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第三話『ゴブリンさん現る』

山田ヒロシ 20歳 普通の男子大学生 特徴のない黒髪と、特徴のない顔と、特徴のない性格が特徴。一人称は「俺」。初恋の相手は保育園の先生。


伊藤マナブ 20歳 茶髪のメガネでヒロシの同級生。広く浅く、いかにも最近のオタクって感じのメガネ。一人称は「オレ」。初恋の相手はブラックマ◯シャンガール


西寺リキヤ 20歳 ハゲの細マッチョでヒロシの同級生。趣味は筋トレで、実家が寺なハゲ。一人称は「おれ」。初恋の相手は公園に落ちてたエロ本の表紙の女性。

「……異世界だコレ!!!」」」


「ゴブゴブッ!?」


どうも、ヒロシです。


ここ、異世界でした。


俺達の目の前には、異常に鼻の大きい顔に、全長1メートルほどの2頭身、そして頭からつま先まで、全身の肌が薄緑色な小人…もとい『ゴブリン』が居た。


「お…おいおいコイツ…ゴブリン…だよな?」


煌めく禿頭が眩しい女性下着姿の変態、西寺マナブがそのアホっぽい顔を一層アホなモノにして、そう呟く。


「いや待て落ち着け慌てるなリキヤ! もしかしたらココらへんに住んでる子供の親がものすごい技術のコスプレイヤーで、自分の子供にも幼い頃から英才教育を施しているのかも知れん!!」


茶髪ジャージの全身タイツ、伊藤マナブがペラペラと一息でそう言うと、彼はアホっぽい顔を気持ちの悪い笑顔に変えて語りかける。


「こんにちはぁ~~。いいお天気だねぇ? えっとね、お兄ちゃんたちはね~? 悪い人たちじゃないんだよ~? ちょっと迷子になっちゃったんだ~。もし良かったらね、道を教えてくれないかなぁ?」


「ゴ…ゴブ…?」


そんな不審者感マックスメガネの語りかけに、ゴブリンの視線は一番怪しい男に向けられた。


そう、女性下着姿のハゲマッチョに。


ゴブリンの視線を受け、ハゲマッチョは


「…フンッ!」


何を勘違いしたのか、ボディービルダーの様にポージングをキメた。

彼の自慢の筋肉がうなりを上げている。

完全に威嚇である。


コイツはなんでこう、アホなんだろうか。


「ち、違うんだお嬢ちゃん! このお兄ちゃんはね? えっとその…妖精さん…? そう! この森の妖精さんなんだ!!」


焦るメガネもまた、アホである。

コイツの中では既に、このゴブリンが女の子であることは確定しているらしい。

あと妖精さんってなんだよ…。

なんでコイツらはいつもこうなんだ…。

このままじゃ確実に逃げられるか、最悪の場合、襲われる。


まったく、俺がなんとかしてやるしか、無いじゃねえか。


「お嬢ちゃん」


「ゴ…ゴブ?」


俺は、腰に装備していた『聖杖』を抜き放った。


「これを、プレゼントしよう!」


指先に、力を込める。


『キュルル~~~ン☆ バシューン☆ マジカルミラクル☆ プリピュアパワ~~☆』


静かな異世界の森に、電子音が鳴り響いた。


「ゴブ~~~ッ!?!?」


「バカヒロシ! オマエそんなん完全に威嚇じゃねえか!!」


「なにやってんだアホヒロシ!! 今直ぐそれをしまえ!」


え?

あれ?


「ゴ…ゴブ~…」


ゴブリンは突然の電子音に驚き、腰を抜かして尻もちを付いていた。

攻撃されたと思ったようだ。

うん…。


「ま、まあこんなこともある! 人間とは失敗し、次に活かす生き物なのだ!」


俺は悪くない。

アホ2人の尻拭いをしようとしただけなのだ。


とにかくこの状況はマズイ。

ゴブリンは完全に怯えきっている。

なんとかしなければ…。


相手の警戒を解く方法、アレしかない…!


