実は強かったアイツ
アイナは肉が好きらしい。唐突だが。
今日のお昼ご飯は何ですか?と聞いてきたので、
野菜かなぁ、と、返事をするとこの世の終わりみたいな顔をしていた。そんなに肉が好きなのか?
俺の«影収納»には肉は入っていない。買うのを忘れていた。とりあえず、なんか狩ろう。
肉を持ってないなら狩ればいい。
ワイルドボアを、アイナが発見した。
ちなみにその時のアイナの目はキラッキラに輝いていた。それはもうキラッキラに。
「ちょっと待つっス。あれ、ワイルドボアじゃないっスか。」
「そうだね。どうかした?」
リシアが驚愕している。お肉ダメな人なのかな?
ベジタリアン?
「ワイルドボアは、かなり強い魔物っスよ。冒険者の間ではこれが倒せたら一人前って言われてるっス。」
へー、そうなんだ。でも、初心者向けの魔物でしょ。
「違うっス。パーティーを組んで倒せたら一人前ってことっス。一人二人で挑むようなやつじゃないっス。」
ん?確かアイネはふつうに勧めてきたけど。
「そんなことは置いておいて、イノシシ狩りましょう!ご主人様!」
アイナが目をキラッキラさせて言ってきた。
アイナ、よだれよだれ。
「そうだね、気にしたら負けだよね。よし、じゃあ狩ろうか!」
俺は飛び出した。そろそろ肉が食べたいからね。
「待つっスー!危険っスー!」
リシアは心配性だなぁ。
とりあえず、ワイルドボアに向かって跳び上がり、両足で頭部を挟み込んで、そのままバク宙のような形で回転しつつ、そうして巻き込んだ相手の脳天をマットに叩きつける必殺技、『フランケンシュタイナー』をかけて、マットに沈めた。マットは無いが。
リシアはポカンと口を開けている。
「この人は規格外っス」
そんなことを呟いた。面白い冗談だなぁ。
・・・アイナ?どうして、リシアの肩をポンポン叩いてなぐさめているんだ?
「2人とも。『獣人国グラニース』に着いたら奴隷を買ってもいい?」
俺はイノシシ肉を食べながら二人に聞いた。
二人とも驚いている、特にアイネだ。
「ご主人様、わ、わたしでよければいつでも大丈夫です。」
アイナが上目遣いで、耳をペタンと閉じて言ってくる。
「わ、私も大丈夫っス」
リシアも言ってきた。
どうやら、奴隷を買うのはそういうことをするためだと勘違いされたようだ。
「あ〜、二人とも何か勘違いしてない?奴隷を買うのは料理を作ってもらうためだよ。俺たち全員料理出来ないからね。」
二人はホッとしていた。なんなんだ?
残ったまだ焼いていない肉は«影収納»に保管しておく。これで、旅先で肉の心配はないね。
リシアによると、もうすぐ『獣人国グラニース』らしい。
夕方になり遠くの方に大きな城壁が見えた。
「見えたっス。あれが、『獣人国グラニース』っス。」
グラニースは、街というより要塞に近い印象だ。
まぁ、魔王がいるくらいだし、当然かな。
早速街に入ろうと思う。
街に入ると俺たちはすぐに宿に向かった。
その宿は、助けたこの国の国王の、警護の一人が教えてくれた。その騎士は、いわゆるモブ顔だった。
あまり印象に残っていない。
宿に着いた。名前は・・・読めない。そういえば、
俺はこの世界の文字読めなかった。
五文字というのは何となくわかるのだが。
「ロマリウスと書いてあります。」
「ありがとう、アイナ。」
へぇ。なるほどよくわかった。複雑な字だなぁ。
『セミナール語を獲得しました』
あ!なんか獲得した。確かラナさんが言ってたが、この世界の公用語は、セミナール語だったと思う。
やったー。
もしかしてこれも、スキルで取得したのか?
『YES』
・・・もう、本当にご都合主義だなぁ。
とにかくこの世界の文字が読めるようになった。
宿にチェックインする。宿の宿泊費は食事抜きで一人一泊800ジルだ。食事をつけると1000ジルになる。とりあえず前払いで一週間分払う。3人分で21000ジルを支払った。高いのか、安いのかわかんない。
部屋は男女別々にした。当たり前だけど。
部屋は隣同士にしてもらった。
部屋に荷物を置いて、俺は、風呂に入った。
宿には風呂が付いてなかったので町の銭湯のようなところに行った。下町にあるような大きな銭湯だ。やっぱり大きい風呂は気持ちいいな。
何気にこの世界文化レベル高いよな。
ガスや電気とかは無いけど。
お風呂の後、アイナ、リシアと宿で夜ご飯をとった。
献立はパンとビーフシチューのようなものだった。ビーフシチューは、なかなか濃い味でパンとよく合う。お肉も柔らかく、トマトの風味がメインなのか酸味が良い感じに効いている。
余は満足じゃ。
飯を食べた後、俺は部屋に行きさっさと寝てしまった。もう少しアイナやリシアと話していたかったが、
とてつもなく眠い。
明日は、いきなりだが料理が出来る奴隷を買いに行こうと思う。
奴隷は女の人を買おう。やっぱり異世界モノでは、奴隷は女の人って相場が決まっているよね。
もちろんアイナたちの許可は取っている。
明日が楽しみだ。
次の更新は2日後。




