俺は、違う信じてくれ!
短い!
リシア曰く、今日で、だいたい迷宮都市まであと半分くらいのところまで来たらしい。
やっと半分なのか、もう半分なのか迷うところだ。
特に俺にできることもないため、ボーっと空を見ることくらいしかやることがない。
なんか最近、空ばっか見てる気がする。
………今の馬車内の状況を軽く説明しておこう。
御者は変わらずリシアがしてくれていて、その隣にはサポートのためにアイナが座っている。
ここまでは何も問題はない。
……ここまではだ。
まずい所は、シャティが、胡坐をかいている俺の膝の上に、ちょこんと座っているところだ。
彼女曰く、
『昨日は、アイナっちが、マスターに相手をしてもらったからから、今日はウチが相手をしてもらうよ。
まずは………そうだ!膝に座らせてよ!まずはそこからだね。
あっ、明日はリシアたんの番だよ。』ということらしい。
よくわからないが……俺が言えることは、俺に拒否権はないようだ。
そんな感じで、俺はシャティを膝の上にのせて、ぎゅっと後ろからハグをしている。
ハグも彼女に頼まれたことだ。
シャティは、小柄なので、俺の腕の中にすっぽりと、おさまっている。
気分はぬいぐるみを抱いている少女の気分だ。
彼女の体温は心地のいい温度で、しかも、彼女からは時々ミルクみたいな甘い香りがする。
あっ、これだけは言わせて欲しい………俺にはあきらのように幼女趣味はないです。
アイツはよく、『ハァハァ、小学生はまったく、最高だぜ!』と言っていた。
まぁ、あいつの場合は、小さいものが好きなだけなんだが。
そういえば、アイツ、昔、『ミジンコまでならぎりぎり愛せるじしんがある!』とか言ってたな。
懐かしいことを思い出していると、シャティが袖を引っ張てきた。
「ねぇ、マスター………ウチのほっぺ触ってみない?」
「ん?なんだ、唐突に。」
「ウチ、肌が柔らかいのが自慢なんだ。だから触ってみてよ、おねがい。
後悔はさせないから!」
シャティの頼みなら仕方ない。
それにしても、意味のわかんないお願いだな。何を考えてるんだろう。
「はぃはぃ………じゃあ、さわるぞ。」
「ど、どうぞ。」
俺はハグをしていた手を放して、彼女のほっぺたにもっていく。
………ぷにぃと、まるでわらび餅のような柔らかい感触だった。
これは、良いものです。
シャティの、ほっぺを、プニプニ触っていると
「倫さん、人がいるっス。」
リシア、人くらいいるだろ。
「えーっと、なんかあれっスね。助けを求めるように手を振っているっス。止まるっスか?」
あ〜、«気配察知»に敵意を持っている奴らがー。
はい、それも全方位に。囲まれてるな。
「ちょっと待ってろ。確認する。」
俺は馬車から外を眺めて«模倣魔眼»を使った、
久しぶりだな、このスキル。
・・・うわっ、周りにいる人たちみんな盗賊じゃん。
あれ?でも、全員状態に『飢餓』ってついてる。
状態異常かな?
「止まってください」
やせ細った女の子が、言ってきた。痩せてなかったら相当な美人だろうに、勿体無いなぁー。
そういえば、この世界に来てからこんなことを考えることが多くなったな。深夜テンションならぬ異世界テンションか?まぁ考えるのはよそう。
「いいけどどうしたの?」
俺は答える。
ちなみにこの子には『飢餓』はついてない。
それでもフラフラで、いつ倒れてもおかしくない。
目の焦点が合っていない気がする。
リシアに言い馬車を止めると矢がリシアのほうに飛んできた。殺す気じゃんこれ。
はぁ、食糧を分けてくれというならあげようと思ったが、実力行使に出るのか。
俺は矢を指で挟み、飛んできた方向に投げ返す。
北○の拳の二○真空把みたいな感じだ。
試しにしてみたらなかなか上手くいったな。
あっ、木の上いた矢を撃ってきた奴に刺さり、落ちた。
あー、駿ほどじゃないかムキムキだな。
なぜ半裸なんだ?
「リシアに手を出すとは・・・
よし、殺そうか、いや、殲滅しよう。」
俺はほんの少しだけ理性がとんでいたようだ。
残りの奴らを殺そうと思い、«気配操作»で、殺気を出すと・・・。
「「「「「すいませんでしたぁ!」」」」」
盗賊全員が土下座して並んでた。
こんなに綺麗な土下座はフィクションでしか見たことがない。あれ?でも最近見た気がする。
あ、この«気配操作»自分の気配を消したり逆に大きくしたり出来る。気配を消すより大きくする方が俺には難しかった。
「こ、殺すならわっちだけにして、ほ、他の人たちは殺さないでください!お願いします!」
始めに話しかけてきた女の子が泣きながら許しを乞うている。女の子を泣かせちゃ、俺の家の家訓に反するな。
何があったか話を聞こう。話を聞くだけなら面倒事も起こらないだろう。
・・・ていうか『わっち』って、人の一人称に文句をつける気はないが、お前はあれか?商人と旅するりんご好きな狼か?残念ながら、こっちにはもう、可愛い獣人の女の子がいるぞ。
あれ?なんか女の子の足下が・・・。
俺は何も見てない。見てないったら見てないのだ!
その後、俺たちは盗賊もどきたちの村に案内された。
思っていたより近かった。
もちろん、警戒はきちんとしてるよ。
言うのが遅くなったが彼女たちも獣人だ。
キツネかな?よくわからん。




