ある日、街の外でクマさんが叫んだ
「勝瀬さん!どうか、力をお貸しください。」
放送を聞いた、団長さんが頼んできた。
頼まれたらやるしかないな。というか、俺に被害があるなら殲滅するしかない。
「もちろん手伝わせてもらいます。俺に出来る精一杯をするつもりです。・・・アイナたちは武器を持ってる避難して、街の人を守ってくれ。」
「待ってくださいご主人様。私も戦います。援護くらいなら出来ると思います。」
「ウチも一緒に戦うよ、マスター。」
アイナとシャティがそう言ってくる。2人とも本気なのはわかってるが・・・それでも。
「ダメだ、君たちのレベルとステータスでは役に立たない。それに、俺は君たちに傷ついて欲しくない。これは、俺のワガママだ。」
「・・・分かったよ。でも、ちゃんと帰ってきてね。
いつか、ウチたちも戦えるくらいには強くなるから。」
「ご主人様がそう言うなら・・・。」
「2人とも早くするっス!私たちでも街の人を守るくらいは出来るっス。」
アイナとシャティは、やれやれという感じで、掴んでいた俺の袖を離してくれた。
「大丈夫だよ3人とも。ちゃんと無事に戻ってくるから。いざとなったら、逃げるなり何なりするから。」
「ご主人様、約束ですよ・・・、帰ってきたらお話がありますから。大切なお話です。」
「楽しみにしてるよ。じゃあ行ってくるね。」
俺は、魔物の軍勢がいるという方向へ、アイナたちは避難所があるという方向へ走って行った。
この世界の街は基本的に城壁に囲まれている。
魔物からの襲撃に備えてのことだそうだ。
進○の巨人と同じような感じだ。壁は20メートルくらいの高さだ。
そして、俺は今、その街を囲っている城壁の上にいる。
この壁の上へは階段を使って登ってきた。
「勝瀬さん、あれが魔物の軍勢です。」
槍を持った団長さんが持ってた槍で指した方向を見ると、すごい土煙が上がっていた。王○でも来たのかな?
ああいうの、金曜ロー○ショーで何回か見たことあるぞ。
よく見ると、半分くらいがスケルトンのようなもので、残りは神話に出てくるサイクロプスのような1つ目の巨人(3メートルくらい)がいた。
かなりの数がいる。200体くらいかな?空を飛んでいる奴もいるが見えないなぁ。・・・もう少し視力がよければな。空を飛んでいるのはそれほど多くない。確認できるだけで20体くらいかな?
「スケルトンソルジャーとギガントですね。それに、飛んでいるのは・・・アフールという巨大なコウモリですね。勝瀬さん気をつけてください。あの数の魔物はかなり手強いです。」
あっ、サイクロプスじゃなくギガンテスなんだ。
「了解しました。」
見た目は子供だが、さすが団長さんはしっかりしている。この人本当にすごい人なんじゃないだろうか。
うん?突然軍勢が立ち止まったぞ。
その軍勢が割れて、奥から一匹の魔物が前へ出てきた。
「人間どもよ!我らは魔王様の命令によりこの街を侵略しに来た!我の名はムシュフ。さあ、抵抗しないのであれば楽に殺してやろう。」
身長が2メートルくらいある背中に大剣を背負い鎧を着た奴が言った。あんまり確認は出来ないがあれは・・・顔が熊なのかな?モサモサしている。
「あ、あれは魔王の部下の1人の『軍勢のムシュフ』。あんな奴が来るなんて・・・。」
団長さんの手に持っている槍が震えている。
ムシュフとかいう奴はまだ喋ってるが待つのもしんどくなってきたな。というか、アイツ矢で狙撃すれば問題解決なんじゃね?
「〜〜〜ふむ、返答は無しか・・・よし!行けェ!我が軍勢よ!人間どもを皆殺しにしろぉ!勇者共は昨日出発したと聞いた!今がチャンスだ!蹂躙せよ!」
ムシュフとかいう奴がどこかの征服王のように叫ぶと、
スケルトンは骨をカタカタと鳴らし、ギガントは、その足で地面を踏んだ。そして、軍勢は動き始めた。
あいつらのいる位置からここまで200メートルというところか。
銃を撃っていいのは撃たれることを覚悟したやつだけだ。きっと彼らもその覚悟があってここに来たのだろうからな。とりあえず全力でいこう。勝てるかどうかは分からないが。害があるものは消さなくちゃな。
俺は羽織っている『倭文神』の能力の1つである«飛行»を使い、軍勢に突撃していく。
うわー、この«飛行»なんか、変な感じだな。分かりやすいかどうかは分からないが例えるならプールにあるヘルパーという道具をつけた感じに似ている。
さあ、戦闘開始だ!駆逐してやる。
俺は«影収納»から、サバイバルナイフを取り出した。




