失礼、シメました
今回は異様にどこかで聞いたセリフが多いです。
朝、王宮から馬車の迎えが来た。
馬車かぁ。馬車に乗るのは2回目(1回目はスライムで、練習した時)だが、多分酔うんだろうなぁ。俺、乗り物酔いがひどいんだよな。帰りたいな。
案の定、酔いました。
「大丈夫っスか、倫さん?顔真っ青っスよ。もしかして、緊張したんスか?」
「キンチョウシテナイ。ダイジョウブジャナイ。ヨッタ。モウ、カエリタイ。」
「あらら・・・、これは重症っスね。しょうがないっスね。倫さん、ここに寝てくださいっス。」
そう言ってリシアは自分のふとももをポンポン叩いた。
今のリシアの服は、この前買った、森ガールとしか言いようのない服だ。一応、王子さんのところに行くからと、この服にしたらしい。逆に失礼じゃないかな?と、思ったが、もうどうでもいい。気分が悪い。
「えっと・・・、俺にどうしろって?」
「ここに寝てくださいっス。膝枕してあげるっスから。横になってれば気分も少しはよくなると思うっスよ。」
・・・・・リシアさ〜ん、思春期の男子にそれはキツイよー。これは夢かな、ところがどっこい夢じゃないんです。
「いいから、寝るっス。もう、意地っ張りなんスから。」
リシアは、無理矢理、俺の頭を自分のふとももに置いた。そして、動かないように頭を押さえられている。
俺の頬とリシアの引き締まった太ももが触れ合った。
・・・リシアさん、素晴らしい感触です。ここが天国と言われても納得するレベルです。泣いていいかな。
嬉しい時は泣け!とどこかの忍者さんが言ってたから。
そんなこんなで王宮についた。いやー、本当に大きいなぁ。見た目はえーっと、インドにあるあれなんだっけ・・・左右非対称の建物。あれにそっくりだ。
あれってお墓だったけ?まぁ、いいか。
それにしても、馬車の中ではアイナとシャティが怖かった。ずっと、瞬きもせず目を見開いて俺を見ていた。
ホントにずっと見てた。リシアから解放されてもずっと見てきた。今も・・・。
王子さんにお断りの旨を伝えに行こうか。
ウゥ・・・まだ気分が悪い。なぜ俺がこんなに苦しまなくちゃいけないんだ。
はい、王子さんに話をしました。すると、こんな反応をしています。
「断るだと!僕を誰だと思っている!グラニース国第一王子の、ジーク=グラニースだぞ!その僕の嫁になることはものすごく光栄なことなのだぞ!」
断るということを伝えると、こんな感じで王子さんはキレた。それにしても自分で言うのか?
「なぜ断るんだ!その理由を話せ!理由によっては許してやろう」
王子さんはキレたまま、シャティと、リシアに尋ねた。
逆に許してあげる理由を教えて欲しい。
「「私たちには好きな人がいるからです。」」
「それは、誰だ?」
へぇ、2人とも好きな人がいるのかー、その人は死んでしまえばいいのになぁ。リア充爆ぜろ、俺の寿命を1年減らしていいから、そいつはドブに落ちるなり、犬のクソを踏むなりしろ。
俺がそんなことを考えていると、シャティと、リシアの2人は俺を指差して、この人です!と、言った。
えっ?何が、俺何か犯罪した?
「コイツが、貴様らの好きな男か?」
「「「はい!」」」
・・・二人とも俺のこと、好きだったの?マジで?
ていうか、1人多くね?
俺はアイナの方を見た。何故か目をそらされた。
尻尾はダランと下がっている。
王子は額に青筋を立てて、叫ぶ。
「お前か!よし、お前、僕と決闘しろ。僕が勝ったら、その3人には僕の側室になってもらう。お前が勝ったらそうだな、何でも好きなものを1つやろう。
決まりだな。よし、僕についてこい!」
はぁ?何だコイツ?俺は何も言ってないのになんか決まったぞ。そしてアイナ、リシア、シャティの3人を嫁にするだと。よし、寝ぼけたことを抜かしたので、王子さんとおはなしをしよう。その前に3人に聞いてみよう。
もしかしたら乗り気かもしれないし。
「(どうする?)」
「(嫌です。)」
「(流石に気持ち悪いっス。)」
「(マスター、本気で殴って。)」
ボロクソに言われてらァ、王子さんに同情するよ。
俺たちはお城の兵士たちの特訓場のようなところに連れてこられた。王子さんは自信満々だ。
王子さんは地面に兵士から受け取った剣を捨てた。
「その剣を使え、安心しろ、殺しはせん。
そんなことをすれば僕の嫁が悲しむからな。」
コイツ、もう勝った気でいやがる。誰が、誰の嫁だって?王子さん、屋上に行こうぜ、久しぶりにキレちまったよ。
俺が剣を拾うと、王子さんは突撃して来た。
素人目だが、かなり強い感じがする。
ステータスが、高いとゆっくり見えるのかな。
俺まだ構えてないんだけど、まぁ、勝負に卑怯もクソもないか。
王子さんの剣を、俺は剣で受け止めて剣道の巻き上げという技術で、はたき落とした。剣道の授業受けてて良かった。王子さんは驚き、オロオロしている。
顔を殴ろうかと、思ったが、我慢する。
顔はやめな!ボディにしなって言うしね。
代わりに『ヘッドロック』をかけることにする。
かなり痛いぞー、覚悟しろよ。俺の得意技だぞ。
一番は『アイアンクロー』だけどな。
「必殺!『ヘッドロック』!」
「ぎゃあぁぁあぁああ」
王子さんは、俺の腕の中で痛みで泣き叫んでいる。五月蝿いなぁ。
「ぎゃああああああああ!助けてくれぇ。頭が割れるぅ。痛い痛い痛い痛い痛いー。ギャア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」
「マスター、もういいよ。許してあげて。さすがにもうイイよ。」
シャティが、そういうなら、そろそろ許してあげよう。流石に、これで諦めるだろう。拘束を解く。
恋はいつでもハリケーンと言うが、恋は押しつけるものじゃないぞ、するものだ、と俺の中学の同級生ら言ってた。意味は今もわかんないけど。
「はぁはぁ、痛くなくなっ・・・ガクッ。」
王子さんは気絶してしまった。少しやりすぎたかな。
心配した周りにいた兵士が駆け寄ってきた。
兵士の人たちはなんだか、しょうがないといった表情をしている。
兵士の人が王子さんを運ぼうとしたその時だった。
「これは何事だ!」
恰幅のいいおっさんが訓練場にやって来た。
よく見るとこの前の王様じゃないか。
会談は終わったのかな?
いやぁ、相変わらずいいお腹してますね。
事情を説明して、王子さんを怒ってもらおう。
これで問題解決だね。
そういえば、王子さんが決闘に勝てば、
何でも一個欲しいものをくれるらしいから何をもらおう。迷うなぁ。
あっ、そうだ。馬車をもらおう。
そろそろ歩くのにも疲れてきたからな。
(↑乗り物酔いのことを忘れている)
・・・これ、不敬罪とかで処刑されたりしないよね?
一応合意の上での決闘ということだから許してくれるよね。もし、捕まりそうになったらアイナたちを抱えて全力で逃げよう。3人とも軽いから大丈夫だろう。




