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影法師の悠々自適な異世界ライフ  作者: マッドちゃんぽん
港町ケルプ編
110/309

突き刺さる視線が痛かった

俺が狩ってきたお肉は、1部を«影収納»に保存して、多くは屋敷の保存用の部屋・・・冷凍室みたいにものすごく寒い部屋に保存してある。

仕組みはどうなってるか分からないが、地下にあるある一部屋だけ、ものすごく温度が低いのだ。

一番最初に部屋に入った時はびっくりした。

何度なのかは計ってないから知らないが、扉を開けた瞬間、凍った空気が溢れ出たんだぜ・・・・この屋敷、前の持ち主はどんな奴だ?


「ご主人様。ここにお着替えを置いておきますね。」

すりガラスの向こうでアイナの声が聞こえる。

俺は、今ご飯までほんの少しだけ時間があるので、お風呂に入れられている。


一応お風呂に入るまでの過程について話しておこう。

・・・怒られると思ったあの後、俺のお腹が鳴った。その音をアイナは聞くと、俺の背中を後ろから押して、食卓へと連れていこうとした。

後ろから押されながら歩いていると、突然彼女の押す力が無くなった。

「・・・・ご主人様、お風呂に入ってもらえませんか?」

顔はうつむいていたので確認出来なかったが、彼女に真面目なトーンでそう言われた時、心ににボディブローを決められたかと思った。

そんなに、臭ったのか・・・これからはもっと意識しないとな。


いい感じに汗も流せたことだし、そろそろ出たいんだけど・・・すりガラスの向こうにはまだ人影がある。

すりガラスは不透明度が凄くて、シルエットしか見えないが、犬耳がピコピコ動いているのは確認出来る・・・・何してるんだ?

「アイナ~、ちょっと脱衣場から出ていてくれないか~。君がいたら着替えられないから~。」

「ひゃあ!・・・申し訳ありません!今出ていきますから!」

かなり急いで扉を閉めたのか、とても大きい音が風呂場まで響いてきた。

体重でも測ってたのかな?


洗濯物かごには、俺の服が置かれていた。

そうだ。ついでに『和文神しずのかみ』も入れておこう・・・色落ちとかしないよね?

ちなみに、洗濯係はアイナだ。

今度ゴム手袋でも作ってやるかな。ちょうど素材もあるし。


お昼の献立は、大皿に乗せられた『イカのバター醤油炒め』だった。イカのプリプリとした食感と、醤油の甘辛さが面白いくらいにマッチしていて、・・・・・噛めば噛むほど味が出てくるって本当なんだね。

とても美味しい、美味しいんだが・・・・ただ・・・


「ご主人様、どうしたのですか?

お手が止まってますよ?まだこんなにあるじゃないですか、お残しは許しませんよ。」

「いや、美味しいから、残すわけないよ。」

アイナが食堂のオバチャンのようなセリフを声音と合わない笑顔で言ってきた。口には、大量のイカの身が詰め込まれている。


俺が箸を止めている理由を言おうと思う。

その理由は、俺がイカが苦手ということでも、量が尋常じゃないくらい多いとかそんなちっぽけな理由じゃないんだ。

まぁ、それはそれで別の問題があるんだが。


1番の理由は・・・・・・・この料理ものすごくご飯が欲しくなる味なんだよ・・・・コレを一口食べて分かったよ。

かなりの米好きの俺には、おかずだけでご飯を食べるのは、なかなかキツい。

うぅぅぅ、米が欲しいよ。この世界ではまだ見たことないんだが、存在するのか?

