フリーチェ王国編19
前の話のサブタイトルで話数をつけるのを忘れてたような気がします。花粉症ヤバイです。
2021/02/23改稿:花粉ツヨイ
「すでに多くが出発してしまったので……申し訳ございませんが単独で出発していただく形になります」
探しに歩いているとすぐに見つかったラナさんに、組み分けの話について伺うと思い出したようにそうおっしゃった。単独で旅をするのか……親友のあいつらがいる班を追いかけて合流しようかな。
「一応、パーティの編成はバランスよく組んでいますので、仲の良いところに無理やり合流とかやめてくださいね。まだ出発していない班もありますが、女性だらけのところへ入れるほど肝は座ってないですよね?」
おそらく顔に出ていたのだろう。釘を刺すようにそういうラナさんの目は若干、同情の色が含まれている。確かに、俺は戦闘向きではない専用武器にスキルもよくわかっていないからな。一人の方が色々と自由にはできると思うけど……
「ぐうの音も出ませんが…一人だけってのは寂しいじゃないですか」
「私では役不足ですか?私はご主人様と一緒にいるつもりだったのですが……」
しゅん…とお留守番を命じられたペットのような顔をしないで欲しい。そんな顔をさせられたら申し訳ない気持ちで押しつぶされそうになってしまうから。
こんな綺麗な人と旅ができるなら他に何もいらないけど…問題はこの二人に共通していることなんだよ。
「……ラナさん、道案内する人を付けてくれませんか?アイナさんは方向音痴で、僕はこの世界についての知識が全くありません。僕たちだけじゃ隣の国に行くのにも他の人たちよりも時間がかかると思うんですよ」
そこまで急ぐつもりもないけど、目的地につけないのは話が違う。観光するにしても、知識があることに越したことはないからね。
町の人や途中ですれ違った人たちに聞けば解決するかもしれないが、全ての人が対応してくれるとは限らない。それに、山を超えたりする際、方向音痴二人だとそのまま出られないなんてことになりかねない。
「明日の朝、城門前で人を待機させておきますね。ちょうどぴったりな人がいますので……面白い人なので期待してくださいね」
ラナさんは控えていた侍女さんへメモを一枚渡す。侍女さんはスカートのプリーツを乱すことなく、何処かへ歩いて行った。歩くと言っても……競歩の世界大会出場者のような速度だったが。この世界のメイドさんってあれくらいができて普通なのだろうか…?もしかしてアイナさんも同じことが……?
アイナさんを見ると可愛らしく小首を傾げる。
「あと……あなたは他の人より支援を多めにしときますね。なんだか色々と問題に巻き込まれそうな気がしますので」
ラナさんと別れて、再びアイナさんと二人きりとなる。
さっきからほとんど会話をしていないので若干気まずい。アイナさんも俺も、何か会話を始めるきっかけはないかと探している状態だ。
「そうだ……改めて確認なんですが僕と一緒に旅をしてくれますか?」
「私は最初からそのつもりですよ?私はあなたとどこまでも一緒です」
瞳孔が若干開き気味なのがすごく気になるが、とても嬉しい。世辞かもしれないが、一緒に来てくれるだけでも旅の不安なんかはマシにになる。
そういうことなら、なるべく会話を増やしてさっきみたいな沈黙を減らしていこう。
「よろしくお願いします……ご主人様?」
「こっちこそ迷惑をかけるかもしれないけど、よろしく」
「それで今日の予定はどうされますか?」
今日の予定か。もう少し時間をかけて旅の準備を行うつもりでいたから、今日中になるべく集めておきたいかな。一応最低限度くらいには準備して入るけど、まだまだ足りないから。
「そうですね……いくつか必要なものを購入後はこの国を観光しようかなと決めてますね。色々と興味を惹かれるお店を見つけたんですよ」
「承知しました。準備をしてきますので、城の門のあたりで待っていただけますか?すぐに準備してきますので!」
あ……あなたも一緒に行くんだ。
アイナさんは先ほどの侍女さんに負けず劣らずの速度で廊下の奥− −アイナさんを始めとしたメイドさんたちの部屋の方へと消えていった。
……もしかしてあのメイド服を着ると移動速度が上がるとかなのだろうか?
燕尾服を着ると何が上昇するのかな?機会があれば誰か詳しい人に尋ねてみよう。
……ん?これってもしかしてデートというやつなのだろうか?
「(さすがにそれは考えすぎだろう。まぁ……女性と買い物に行く機会なんてあまり無かったからな)」
少し自分の考えに気分が悪くなった。
ともかく、アイナさんが来るまでどのお店に行くか考えておこう。
そろそろこの章も終わりです。
新キャラ登場まであとすこしです。