「あの…。驚かせてすみませんでした!」


俺は『聖杖』をゴブリンと自分との中間地点に投げ捨て、脚を折り正座の姿勢になった後、ゆっくりと上半身を倒し、額を地面にこすり付けた。


日本古来より伝わりし、聖なる姿勢『土下座』である。


敵意が無いことを示すのに、俺はこれ以上の方法を知らなかった。


「ヒロシ…。オマエ…。いいぜ、付き合ってやるよ!」


「こういう時一緒に頭を下げるのが、親友ってもんだよな!」


俺の親友2人も、俺に並んで同じ姿勢を取った。


男子大学生3人による同時土下座である。

その謝罪力は実に通常の3倍である。

赤い彗星の土下座である。

これで許してくれない相手ならば、その時は仕方ない。


徹底抗戦だ。


これでも俺たち3人は戦闘力には自信がある。

なんせ高校生の頃、授業で柔道をやったことがあるのだ。

その授業内で、俺たち3人は『南高の3強』と呼ばれていた。


『後ろ受け身の天才』山田ヒロシ。

『前回り受け身の神童』伊藤マナブ。

『柔道着をノースリーブにした男』西寺リキヤ。


クラス内で俺たちを知らないヤツなど1人も居なかったくらいだ。


さて、そんな俺たち3人の渾身の土下座を受け、ゴブリンは


「ゴブ…。ゴブゴブッ!」


なんと木の陰から俺たちの前へと、ゆっくり出てきたのだ。

その表情には、どことなく警戒心が薄れたような感じがある。

少なくとも、俺はそう感じた。


さすがと言うべきは『土下座』の威力である。

『土下座』は異世界においてゴブリンにも通じる。

それが証明された瞬間であった。


「ゴブゥ…」


ゴブリンは俺たちの前に歩み寄ると、ゆっくりと腰を下ろした。

あぐらである。

ゴブリンも人間と同じように座る、という事実に少し感動しながらも、俺たちはゆっくりと面を上げる。

そんな俺たちの顔を見て、ゴブリンは


「ゴブッ!」


白い歯を見せ、ニカッと笑った。

人間とゴブリンが解りあった世紀的瞬間である。


「「「おぉっ…!」」」


その笑顔に、俺たちは思わず感動の声をあげた。


ちなみに、あぐらをかいたゴブリンの腰布の奥には、立派なイチモツが確認された。

ゴブリンは『彼』だったのである。

『お嬢ちゃん』とか言ってたどこぞのアホは、少し残念そうな顔をしている。

いや、俺も『お嬢ちゃん』って言ったけども、少なくとも残念ではない。

俺の守備範囲はそこまで広くはないのだ。


さて、なんにしても対話の席にお互いが付いたのだ。

ここからは知的に『第二回 異世界会議』の開催である。

現地に詳しい有識者として、ゴブリンさんもお呼びしている。

いざ、この世界の謎を解き明かずのだ!


「ゴブッ! ゴブゴブ…ゴブ?」


うん、何言ってるかさっぱり分からん。


「何言ってるかさっぱりわからん」


「ああ、さっぱりだ」


2人も同じだったようだ。

リキヤ辺りはゴブリンと近い脳内構造してそうだし、理解できるかと思ってたんだが。

全く使えんやつだ。


「2人もか。俺もさっぱりだな」


「なんだヒロシも分からないのか。おれはてっきりヒロシならゴブリンと同じような思考回路してそうだし分かると思ったんだけどな…」


「おうハゲ、今回は奇跡的にお相子だから許してやるが、次は無いぞ?」


「おいおいケンカするなよ。もうオマエら二人共仲良くゴブリン脳って事でいいだろ。ゴブリンさん困ってるしそこらへんにしとけよ」


「なんだとこのメガネ! オマエが一番ゴブリン脳だろうが!」


「そうだぞこのゴブリンメガネ! だからオマエは童貞なんだよ!」


そんな俺達の様子を見たゴブリンは


「ゴ…ゴブゴブゥ…」


なんか苦笑いみたいな表情をしながら「まあまあ…」みたいなジェスチャーを取っている。

なんか彼が一番大人な感じだ。


あれ…?


「あの…ゴブリンさん、もしかして俺らの言葉、分かってます?」


ふと思った俺の疑問に対し、ゴブリンさんは


「ゴブッ!」


拳で胸をドン!と叩き、「任せなさい」とばかりに頷いた。


まじか。


「え…マジすかゴブリンさん。オレらの言ってること分かるんスか?」


「おいおい、おれたち『ゴブリン脳』とか『ゴブリンメガネ』とか、めちゃくちゃ失礼な事言っちまったよ…」


あっ。


「「「すいませんでした!!」」」


『赤い彗星の土下座』、再びである。

せっかく道案内をしてくれるかもしれない相手に出会えたのに、機嫌を損ねてしまったかもしれない。


と、恐る恐るゴブリンさんの様子を見ると


「ゴブゴブ…ゴブ」


まるで「いやいや気にしてないですよ」とでも言うように、手のひらを前に出しながら、苦笑いで頭を横に振っていた。


ゴ、ゴブリンさん…!


「ゴ…ゴブリン先輩…なんてデカイ漢だ…」


「かっけぇよ…おれ、惚れそうだよ…」


ゴブリンさんの株がストップ高である。


しかし、ゴブリンさんがオレ達の言葉を理解できるならば話は早い。

当面の問題は解決したも同然である。


「あ、あのゴブリンさん! 失礼なこと言っといてなんですが。お願いがあるんです」


俺はそう言うと、マナブとリキヤの顔を少し見る。

2人は黙って頷いた。

よし。


「俺たちを近くの村か街まで案内してくれませんか? 俺たち道に迷っちゃって、日が暮れる前になんとか森を出たいんですよ」


そう言い、頭を下げた。

ここが異世界であるならば、夜の森に居るのはマズイなんてもんじゃない。

俺の発言に、マナブとリキヤも頭を下げた。


「「「お願いします!!」」」


そんな俺たちに対し、ゴブリンさんは


「ゴブッ!」


ニカッと笑いながら、大きく頷いた。


俺たち3人は、本格的にゴブリンさんに惚れたのだった。


そして、俺たちはゴブリンさんに連れられ、昼下がりの森を歩き始めたのだ。


最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。


さて、全然お話が進みません。

一重にボクの力不足です。

精進しますのでどうか気長にお付き合いください。


よろしければ4話もよろしくお願いします。

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