少し変な話
それから五分後、冒険者ギルドに到着した。
ギルドの、外見はフリーチェの街にあるのと変わらなかった。違うところといえば、中にある人が獣人が、多いところだ。やっぱり異世界っていいな、そう改めて思った。
ギルドの受付の女性に、グラニース国王からもらった手紙を渡した。受付の人は、『確認してきます』といい、裏の方に行き、報奨金を持ってきた。
「これがクエスト:盗賊8人の退治の報奨金の30万ジルです。それではクエストクリアの証明にここにサインお願いします。」
俺は、この世界の文字を読めるだけなのでサインは、
リシアにしてもらった。近いうちに文字を習わないとな。
目的地であった服屋はかなり大きかった。
元の世界にあっても、男は入りづらい女性ものの服などを中心に売っているお店である。
男が入りにくい理由は察して欲しい。
俺が入るのを躊躇っているとシャティが、手を引いてきた。
「マスター、私の服選ぶの手伝ってよ。お願いね!」
アニメであれば星が出るかもしれないウインクを、
シャティはする。
「アイナもリシアも服を選んできなよ。」
「はいっス。」
「私は以前買ってもらったので遠慮しておきます。」
ちなみにアイナの服は俺の«影収納»入れてある。
遠慮しなくていいのに。
「マスター、これどう?かわいい?」
しばらくするとシャティが、服を試着姿を見せてくれた。シャティは、ショートパンツと、ヘソ出しトップスを着てきた。よく似合っている。
店員さんが選んでくれたようだ。
・・・これは、犯罪じゃないよね?
「とてもカワイイよ。よく似合ってる。」
ありきたりな感想しか言えなかったが、シャティは、満足そうにフスーと、鼻息をもらす。
思わず頭を撫でてしまった。
シャティは、思わずドキリとしてしまうような、ものすごく笑顔をみせてくれた。
「・・・ご主人様?」
アイナがジト目を向けてきた。
俺はロリコンじゃねぇ、ロリコンじゃねぇ。
大事なことなので二回言った。
「これどうスっかー?」
後ろでリシアが、聞いてくる。振り向くとそこにいた
リシアは・・・・・・・・・。
えっと・・・、なんというか、少し古いかもしれないが、森ガールだ。全体的にフリフリとした服を着ている。可愛いといえば可愛いのだが、意外だなぁ。
「とても可愛いと思うよ。」
リシアは照れくさそうに頬をかいた。
服を買ったあとは、武器屋に行きアイナたち3人分の
レザーアーマーを買った。
リシアには片手剣と盾を買った。
俺も、軽い冒険者服を買った。
思ったより、出費はすくなかった。
お昼ご飯はボルシチのようなものを食べた。
この国の名物はスープなのかな?
ボルシチはとても美味しかったです。
宿に帰ると、アイナたち三人を俺の部屋に呼んだ。
しなければならないことがあったからだ。
本当はシャティだけでも良かったのだが、アイナたちに勘違いしてもらいたくなかったから、呼んだ。
部屋に来たアイナたちは少し緊張しているようだ。
なぜだ?
アイナとリシアに比べて比較的落ち着いているシャティに俺は問い詰めるような声を出す。本当にそんな声を出せたかは分からないけど、気持ち冷たげにした。
「シャティ唐突に聞くが、君は目が見えないのだろう?」
「「えっ?」」
アイナとリシアはシャティの方を見て驚いた。
さっきまでのソワソワが無くなった。
「・・・・・・・・うん。」
そう、彼女は、目が見えていないのだ。
店で店員さんに、選んでもらってるときにどんな服か聞いたり、ご飯を食べるときに食べづらそうにしてたり、街を歩いているときにずっと俺の外套の端を掴んだりしてたことで気がついた。
外套の端を掴んでいるときは、かわいいと思った。
「生まれつき目が見えないの?」
「違うよ、ウチは、『忌み子』という理由で目を潰されたの。エルフの間で『忌み子』は、五感の一つを無くさなければいけないらしいの。最初は周りの人を恨んだけどもう慣れたの!」
元気に笑ったが、どこか悲しげだ。
女の子にそんな風に笑って欲しくない。
唐突にだが、この世界では、魔法はステータスの知力が高いほど種類や質が上がり、魔力を込めるほど威力が上がる。何が言いたいかというと・・・。
「シャティ、目を閉じて。」
「もしかしてマスターは、キスしてくれるの?」
面白い冗談だなぁ。
「君にとってはもっといいことかもしれない。」
シャティは、目を瞑?
俺はシャティの、まぶたを右手で覆った。
俺は半分くらいの魔力を込めるような感覚で、
«回復魔法»を使った。これは、掛けだ。
魔法陣がシャティのまぶたの少し上に浮かぶ。
まだ、成功したかは分からないけど、手応えはある。
「目を開けていいよ、シャティ。」
「もっといいことってなに?まだウチ、何もされてないんだけどマ・・・えっ⁉︎」
回復魔法は、成功したようで、焦点のあっていなかったシャティの視線が俺と合った。
「うそっ!えっ!見えてる。ウチ、目が見えてる?
な、何コレ?ウェ?エッ?」
シャティは混乱しながらポロポロと、泣き出した。
「ま、ますたぁ、ありがどう、あいじでるぅぅぅう!」
泣きながら抱きついてきた。
俺はシャティの頭を撫でながら、言う
「君は笑顔の方が似合うから、笑ってくれシャティ。」
シャティは、涙を流しながら綺麗な笑顔を見せてくれた。やっぱり、女の子の笑顔っていいな。
まだ、シャティは、泣き止んでいないが、もう夜も遅いので部屋に戻ってもらった。
シャティの、後のことはアイナに任せた。
アイナは部屋を出ていく直前に、尋ねてきた。
「ご主人様は、何故彼女の目を治したんですか?」
難しいことを聞くなぁ。
「う〜ん・・・何となくそうしたかったからかなぁ。
俺がしたのはもしかしたら余計なことかもしれない。
俺は間違っていない!と、断言も出来ない。
ただ、したかったからしただけだ。
それ以外に特に理由はないよ。」
「・・・そうなんですか。」
俺は、アニメやマンガの主人公ではないので、シャティの目を治したことで何かが起こるかは分からない。
ただ、俺が彼女にそうしたかったからそうするのだ。
それが原因で何が起ころうが、俺は後悔はしない。
あくまで、シャティの為ではなく俺の為だ。
つまり、俺のエゴである。
俺はベッドに飛び込んで眠りについた。
少し落ち着こう。




