ある日、街の中で王子さんに
宿の部屋に戻ってきた。もう夕方だ。
シャティも、リシアも戻ってるかな?
まぁ、別の部屋なんだけどね。
それにしても、楽しかったなぁ。
『ガチャ』俺がアイナとの買い物の余韻に浸りながら扉を開けると・・・。
「マスター」「倫さん」
「「助けてください!」」
と、2人が泣きついてきた。
「ど、どうしたんだ?2人とも。お金でも落としたか?それとも、どこか怪我でもしたのか?」
俺は、自分でも理解できるくらい狼狽していた。
こんなにオロオロしたのは昔、弟とケンカして泣かせてしまったとき以来だな。
「も、もっとたいへんなの。」
シャティは、涙目だ。うん、やっぱり綺麗な黒髪だな。
とりあえず落ち着いてもらうため、頭を撫でた。
「う、ううん。くすぐったいよぉ、マスター♡」
シャティはえへへっと笑った。
シャティを撫でながら、リシアに聞く。
「そういえば、料理道具は買えたか?リシア。」
「はいっス。包丁やフライパンなどを買ってきましたっス。あと、冒険で使う道具も幾つか買ってきたっス。」
「ありがとうリシア。お礼は後日させてくれ。
そうだなぁ、俺に叶えられるものを何でも1つお願いをきいてあげるよ。あくまで叶えられる範囲のものだよ。」
「な・・何でもっスか?」
何故か、顔を真っ赤にさせながらアホ毛が揺らしている。アホ毛ってあんなに動くんだな。
それにしても何で、照れているんだ。
「ああ、それで何があったんだ。二人とも?」
「それがッスね。倫さん。」
「あ!ウチが言うよ。リシアたん。」
リシアたん?いつのまにそんな仲良くなったんだ?
俺もそう呼ぼうかな?
「えっとね、マスター、実は街でーーーー」
「はぁ!?」
二人の話では、料理器具や、冒険で使う道具やらを買い終わり街をぶらぶらしていると、目の前に馬車が止まったそうだ。結構高そうな馬車だったらしい。
その馬車の中にいたのは、獣人国グラニースの王子だったそうだ。王子はかぼちゃパンツのイケメンで、いきなり2人に言ったそうだ。
「そこの2人!なかなかの美人だな。よし、僕の側室にしてやる、感謝しろよ!返事は明日、王宮で聞いてやる。」
と、高らかに宣言されたらしい。
それをうんざり顔でシャティは、説明していた。
リシアは嫌なものを見たという感じになっている。
それにしても『かぼちゃパンツの王子様』か・・・。
いやー、会ってみたいなぁ。
「それで二人ともどうするんだ?」
「「もちろん、断る!」」
玉の輿だと思うがなぁ。
「へぇ、それでそのことをどこに断りに行くんだ?」
「王宮だよ!マスター、ついてきて〜。お願い♡」
「私からもお願いしますっスよ。」
また、めんどくさいことになったな。
異世界モノでは王子に絡まれることはベタとはいえ、実際に関わると、面倒だなぁ。
「はぁ、分かったよ。一緒に断りに行ってあげるよ。」
シャティとリシアの頼みだ。仕方ないだろう。
「じゃあ、また明日ねマスター。よろしくね♡」
「ありがとうございますっス。倫さん、おやすみなさいっス。」
2人は部屋に戻っていった。
シャティ、頼みごとをするたび投げキッスをするのはやめろ、鼓動が早くなるから。心臓に悪いだろ。
「おやすみ〜。シャティ、リシアたん。」
「その呼び方やめて下さいっス!」
腕を小さく上下にブンブン振って言ってくる。
ハッハッハ、まったくかわいいなぁ。
「ご主人様も、大変ですね。」
アイナが慰めるように言ってくれた。
彼女の顔は引き攣っている。
王子の態度やら何やらを聞いた時からだ。
「アイナ、そんな顔をするな。可愛いのが台無しだよ。」
「はい・・・。」
本当にダルい。まぁ、内心穏やかではないけどな。王子が寝ぼけたことや、彼女らを傷つけることを言ったら、少しお話をしよう、物理的に。
あれ?リシアとシャティはご飯食べないのかな?
「ごめん、アイナ。リシアとシャティに夜ご飯どうするか聞いてきてもらっていい?」
「承知しました。」
アイナが戻ってきた。
「二人はなんて言ってたー?」
「疲れたらしく、もう寝てました。」
「じゃあ、二人で行こうか。お腹すいたな〜。」
あの、宇宙人や未来人、超能力者と仲良くなる部活の団長さんと同じくらい元気なシャティが疲れるって、王子さんのどんだけヤバいやつなんだよ。
俺とアイナは宿で出してくれる夜ご飯を食べに行った。
晩ご飯はステーキだった。なかなか、噛みごたえがあり、お酒を飲む人には会うんだろうなぁという印象だった。




