必殺技炸裂する
カルシウムが圧倒的に足りない男エルフこと、シェイクさんは腰にさしていたレイピアのようなもので刺突してきた。俺は«影収納»に入っていた枕を投げつけた。
シェイクさん・・・シェイクでいいや。シェイクのレイピアにその枕は刺さり、彼は抜くのをめんどくさがったのか、その場にレイピアを捨てた。
そして、すぐに詠唱を始めた。
「我が風は、万物を切り裂き、薙ぎ倒す・・・」
室内で魔法を唱えるな!と親に教わらなかったのだろうか?とりあえず、アイナたちや団長さんなどほかの人を巻き込まないよう、部屋の外に出る。
彼やグラニースの王子のようなキレやすい人はなんなんだろうな?カルシウムが足りないのかな?そもそもカルシウムを摂る文化はこの世界にあるのだろうか?
「くらえ!風の刃!«ウィンドカッター»!」
俺が廊下に出てすぐシェイクも廊下に出て、すぐに風の刃を撃ってきた。あんまり、問題事はおこしたくないんだが。風の刃は、縦に飛んできて、床を傷つけた。
「おい!シェイク止めろ!」
団長さんが大声をあげて止めようとするが、
シェイクには聞こえていないようだ。・・・シェイクは、目を血走らせて、呼吸が早くなっている。
本気でキレてるな、なんでだろう?よく分からん。
「«ウインドカッター»«ウインドカッター»
«ウインドカッター»・・・・。」
・・・いや、しつこいって。コイツ殺す気満々じゃないか。シェイクは、幼稚園児か小学校低学年の子が駄々をこねた時のようにひたすら«ウインドカッター?»をうってくる。それは、緑色でそんなにスピードも早くないから避けるのは簡単なんだが、数が多い。
まだ、団長さんの許可はとってないが、仕方ないよね。
あの手で、いこう。盗賊を倒した時みたいな感じで。
俺は自分の足元の影から«影転移»でシェイクの背後に周りこの技を叩き込む。最近分かったんだが、影はどこでも作れるらしい。たとえ、空中でも。
さて、俺を見失ったシェイクに相手を両肩に担ぎ上げて頭がある方向へと体を倒して落下させた相手の頭部を叩きつける技である俺の必殺技をくらわせる。
※特別な訓練を受けている人達です。良い子と悪い子たちは真似しないでください。
「喰らえ!必殺ぅ!『デスバレーボム』」
シェイクは仰向けに地面に叩きつけられた。
そして、トドメに、相手を仰向けにして、仰向けになった相手と体が直角に交差するような形で、頭と腕一本を挟んで絞めるこの技で終わりにしてやる。
「トドメだ!『横三角絞め』!」
2つの必殺技をくらったシェイクは、カニのように口から泡を吹いていた。
彼は『デスバレーボム』の時に気絶していたようだ。
2つ目の必殺技はオーバーキルだった。
「だ、大丈夫ですか!?勝瀬さん!って、はぁ!?」
部屋で呆然としていた団長さんたちが部屋から出てきた。そして、目の前の光景を見て驚いている。
「アイナ、リシア、シャティ。帰るぞー。」
「はーい。」
「はいっス!」
「ご主人様、怪我はありませんか?大丈夫ですか?」
アイナは優しいな。怪我しても«回復魔法»で治るんだけど。
「心配ありがとう、アイナ、大丈夫だよ。」
団長さんが近づいてきて頭を下げた。
「本当に申し訳ない!シェイクには後でキチンと反省させるから許してやってください!」
別にこの人が謝ることではないのだが。というか、俺もやりすぎだ。
「気にしてませんから。それよりあの人大丈夫ですか?手加減したとはいえ、口から泡を吹いていますよ。」
「あぁ、気にしないでください。」
ちょっと、彼に対して冷たくないかな?
さて、宿に帰ろう。まだ、昼の1時くらいだな。
これから、何をしようか。
・・・まさに帰ろうと思ったその時、鐘の音が響いた。
「魔族がやってきたぞー。みんな避難しろー!」
このクランの外で誰かがそう叫ぶ。
なん何だ、今日は次から次へと。
ゆっくりさせろ!




