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影法師の悠々自適な異世界ライフ  作者: マッドちゃんぽん
フリーチェ王国編
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フリーチェ王国編4〜俺に武器をください〜

本日2回目です。

もしかしたら後もう一回投稿するかもしれません。

ストックがたまればの話ですが。

専用武器召喚には、特殊な魔法陣が描かれた床の上で『召喚サモン』と叫ばなければならないようだ。

これも、古代のアーティファクトらしくクラス判別水晶と同じように長い列が出来ていた。

『召喚』と叫ぶと、どこからともなく宝箱が現れて、宝箱が現れて、その中に個人の専用武器が入っているようだ。

ちなみに、中身と宝箱の大きさは比例しないらしい。

全員が両手で軽く持てる程度の大きさの宝箱が出てくるっぽい。


先に専用武器を手に入れた人の中には、中から狼牙棒やら、身の丈以上ある大剣など、ツッコミどころが満載だが………ここは異世界だからね、何でもありなんだよ。


こちらはクラスと違い、かぶっている人も何人かいた………知り合いが手に入れた武器くらいは紹介しよう。


クラスが修行僧モンクの奴が手に入れていたのは、なんの装飾もついていない真っ赤な棒………多分如意棒と言った方がわかりやすいだろう。そいつは、文句を言うでなく、振って使いやすさを試していた………別にかけている訳では無い。



サモナーであるアキラの専用武器は………極悪な見た目の鞭であった………見た目と相まって、女王様としか言うことが出来ない………どうしてあんな武器を与えたんだ!


釣り師の奴は、竿と籠?みたいなのを貰って、喜んでいた………アイツ………一般人だろ?


通報待ったなし、半裸のボディビルダーこと、青木駿の専用武器は、ガントレット……手の甲につけるグローブみたいな感じだった。俺はこいつになぜ半裸なのか聞いてみたら、力を入れたら制服が破けて弾け飛んだ………とポーズをしながら言われた。

コイツはもうダメだ。




さて、俺はどんなものが出るのだろうか……クラスが意味不明だったから、せめて………まともであってくれ……もしくは武器であってくれ………これで武器でなかったら悲惨じゃないか。


「『召喚』!」

そう叫ぶと、みんなと同じように宝箱が目の前に現れた。俺は慌ててそれを抱えて、後ろの人に順番を譲る……ここでじっとしてると邪魔だからね。


こんなにドキドキしたのは、小さい頃マンガ雑誌の銀はがしに挑んた時以来だ………さて、どんなものが出るのかな。


箱には鍵がかかっていなかったので、そのまま開ける………中には、一瞬何も入っていないかと思うほど黒いマント………と言うより外套かな?とにかく布が入っていた。

ふむ………これは衣装かな?武器はまた別にあるのだろう。

俺より前に専用武器を受け取った人達の中に、何人かだが鎧と剣のセットみたいな人もいたから………俺もその類かな?


早速、その外套を取り出し羽織ってみる。羽織ってみると、体に吸い付くように密着して、外れにくくなった。自分の意思で着脱は可能だが、他の人には脱がせられない………そんな感じだった。



さて……いよいよ武器を宝箱から取り出そうか……この外套はどちらかと言うと防具だしね。

…………全く関係ないことなんだが……専用武器が入っていた宝箱は、中身を全て取り出すとどこかへ消えてしまう。どういう仕組みかは分かるはずもないが、まるで宝箱など最初からなかったかのごとく………気がついたら消えているようだ。


俺は先ほど、この外套を取り出すために宝箱を一旦………床に置かせて貰った……無くすはずもない……それこそ誰かが隠すなどしない限りなくなる訳もないのだ。

………現実逃避なのは分かっている………専用武器は1人につき一つしかない……たまに2つとか持っている人もいるみたいだけど………基本1つである。


俺には、公衆の面前で叫ぶ勇気などないため心の中でだが………こう叫びたい。

(ふざけんなよ!なんで武器じゃないんだよ!しかもこれって衣類だろ?どう扱っても武器にはなんねぇよ!)



さて、心の中でだが、叫んだことでいくらかは落ち着くことが出来た。

俺、勝頼倫太郎の専用武器は『外套』である………それも、痛々しいほど漆黒な………周りから少し変な目で見られている気がしてしまうくらい……自分でも恥ずかしい。



少ししょげている俺の肩を誰かが叩いてきた………後ろを振り向くと、必死に吹き出しそうな笑いを抑えているあきらがいた。

我慢しすぎて、涙を流している。


「カッコ………ぷふっ………似合ってるよ……とってもね………あははははっ♪武器じゃなくて服が……それも……夏場は使わないような外套が………あははは♪」

「わぅっ!」

あきらは最後まで笑いをこらえることが出来なかったようだ………痛いところを突いてくるな。

そんな笑い死にそうなあきらの足元には、犬が………犬種はサモエド………ロシアの犬種だな。雪のように白い大きな毛玉のような犬だった。

そいつも大口を開けて笑っている………笑顔が……あきらに失礼だけど……構わないか。笑顔があきらにそっくりだった……ペットは飼い主に似るんだな、やっぱり。




「あの……大丈夫です……どんな武器でもきっと役に立ちますし………それにスキルがありますから。」


フッジリさんが、なんとも言えない表情で慰めてくれてはいるけれども………俺は、自分がどんなスキルを持っているか分からないし、そもそもコイツは武器じゃないです。

不安要素しか得られなかったが、今日はこれをしただけで解散となった………釈然としない。



あと、巫女(笑)の専用武器は、おもちゃ屋に売っているような、魔法少女用の杖と衣装だった。

衣装は無駄にフリフリで、目にきついピンク色で………魔法の杖……いや、ステッキと呼んだ方がいいのだろうか………とにかく、見るに堪えないものであった。、


自分で言うのもなんだが、俺は不幸だなと思っていたが………あいつの方が悲惨かもしれないな、

なぜなら………衣装があきらかに体の大きさにあっていなく、不審者にしか見えない………ボタンなんて弾け飛びそうで……本人がノリノリだからいいんだろうけど。



部屋に帰って、ベットの上に専用武器の外套を置いて、考え込む………ただの衣類で魔王なんて存在を倒しに行けるはずないよなぁ。

クラスだって、よく分からないし、何もかも分からないことだらけだ………いっその事、俺は俺で自由行動するってのもいいかもしれないな。

どうせ足を引っ張るだけだし、それならこの世界を楽しんだ方がいい気がする。


一応頭の片隅に残しておこう。

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