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影法師の悠々自適な異世界ライフ  作者: マッドちゃんぽん
港町ケルプ編
112/309

人は見た目によらないんだなぁ

シャティと買い物に行ったり、シェラを手伝ったりした日から数日経った朝。

俺は、半分夢の中にいながら、朝ごはんにトーストをカリカリとかじっていた。

ゆっくりと・・・・数ミリずつちびちびと食べていると、アイナが気を利かしてくれて、熱いコーヒーを入れてくれた。

「ありがとうアイナ。・・・・熱っ!」

「いえ、こちらこそ。・・・・そう言えば、ご主人様。

ご主人様宛のお手紙が届いていましたよ。」

俺が、全力でコーヒーをフゥフゥと冷ましていると、アイナが懐から手紙を出した。

・・・今、カップに入ったコーヒーを見ていて見逃したが・・・・何処から手紙を出したんだ?

そのメイド服、胸にポケットついてないよね?

・・・・まぁ、どうでもいいけど。


そう言えば、彼女は朝起きてすぐ、家の門の前を竹箒等で掃除をしてくれる。

・・・・いつもありがとうございます。

なので、屋敷に届いた手紙を取りに行くのは彼女の仕事の一つである。

「手紙、誰からだろう。」

「ご主人様、ペーパーナイフを。」

「あぁ、ありがとう。」

この世界の手紙は、中世のように、封蝋を使うのが一般的だ。シーリングスタンプって言うんだっけ?

手紙を見る度思うんだが、この封蝋にスタンプされている女性のイラスト?は誰なんだろう。

・・・・・・・・いくら待っても、いつものようにヘルプ機能さんからの説明が来ない。

あっ、ヘルプ機能さん教えてくれないんですか?了解です。後で、アイナにでも聞こう。



その手紙は、この街のギルドマスターさんからのものだった。

内容を要約すると、君に依頼したいクエストがあるから、ギルドに来てくれ。一応言っておくが、これは上司命令だよ。

みたいなことが難しい言い回しで書いてあった。

これ、行かなかったら怒られるやつだ。

まぁ、行かないなんて選択肢はないんだけど。


割かと急いで支度をする。

一応、上司・・・に会うんだから、きちんとした格好をしないとな。

手紙にはラフな格好でいいと書いてあるが、ネクタイくらいはしていこう。


「それじゃあ、行ってくるよ。お昼は外で食べるからシャティには要らないと言っておいてくれ。」

玄関で靴を履きながらお見送りをするためについてきたアイナに言う。

「承知しました。

あっ、ご主人様。ネクタイが曲がっていますよ。直しますので、じっとしていてください。」

・・・・人にネクタイをしてもらうってなんだか、なんだかなぁだな。気持ちを言葉にできない。


アイナはテキパキとネクタイを付け直してくれている、頬を赤くしながら。

「ご主人様。」

「ん?どうしたアイナ。」

「いえ・・・その・・・・、こうして・・・いると、その・・・新婚さんみたいですね。」

ネクタイを付け直してくれたあと、襟を正してくれているアイナはそう・・・・あぁ、もう可愛いなぁ。

気がつくと、俺は何も考えずにアイナの頭を撫で続けていた。

さて、そろそろ出発しないとな。

「お気をつけて・・・・いってらっしゃいませ。」



しばらく歩くと、ギルドが見えてきた。

そう言えば、どこの街のギルドも同じ見た目だ。

チェーン店みたいな感じかな?

さて・・・ギルドマスターさんからの話といってもどこに行けばいいんだろうな?

とりあえず、受付の人に聞いてみますか。

「あのー、すいません。

聞きたいことがあるんですけど。」

受付で、なんかの書類を書いたり、ハンコを押していた男性職員に話しかける。

その人は、かなり迫力がある眼力で、ギロりと睨んできた。眉間に深いシワを寄せて。

口元は、悪巧みをしているような三日月型だ。

一応、これでも・・・この人にとっては笑顔らしい。


「あっ、はい!新人さんかい?

・・・・ってお前かよ。笑顔になる必要なかったな。

それで、今日はなんだ?オレは忙しいんだぞ。」

「何回も言ってますが、怖いですよ。もう少し柔らかく笑わないと、新人さんに怖がられてしまいますよ。」

「えっ?今のでも怖かった?」

「はい、迫力がすごかったです。」

「マジか~~。かなり自信があったんだが。」

受付の男性は、手紙を書いていた手を止めて頭を抱えてしまった。


この人は、このギルドで、俺が大変世話になっている人だ。

見た目は完全に○が如くに出てきてもおかしくないような見た目だが、良い人である。

ものすごく丁寧に、ギルドのクエストボードに書いてある依頼書の説明をしてくれる。

あっ、一応、当たり前のことだが言っておこう。

どの街でもギルドの見た目は同じと言ったが、もちろん、職員の人の雰囲気とかは、その街によって全く違う。

この街のギルドの職員さんたちは、この人のようなカタギじゃないような見た目の人たちが多い。

しかし、見た目に反して優しい人がものすごく多い。

この人達、休日には街でボランティアの清掃とかしてるんだぜ?立派だろ?


俺は受け取ったギルドマスターさんからの手紙を、職員さんに渡す。

「家にこれが届きまして、どこに行けばいいんでしょうか?」

受付の人は忌々しそうに手紙の封筒を見つめたあと、中に入っている手紙を読み始める。

「なんだぁ?詐欺にでも引っかかったのか・・・・って、こりゃ、うちのギルマスからの手紙じゃんか。

なんでお前が・・・と言いたいところだが、お前だもんな。

仕方ねぇ、ちょっと、聞いてくるからそこにいろよ。

・・・・たっく、仕事増やしやがって。」

職員さんは、頭をだるそうにかきながら、奥へと入っていった。

俺は、受付から逸れて、待っていることにした。

・・・・そう言えば、この街のギルドマスターさんをみたことないなぁ。

どんな人なのかな?


俺は、職員さんが中々戻って来ず、暇だったので、ココを呼び出して、ひたすら撫でていた。

やっぱりふわふわだなぁ。

「あれ?ココ、太った?」

「【乙女に失礼だぞ!あるじ様!】」

ココは前足でペチンと膝を叩いてくる。

・・・・・あっ、お前メスなの?

俺は、受付の男性が帰ってくるまでずっとココのお腹を触っていた。


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