異世界もののラノベとかだと、こういう場合どこかには存在するっていうのがテンプレだから・・・・本気で探そうかな。



なんとか、米無しで食べきり、いつもの食器を洗う仕事を終わらせた俺は、ソファの上でグロッキーになっていた。

お腹がパンパンだよ。

俺がお腹をさすっていると・・・・。

「マ〜ス〜タァー!エイヤァァ!」

「ちょっ、シャティ、お゛うっ!」

シャティが飛んで抱きついてきた。

彼女の頭がみぞおちに入った・・・食後にそれはキツいって。

「ねぇ、マスター。このあと時間あるよね?デー・・・」

「シャティちゃんのマネネー!だんな様〜!」

「ヒャッハー!!!だんな様〜!」

リンユーとリンリーにも同じように体当りされた。

ご飯を食べた後なのに二人とも、元気だなぁ。

突撃してきた2人と、2人に突撃された俺の間にいたシャティは、完全に潰されていた・・・・あらら、整えていた髪が少し乱れてしまったな。


そんなシャティは何とか脱出して、2人に注意をする。

「危ないよ!2人とも!

まぁウチは気にしないから許してあげるよ、今度から気をつけてね!」

「「ゴメンなさーい!」」

リンユーとリンリーはシャティにそう言われると、謝った。


その後、何をして遊ぶかを笑いながら話しながらリビングを出てい・・・あっ、鍬をもったシェラに捕まった。

そのまま引きづられるように運ばれていっている。2人は、扉に指をかけて必死に抵抗しているが、あまり意味がないらしい。


「たすケて~、だんな様~。」

「へるぷみー、だんな様!」

2人とも俺を呼んでいるが・・・・・突撃してきた罰だ。せいぜい畑で農耕してくるがいい。

2人が農作業を終えたら、お菓子でも渡そう。

甘くて美味しいやつを。



「そういやシャティ、さっき何言いかけてだんだ?」

2人に注意したあと、俺の膝の上に座り直した彼女に聞く。完全に俺に背中を預けている。

「あっ、えーっと、デー・・・買い物しに行こうよ!マスター!おねがい♪」

シャティは、クルリと身体をこちらに向けてウィンクと共に言ってくる。

・・・・・中々可愛いじゃないか。


「うん、いいよ。でも、さっき行ってきたんじゃなかっ「ご主人様、買ってきて欲しいものがあるのですが」・・・ナイスタイミングだね、アイナ。」

まるでタイミングを合わせたように、アイナに頼み事をされる。

腹ごなしにもちょうどいいから、行くか。


・・・・・シェラたちと畑仕事すればいいだって?

あんな重労働をしたらえらいことになるだろ。

さすがに、お昼ご飯後にあれはキツすぎる。


「さぁ!行こうよ!」

俺の手をグイグイと引っ張って無理やり立たせようとする。そんなに、腕を引っ張るな。

肩が抜けるだろ!

「1回落ち着け!その前にそのグチャっとなった髪を直してやるから、ここに来い。」

シャティを再度膝の上に乗せて、櫛を使って髪をとく。

やっぱり、綺麗な黒髪だなぁ。吸い込まれそうだ。その綺麗な黒髪を三つ編みにして・・・完成。

「ありがとう、マスター。」

三つ編みにした髪を弄りながら、そう言ってくるシャティの顔は可愛かった。


・・・・さて、玄関で靴を履いて準備完了。

さあ買い物しに行こうか。

「レッツゴーだよ、マスター。

デー・・・・買い物楽しもうね。」

彼女はおれの腕に抱きついて、はにかんできた。

俺は彼女の頭を撫でてそのまま、買い物をしに行った。


玄関を出ると、リンユーとリンリーの嘆くような声が聞こえる。

・・・・2人には何か土産を買ってきてあげよう。




シャティと腕を組んだまま、街の中心地に着いた。

お昼すぎということもあって人通りはほんの少し少ない。

その代わり、喫茶店などの食べるところとかはいっぱい人がいた。

「シャティ、何を買いに行くんだ?」

「そのお店はこっちだよ!

ほら、マスター早くいこ!」

彼女はおれの手をグイグイと引きながらいい笑顔だ。

・・・・・最初会った時の。若干暗い表情だった彼女はどこに行ったのかな?

