後悔先に立たず
俺たちの話を聞いていた、剣士の人と回復役という人は気まずそうに言ってきた。誰でも気まずいだろうな。
「も、申し遅れました。僕の名前はオルトと申します。クラスは剣士をしています。」
「わ、私の名前はアピスです。クラスは回復術士です。」
へぇ、回復術士なんて、
ものもあるのか。やっぱりオルトさんは剣士だったか。
・・・なんでアピスさん俺を見て涙目になってんだ?
なにか怖がられることでもしたのかな?
オルトさんの話によると、彼らのクランはギルドから見て街の反対側にあるらしい。この街かなり大きいから時間がかかるんだろうな。
・・・それにしてもお腹が空いたな。お昼食べたいな。
「ご、ご主人様。少し耳を貸してもらってもよろしいでしょうか?」
「何?アイナ、もしかしてトイレ?」
言ったあとにこの質問はアホすぎるなと、自分でも思った。
「いえ、そうではなくて・・ですね。もう少し近くに来てください。」
「はいよー。」
アイナはこっそりと話したいようだが、身長が足りないようだ。だから俺は、アイナの方に顔を近づける。
「(・・・・・・じ、実は、)」
アイナは、かなりの間をとって話し始めた。そんな勿体振らなくても。
「(お、お腹が空きました。)」
「ぷ、アハハハハ!」
堪えきれずに笑ってしまった。だって、すっごい神妙な顔つきで、話してくるから、何事かと思って・・・。
誰でも笑うよね?これ。
アイナはというと、耳まで真っ赤だ。
「も、もう!ご主人様ぁ!ひどいですよ!」
「ハハハ、ゴメンよ、アイナ。今、俺もそう思ってたところだよ。すいませーん、オルトさん、そろそろご飯にしませんか?お腹がすいたんですけどー。」
オルトさんとアピスさんは互いに顔を見合わせた。
「そうですね。団長に連絡して少し待ってもらうので、何か食べましょうか。僕達も何も食べてないですし。」
俺はオルトさんの返事を聞くと、周りを見回して良い店がないか探す。
「それなら、あの店がいいんじゃないスか?あんな看板たててるくらいっスから、きっと美味しいっスよ。」
リシアは、『勇者様直伝カレー始めました』と、書かれた看板を掲げた店を指さした。
・・・勇者様直伝カレー。怜が関わってる気がするなぁ。
〜どこかのクラスが料理人の人視点〜
「へ・・・くちゅん!」
「風邪か?怜?それにしても可愛らしいくしゃみだな、誰かが噂しているのかな?」
くしゃみをしたワタシを、担当のメイドさんが、心配して声をかけてくれた。・・・心配しているよね?
心配している?メイドさんに、ワタシは何でもないよ、と言う。
〜勝頼倫太郎視点〜
お昼ご飯を食べてしばらくして、やっとのことオルトさんたちが所属しているクランのアジトのようなところについた。腹ごなしの運動にはなったな。
それにしても・・・デカい。まるで城だな。
見た目はフランスにあるモンサンミッシェルみたいな感じだ。こんな大きい城を持ってるなんて彼らが所属しているクランてどんだけ凄いんだ。
アイナたちも驚いているようだ。
あー、カレー食べてきたの失敗だったかなぁ?
まあ、美味しかったしいいか!
・・・やっちゃたなぁ。
俺たちは城の中に入り長い廊下を歩いている。
・・・足元の絨毯から音がしないんだけど。
「もうすぐ団長のお部屋です。首を長くして待っていると思いますよ。」
「口の中がまだ辛いよ、マスター。お水ある?」
「さすがに、緊張してきたっス。」
「リシアちゃん、私もです。ご主人様は、大丈夫なのですか?大丈夫そうですね。」
「アイナは、俺が緊張していないように見えるのか?俺は緊張しているぞ。」
「面白い冗談ですね、ご主人様。見たところ全然緊張していないじゃないですか。」
アイナとリシアは緊張しているようだが、シャティは、そうでもないようだ。だから、辛さを抑えろと言ったのに。俺はシャティに水筒を«影収納»から出して渡す。
あっ、俺も緊張しているよ。アイナが勘違いしたのは、ただ、見た目に出ていないからだろう。
「着きましたよ。ここが団長室です。」
3メートルくらいの大きな扉だった。これ開けられるの?なに?団長さんて、自分の名前がついている山に住んでいる研ぎ師みたいな身長なの?
「団長、失礼します!僕達を昨日助けてくれた人を連れてきました!お連れの方も一緒です!」
オルトさんが扉をノックした。
«気配察知»で、調べたら、中にいる気配は6人だった。
こんな大きな城を持っているクランの団長さんとは一体どんな人なんだろう。
再び『クラス』について説明します。
『クラス』とは、ゲームとかに出てくる職業のようなものです




