今日は私たちだけで火の番をさせてください!」

アイナが鬼気迫るといった勢いで言ってきた。

顔が近い!彼女は、鼻と鼻が触れ合うくらいの近さまで顔を近づけてきた。

3人で火の番をする理由とかは聞かないでおこう。

やぶ蛇になるかもだからね。


「分かったよ。じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうよ。」

こういう時は遠慮をしないのが大切なんだよ。

しかし、2人は夜更かしをするのか・・・御者はどうしようかな?

『アリシア=ヘルベルトからスキル«騎行»をコピーしました,』

騎行?馬を操るスキルかな?

『そうですね。馬というか、乗れるものなら何でも操ることの出来るスキルですね。』

これで明日は俺が代わりに御者をすることが出来る。

まぁ、一安心かな?

「じゃあ、おやすみー。」

俺は、馬車の方に向かう。馬車から焚き火までは少ししか離れてない。5mくらいかな?


馬車に着いて、中で寝ようと、中への入口のところに手を付けたとき、『和文神しずのかみ』の裾をひかれた。後ろを見ると、シャティがいた。

「マスター。ちょっとしゃがんで。」

シャティにそう頼まれたので、片膝を地面につけてしゃがむ。まるで、騎士が王様にするように。・・・わざとカッコつけた言い回しにしてみたけど、なんだかなぁ。

なんだかなぁだよ。


「で、どうした?」

「次は目を瞑って、質問は受け付けないよ。」

俺は彼女の言う通りに目を瞑る。・・・そう言えば、ラノベとか、マンガとかだと大体この後、とある展開になるんだよな。もしかして・・・。

「で、何のよう「えいっ!」」

俺は、柔らかい何かが、俺の唇に触れた。

この感触は・・・・・・。





・・・・・ハンカチ?

シャティは、ハンカチのような布を俺の顔に押し付けた。なんか、布が少し湿ってる。

あれ?なんか急に眠たくなってきた。

眠気で意識が飛びそうになっているとぼんやりとシャティの声が聞こえてきた。

「・・・ごめんなさいマスター、ちょっと聞かれたくない話があるの。大丈夫だよ、ただの眠り薬だから・・・。」


そんなことで眠り薬を使うなよ!

シャティのそのセリフを聞き終わると同時に俺の意識は闇に沈んだ。

あー、ハンカチじゃなくて他のものが良かったなぁ。

1話から少しずつ改稿作業をしています。

改稿作業と言っても表現を増やしたり、誤字を直したりするくらいなんですけどね。

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