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じゅうよーん。

14.電話の口実、考え中。


勇者「魔王に電話をする」

僧侶「ホットラインってやつですねぇ、勇者」


勇者「そうそう。何故、俺たちは戦うのか。よりよい世界を実現する方法は無いのか。世界征服をやめてはくれまいか。俺たちには、夜を徹して、語り合う事柄がたくさんある」



魔王「勇者に電話をする」

部下A「ケータイ使うんですか?」


魔王「無論。この電話は、勇者専用。勇者からしか、かかってこない」


部下A「さすが魔王様ですね! 勇者から電話だなんて、僕、着信残ってただけで怖くて眠れなくなります!」


魔王「フフ…。まあな、部下Aよ。知らぬかもしれぬがな。着信履歴は、消去ボタンを押すと、消せるのだ」


部下A「へぇ~(知ってるけど、だまっておこう)、さすが魔王様!」


トゥルルルル

魔王「はい、魔王です。」

勇者「おー、魔王。元気? 腰の調子どう? 宝物庫の片付けしててギックリいったっていってたじゃん~」


魔王「勇者こそ、戦闘中に転んだらしいじゃん? 怪我とかない? 大丈夫だった? ダメだよ~、足元、注意しないと」


勇者「だな。俺もね、あー、危ないなと思ったのよ。足元、なんかすごくガタガタでね。そこに魔物出るから~。ほらね、戦いにくいなーって。ね。だからね、飛び道具に持ちかえた! 最近ね~、手裏剣使ってんのよ、俺」


魔王「オーゥ、ニンジャ! 手裏剣って、針型のほう!? それとも、八方手裏剣とか!?」


勇者「いやに食いつくな、魔王…。普通の、十字形の手裏剣だよ。投げるの、ちょっとコツいるけどね~」


魔王「マジで!? なぁ~、それ、今度、俺様にも投げてよ! むしろ投げろ!」


勇者「…え、や、いいけど…。魔王、こんなの投げられたいの? ちょっと引くわ~」


魔王「いいって、いいって、ぜひ投げて! いっぺん俺、手裏剣の的になってみたかった! 早く我が城に来るのだ勇者よ!」


勇者「あー、うん。そのうちね。交通費とかもかかるしさ。バイトの休みもとれないし…」


魔王「…え。お前、バイトなんかしてたの? 何の?」

勇者「駅前で、ちょっといかがわしい電話番号の入ったポケットティッシュを配る仕事」


魔王「えー、いいな、それ。俺様もやってみたい」

勇者「しょうがねぇな…。募集の番号教えてやるから…。今度、一緒に配ろうな」


魔王「おお! いかがわしい電話番号の入ったティッシュをな!」



部下A「魔王様、勇者と何を話しているんでしょうね~」

側近「…フン。どのコンビニのクリームどら焼きが美味かといった下らないに違いありませんよ」


僧侶「とうぞくー。勇者さん、何を話しているんでしょうねえ」

盗賊「…そりゃ、あれだろ。魔族と人間の未来とか、経済とか、農業とか、雇用とか技術開発とかの話だろ」


勇者「でね~」

魔王「だなー」うんうん

次回は

15.今こそキスのタイミング

ですっ!

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