ビー玉を砕くと風になる
昨日は風邪をひいて更新が出来ませんでした。
街の中では、数カ所で煙が上がっているところがあった。俺は、さっき煙が上がったところに飛んでいく。
上から見ると、イギリスなどにある怪物をかたどった彫刻、ガーゴイルが暴れていた。色はコンクリートブロックのような灰色で、見た目は普通の石像なんだけど、動いているところをみるとあれも魔物なんだろな。四体くらいいる。あいつらの武器というか、攻撃手段は爪のようだ。それらの手には、指じゃなく長い爪のようなものがあったからだ。
ガーゴイルは、建物を壊しつつ何かと戦っているようだ。
あっ!ガーゴイルの前にいるのリシアじゃないか。
盾と剣を構えて、ガーゴイルの行く手を阻んでいるようだ。
彼女をよく見ると、剣の刃は刃こぼれを起こして、凸凹になっていて、身体は浅い切り傷でボロボロだ。
ガーゴイルの爪に血が付いているところからアイツらにやられたのか。行動を見ると、ガーゴイルには知能というものがなく、命令のままに動いているって感じだな。
俺は空中で«物質創成(仮)»で、殴打用の武器であるメイスを作る。アイツら石みたいな感じだからこれでいいだろう。最初は巨大なハンマーを作ろうとしたがイメージが出来なくて、断念した。作れることには作れるんだが、なんだか適当な感じになるからな。イメージが強いほど、細かいところまで作ることが出来るようだ。
おっと、考え事をしている場合じゃないな。
俺は、«飛行»を止め、ガーゴイルたちに向かって落下していく。高さは10メートルくらいだ。
あっ、怖い。というか俺この高さから落ちて大丈夫なのか?
ちょっとかっこ悪いが、少し«飛行»を使って速度を落としながら、ガーゴイルとリシアの間に落ちた。
割かと、音をたてたのに、ガーゴイルとリシアは気づいてくれなかった。それどころか、あるガーゴイルは、間にいる俺を無視して、リシアに攻撃をしようとしている。
「俺を無視するな!」
リシアに飛びかかったガーゴイルの頭をメイスで砕く。
リシアは、俺を見ると、安心したように、大きく息を吐いた。上からだと、分からなかったが、リシアの左目は額から流れた血が入っていて、片目を閉じていた。
「倫さん、助けに来てくれたんスね。」
「お疲れさま、リシア。遅くなったね。」
「って倫さん!血まみれじゃないっスか!大丈夫なんスか?」
「もちろん。あ、あとこれ俺の血じゃなくて、魔物の返り血だよ。」
「「「「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!」」」」
四匹のガーゴイルが、頭にひびく高い声で叫ぶ。あれ?四匹?一匹壊したはずだが。
「気をつけてくださいっス!アイツら剣では切れないっス。あと、弱点はコアがある頭っス、それを壊さないと、回復するっスよ!」
あー、なるほどね。多分俺が殴ったであろう一匹の頭は半分砕けているが、少しずつ回復していた。
俺は、小距離を移動するスキル«転移»で、ガーゴイルの正面に転移して、メイスを横殴りで頭に叩きつける。先程も聞いたコンクリートを砕くような音が響いた。
ガーゴイルの頭はこなごなになった。
うん?なんか、ビー玉の破片みたいなのが頭の破片に混じっているな。
すると、ガーゴイルの身体はサラサラの砂になり風に飛ばされていった。
なるほどな、さっきのビー玉みたいなやつがコアってことか。
残りの三体のガーゴイルも同じように、メイスで頭を砕き破壊する。コアとやらは欲しかったな。
さて、ガーゴイルも風に乗せて飛んでいったことだし、リシアを回復させようか。
「リシア、怪我を治すからこっちに来い。」
「私は後でも構わないっス。それより、怪我をした街の人を治すのを優先してくださいっス。」
リシアは、オルトさんのようなことを言う。
「はぁ、分かった、キツくなったらすぐに言ってくれよ。それで、リシア、避難場所はどこだ?」
「避難場所は、教会っス。ここから走って5分くらいっス。」
俺はリシアの案内でアイナたちが避難しているという、教会へと急ぐ。しかし、走って行っては遅いので、俺はリシアを小脇に抱き、«飛行»で、急ぐ。
あとリシアに«回復魔法は»をかけておく。
そう言えば、なんでリシアは戦ってたんだ?
やっと、協会についた時、俺は空から見た。
多分、上手いことやって来た武器である爪に血を滴らせたガーゴイルと、驚いたような表情をしているシャティと・・・。
子供を庇うようにして、ガーゴイルの前に立ちはだかって背中に大きな切り裂かれたような傷をつけられて、血まみれになったアイナを・・・。