今の彼女の方が俺は好みだけど。


シャティに引っ張られるまま、街を歩いていると、ある店の前でシャティは止まった。

「ここだよ、さぁ買い物しようよ!」


・・・・・うん、いやぁまあね。

そりゃあ確かに女性の買い物といえば、これなんだけどね。さすがにねぇ。

シャティが連れてきたのは、服屋・・・しかも、女性の下着とかを中心に扱っているお店だ。

店内を見た限り若い女性が客の中心らしい。


心の準備をする時間が欲しい!いきなりは辛い!

・・・・何かないかな・・・・あっ、そうだ。

「ちょ、ちょっと待て、先にアイナの頼んできたものを買おう。

その方が、ゆっくり決められるだろ?」

俺は、ポケットに入ってある、アイナが渡してくれた買ってきて欲しいものが書いてあるリストを見た。

今ここで初めて見るが・・・・お願いだアイナ、どうにかこの場を離れられるものを頼んでいてくれ。

あと、シャティもそのメモを見ていない。

・・・・頼む。


俺は2つ折りにされたメモを開けた・・・・・神はいなかった。

その買ってきて欲しいものが書かれたメモには、ひとつの単語しか書いていなかった。

たったひとつ・・・『ラータちゃんの下着』と・・・。

メモの下には、サイズが書かれてあった。


俺は思わず手からそのメモを落としてしまった。

よくドラマとかでショックを受けたら、手に持ったものを落とすが・・・・落とす気持ちもわかるよ。

「マスター、メモ落としたよ。どれどれ・・・へぇ。ほら、店に入るよ!」

はぁ、覚悟を決めるか。


「いらっしゃませー・・・・。」

俺がシャティと共に店に入ると、中にいた客や店員がが不審者を見るように俺を見てきた。

うわ、きっついなぁ。

シャティは置いてあった下着を手に取ったりして吟味している。

少し経ち、『試着してくるから、そこに居てね!店の外に出たら・・・・泣いちゃうかもね。』と言い、試着室に入っていった。

俺は試着室の前で待たされている。


結構時間がかかるんだな。

俺が暇そうにしているのを見た店員さんらしい女の人が近づいてきた。

「もしかして、一緒に来た子は貴方の妹さんですか?あのくらいの年齢だと背伸びしたい年頃ですからねぇ、お兄さんも大変ですね。」

店員さんは、初対面の人に言っていいことじゃないが、どちらかというとギャルっぽい印象の女性だった。

俺をシャティの兄だと思っているらしい、好都合だ、それなら店にいてもおかしくない・・・・というか、シャティの見た目だとそれが普通だろ。


俺が『そうなんですよ、最近生意気になってきまして』と兄の振りをしようとした・・・・ができなかった。

店員さん!少し来るのが遅いですよ!

「店員さん、違うよ、ウチたちは夫婦なんだよ!ねぇ、ダーリン♡」

彼女は試着室の入口を開けて下着姿で高らかに宣言した。

彼女の下着は、上はキャミソール、下はGストリングショーツと呼ばれる後ろが紐のパンツだった。

一言感想を言うなら似合ってない。完全に子供が、無理に大人っぽく振舞っているようにしか見えない。

そして、俺には理解した、店員さんがさっきの『妹さんですか?』というセリフを言って、若干ホンワカとした店の空気が、一気にツンドラになったことを。

ていうか、誰と誰が夫婦だって?


そのあと、シャティの下着ファッションショーを、ずっと見ることになり、その間ずっと店員さんや他のお客さんたちの視線が痛かった。

あと、ラータの下着はシャティが結構地味目のやつを選んだ・・・・・うん、それでいいと思う。

ラータ結構・・・・全体的に・・・目からビームを撃つ槍を持った英雄のマスターのように、ムチムチとしているから・・・うん、いいと思う。


別の意味でおなかいっぱいになってしまった・・・・・別にいいけどね。

楽しかったし。

リンリーたちのお土産には、マカロンが売っていたのでそれにした。



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