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影法師の悠々自適な異世界ライフ  作者: マッドちゃんぽん
フリーチェ王国編
2/307

フリーチェ王国編 、1

誤字脱字など、おかしいところがあると思いますが、

ご了承ください。


6月17日、挿絵を事情により消させていただきました。みてみんで一応見れます。

気がつくと……見知らぬ天井が目の前に広がっていた。

高い天井や、きんきらきんに輝いているシャンデリアなどから察するに、ここはどこかのお城の中のようだな。

これまた……ラノベ的展開だなぁ。

それにしても天井が高すぎる。

今、重力が逆さまになったら潰れて死ぬんだろうな……そんなことは起きないけれど…。




……背中の感触から判断すると、どうやら俺は絨毯のようなところの上で寝ているようだ。


自分でも察する能力が高いことに驚いている。

……なんだ?急に頭が冴えてきたような気がする。

気のせいだろうけど。



そんなことより下に敷かれている絨毯凄い……俺の部屋にある羽毛布団より、フカフカだ……。

俺……ここで寝られる……おやすみなさい。







さてと、冗談は置いておいて、起き上がろうか。

まずは周りがどういう状況かを判断しなければいけない。




……確認すると、周りの人たちは3つのグループに別れていた。

俺と同じように周りを見渡している人たち。

起き上がって話をし合っている人たち。

まだ意識が戻らないのか、ピクリとも動かず横になっている人たち。


……ざっと数えて百人くらいだろうか。

よく見た顔や見たことない顔が沢山……。

だけどそのほとんどが俺と同じ制服を着ていた。


ちがう制服の子達がほんの少しいるな。

……顔つきからして中学生だろうか。

夏休みや中高一貫校とはいえ、授業中だったはずだ……どうして、他校の子たちもこの場所にいるのだろうか。





ふむ……それにしても喧しい。

日曜のフードコートや遊園地といい勝負だ。

まぁ騒ぐ気持ちも分からなくはない。

いきなり違う場所に連れてこられたのだ……しかも、彼らはまだ子どもだ。

……まぁ、俺も子供なんだけど、それは棚に上げておこう。





坂部先生は、まだ授業をしていた。

前回紹介した、睡眠授業の人である。


……普通にすごいと思う。

いきなり違う場所に飛ばされても、変わらず授業を行うことが出来るなんて……彼は教員のかがみと言えるのではないだろうか。


もし今度誰かに

「尊敬しているひとは?」

と尋ねられたら、この人の名前を出そう。



……そういえばこの人、()()()()()のにチョークを持って、動かしている。

もう少し近くに行って確認してみよう。


あっ……この人……チョーク持ったまま気絶してる。






と、とりあえず、坂部先生のことは一旦忘れて、知り合いを探そう。

これから、何かがあった場合、一人よりも複数人の方が行動しやすいだろうから……。




「やっと見つけたよ〜……まったく倫お兄ちゃんは相変わらず影が薄いね……」


知り合いを見つけようとした矢先、いきなり後ろから声をかけられた。

……俺には妹はいない。

それならば俺の事を、“お兄ちゃん”と呼ぶこの人は誰だって?


とりあえず振り向くと、肩にかからないくらいのの長さの薄いチョコレート色の髪をした少女が立っていた。

彼女のアーモンドのような瞳は、人をにらみつけているような圧力とともに少し性格がキツめに見えて……美人なのにやや勿体ない。


アーモンドにチョコ……喩えが甘すぎる気がするけれど、見たままだから仕方ない。

俺の顎の少し上辺りに頭頂部が来る位の身長で……見上げている姿は、俺を睨んでいるように見える。


……傍から見たら、俺たちは睨み合っていて、喧嘩が始まる直前のように見えるかもしれない……二人とも目つきは悪いからね。



さて……この子は、俺の従妹である女の子だ。

名前は鈴木あきらと言う。

男の子のような名前だけど、先に述べた通りかなりの美少女である……安心してくれ、俺はこの子になんの感情も抱いていないから。




「……どうしてお前がここにいるんだ?お前他校の中学生だろう?不法侵入だぞ?」

「いやいや……あたし、体験入学でたまたま来てただけだし……お兄ちゃんの不幸が移ったのかな?

やれやれだよ……」


彼女は、アメリカのドラマでよく見る、両手を上げてお手上げと言わんばかりの仕草をした。

相変わらず、ボディランゲージが激しい奴だな。



もう少し彼女について話をしようか。

そうだな……。


彼女の髪色が薄いチョコ色なのは、彼女が髪を染めているという事ではない。

見た目こそ女番長のような彼女だが、学校生活は真面目で、たしか……委員長か生徒会長かを務めていたはずだ。


彼女の髪色が茶髪気味なのは、幼い頃から続けている習い事の水泳のせいだろう。

ほぼ毎日、塩素に浸かっていたら……髪色が落ちてしまったみたいだ。


俺も彼女と同じように、水泳を習っていたが……高校受験の勉強のために辞めてしまった。

まぁ、速く無かったから、未練は無いのだけれど。





さて……割と完璧っぽい感じの美少女のあきらだけど、一つ欠点がある。

人によっては欠点ではないのかもしれないが、彼女によれば欠点中の欠点らしい。



それは……彼女は……いわゆる、ちっぱいなのだ。

そう、胸が全くない……泳ぎすぎて、体が水の抵抗を減らすために進化したとしか思えない。


そう言えば、俺が水泳を辞める前に、同じ水泳教室の奴が言ってたな。

「お前、あの『マーメイドのビート板』の従兄なんだって?」


彼女は確かに、人魚……というか、人間じゃないほど泳ぎが速かったけれど、いくらなんでも酷すぎる通り名だと思う。

ビート板についてはどうでも良いけれど。





「……なんだろう……急に不快な気分になってきた。

……ねぇ、お兄ちゃん。思い切り殴らせて?」


彼女は、鋭い目をさらに細めて睨みつけてきた。

……止めないと殴られる……。


「ダメだ!壁でも殴ってなさい!」


「えぇー……兄ちゃんのケチんぼ!

妹のお願いくらい聞いてくれてもいいじゃない!」


頬をハリセンボンのように膨らませて、俺のお腹を突いてくるあきら。

力は入れていないみたいだけど……それでも気になる。


「俺はお前の兄じゃない!いとこだ!」








「そういえば、怜くんも体験入学に来てたよ」

「え〜……あいつも、もしかたらここに居るってこと?

………めんどくさっ!」


怜くんとは……俺の実の弟……名前を、勝頼怜という。


彼は、目つきが鋭いが何故かモテる。

身長も、だんだん俺に追いついてきた。

スポーツもできる。


あいつのことは少し苦手だからあまり語りたくはない。なので、彼についての情報はこれで終わりだ。

また……いつか話すことがあるかもしれない。

その時まで待っててくれ。



「で、今アイツ、どこにいる?一緒じゃないのか?」

「さあ?何処かにはいるんじゃない?

あたしは見てないな〜」





ふと思ったのだけれど、俺の先輩たちは来ているのだろうか?

先輩……この場合は、俺が中学生の頃からお世話になっている人たちのことを指す。

片手を使えば足りるくらいの数だが、いるのだろうか?


そういえば、中学時代の後輩たちも、体験入学に来ると言ってたな……どちらかには会えるといいな。




「ねぇ、お兄ちゃんどこ見てんの?大丈夫?


「あ、悪い、悪い。ちょっとボーッとしてたわ。」

「それでね、お兄ちゃんーーーー」

そのままあきらと、色んなことを5分くらい話をし

た。

内容のない他愛のない話だから割愛させてもらうけれど。

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