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影法師の悠々自適な異世界ライフ  作者: マッドちゃんぽん
迷宮都市ラカタ編
52/309

オークの唾はアメリカザリガニ

朝、寝ぼけた頭で周りを見ると、目が覚めるような美人が、3人もいた。本当に目が覚めた。よく見ると、

アイナたちだった。

彼女たちが着ているのは以前買った服だ。アイナはワンピース、リシアは森ガールのような感じの服。シャティは、ショートパンツとヘソ出しトップスだ。3人とも本当に可愛いなぁ。

あっ、ちなみに着替えは見てないよ。起きたら、既に着替え終えていたからね。残念と言うべきなのか、良かったと言えばいいのか、分かんねえな。


「あっ!ご主人様、おはようございます。私たちは今日、三香原様のところに呼ばれているので今日はおひまを頂きます。お土産とかも、出来れば買って来ますね。」

「おっけ〜、了解。」

朝の果物は金と言うが、朝のアイナの笑顔は金を超えるな。うん、素晴らしい。


そうだなぁ、今日は1人で、ダンジョンに潜ろうかな。

何階層まで行けるかな。魔石を集めよう。

お金はまだ結構持ってるんだけど、最近金遣いが荒いからな。


「行く前に、マスタニウムを補給するね〜♪」

シャティが、抱きついてきた、と言うより胸に飛び込んできた。・・・痛い、肺の中の空気が出た気がした。

これは、中学の時、ドッチボールで、身長180cmのバレー部の友人が投げたボールが胸に当たった時と同じ感じだな。本当に痛い。


マスタニウムって何だ?息子ニウムとかと同じやつか?

「シャティ、三香原先輩とケンカするなよ。」

「わかったよ、マスター。向こうが喧嘩を売ってきたら買うけどね!今度は絶対に引き分けになんてしないよ」


ふうー、頭がいたい。仲良くしろとは、言わないが、ケンカはしないで欲しい。こんな時は・・・。


「リシア、こいつが三香原先輩と、ケンカをしそうになったら止めさせてくれ。最悪、殴って気絶させてもいい。」

「承ったっス。意識を綺麗に刈り取ってみせるっスよ。私にお任せ下さいっス。」

サバイバルゲームや、野鳥観察で使う隠れ蓑を着た奴、もとい、森ガールリシアは、敬礼をした。自衛隊とかとある戦車アニメの主人公を『○○殿!』と呼ぶキャラがする挙手の敬礼、右手をあげるタイプのやつをした。

・・・しっくりはきてるな。


俺は、今ダンジョンの第三階層にいる。

ここで出会うモンスターは二階層で出会った奴らとあまり変わらず、コボルトや、イモムシだった。違いといえば、モンスターの数が増えているだけだ。いやー、大量だなぁ。


イモムシ発見!絶対に殺す!

イモムシは、ダンジョンの上にある武器屋で買った弓を使っている。素人がいきなり弓を使えるかって?実は先輩に弓道部の人がいて、習ってたんだ。

まぁ、あと俺のスキル・・・名前なんだっけ?あの、武器を使いこなすってスキル・・・忘れた!

まぁ、そのスキルのおかげで、そこそこは扱えてるような気がする。


弓を引いていると、ちょっと疲れてきたので、片っ端から«影の支配者»で影を刃の形にして地面から生やして、というか出して刻んでいっていると、ちょっと先で、魔物の大群にパーティが襲われていた。

魔物は、ブタの顔に浅黒い?と言えばいいのかな、とにかく黒い肌の結構巨体の魔物、オークだった。


もし、これがラノベやマンガならあの人たちを助けるべきなんだろうなぁ。

でもなぁ、あの人たちを助ける義理とかないしな、それにこれはマンガやラノベじゃないし、まぁ、あの人たちも冒険者なんだ、殺される覚悟は出来てるだろうしな。どうしようかな。



ちょっと考え込んでいると、オークに気づかれた。

「ブヒィィイィイィ!」

なんか威嚇してきてるなぁ。口から、大量に唾を飛ばしながら叫んでいる。

うわぁ!20メートルくらい離れてるのに唾が飛んできた。ちょっと、マジで臭い!アメリカザリガニみたいな夏のドブみたいな匂いがする。服に付いたら匂いがとれなさそうだなぁ。


「てめぇ、臭いし、うるせぇんだよ!黙ってろ!口を開けんな!」

ちょっとキレ気味に睨み、叫ぶとオークは、口から泡を出して膝から崩れ落ち、倒れた。下半身は黄色になっている。

はぁ!?何だあれ?

『スキル«気配操作»により殺気が大きくなり恐怖で死んだようです。殺気凄いですね。』

・・・説明ありがとう。«影の支配者»のおまけ機能さん。生物が死ぬ程の殺気ってそれって人間が出していいものじゃないだろ。


1匹のオークがショック死したことによりほかのオークも、襲ってきた。

うわ、体臭まで臭い!ちょっと近づかないで欲しい。

チラッとパーティの人たちを見たが普通の冒険者たちのようだ。男性3人、女性二人の五人組だった。そのうち1人がなんと言うか、すごいラノベの主人公みたいなかんじの鎧を着ていた。あれ?あの人昨日見たな。


「「「「「ブヒィィ!」」」」」

ちょっと考えていて、すっかり忘れていた。

俺は、影を操り武器などを作るスキル«道具作成»で、大きな鎌を作った。真っ黒の大きな鎌だ。

死神が持ってそうな鎌だな。特に装飾とか無いのが残念なところだな。


「よいしょー!」

俺は、鎌を振り回した。

・・・オークはキレイに半分になりました。

切れすぎじゃね。いくら何でも。

しかし・・・鎌って使いにくいな。

オークの魔石を«影収納»に入れ、鎌は影に戻す。

今度は、もっと使いやすい武器にしよう。

見た目で鎌と選んだが、反省しなきゃな。



「あのう、すいません・・・」

俺がどんどんと魔石を回収していると、冒険者の1人が話しかけてきた。、どんな用かな?



「助けてくださりありがとうございます。不躾なお願いなのですが、ポーションを持っていませんか?持っているなら売ってください!回復役の女の子と、前衛の剣士の男の子がオークにやられて怪我をしたんです。」


話しかけてきたのは、20代後半くらいのお姉さんだ。

髪は後ろでひとつにしていて、鎧を着ている。

目鼻立ちはしっかりとしていて綺麗な人だけど、アイナたちには及ばないかな。

まぁ、そもそも、アイナたちが美人過ぎるだけなんだけど。


確かに、男性と女性が血まみれで横になっている。うわー、痛そうだなぁ。男性も右手が、変な方向に曲がって手が痙攣し、頭からは、血が大量に出ているが、女性の方も酷い。

なんて言えばいいんだろうか、口からは血を流していて、ローブのようなものを着ているんだけど、そこからチラッと見えたお腹が真っ青というか、紫色になっていた。


「そうですか・・・申しわけありませんが、ポーションは、持ってません。」

「そうですか・・・、助けてくれてありがとうございました。」

お姉さんは、下唇を軽く噛み、眉間に深いシワが出来た。そんな悲しそうな顔をしないでください。

周りにいたパーティのメンバーの男性たちもうつむいている。

はぁ、手を貸すかな、これも縁だからな。



「しかし、俺は«回復魔法»なら使えますよ。それで、大丈夫ですか?あくまで、応急処置程度のものかもしれませんが。」

お姉さんは、笑顔になった。

すると、剣士らしい男性が、息も絶え絶えに言う。

「俺より先に彼女を頼む。彼女は体力が低いし、かなりまずい状態だ。こんなことを言える立場じゃないが、早くしてくれ。」


彼の周りの二人の男性は、剣士の人に『お前の方がひどい怪我だろ、先にしてもらえ。』と言っている。

・・・なんかもめてるなぁ。

めんどくさい、二人まとめて回復しよう。

時間がもったいないか・・・

できるかな?

『«回復魔法»は、範囲型も出来ますよ。魔法陣の中にいる人を全て回復させることが出来ます。』

おまけ機能さん、今回はかなり出てくるな。


なんか、まだ揉めてるので、さっさと終わらせよう。

「じゃあつかいマース。«回復魔法:範囲型»」

パーティの人達の足元に魔法陣が浮かぶ。

シャティの時にも見た暖かい光だ。

さっきのお姉さんは、『無詠唱で、こんな魔法を・・・』と驚いている。無詠唱って、そもそも俺

詠唱知らないし。きっと、詠唱を知っていればもっと威力上がるんだろうな。


魔法陣から、光の帯のようなものが出てきて、怪我人の人たちに絡みつく?みたいな感じで触れる。

ちょっとすると、怪我をしたらしい二人は起き上がった。真っ青を通り越して、ブルーベリーのように紫色だった顔色も良くなっている。

ついでにほかの人も回復させておいた。

というか、魔法陣に5人全員が入っていた。


彼らは、全員がありえないといった表情をしている。

お姉さんは、回復役という女性に抱きついて涙を流している。主人公のような鎧を着ている男の人は、自分の、右手を動かして、試している。

もう、終わっただろう。先へ行こう。

魔石をもっと手に入れて稼ぎたいからな。



「上手くいったようですね。では、俺はこれで」

何か、パーティの人たちが言っていたが無視しよう。

これ以上彼らに時間を取られるのは嫌だからな。

縁があればもう1度くらい会うだろう。

さて、次は、4階層だな、どんな魔物が出るんだろうな。

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