じゅーさん!
13.このタイミングで乱入か!
魔王「ウッ!?」ばたり
側近「魔王様!? 心筋梗塞ですか!? 誰かAEDをお持ちなさい!」
ゴブリン「えー、側近様、おれ、怖くてアレ使えないっすよ~。なんか、人間のカラダとか跳ねるらしいじゃないっスか~。なんか、死んだカエルに電流ながして動いてるみたいで…」
側近「まだ死んでいませんよッ!? いいから手伝いなさい!」
クラーケン(でっかいイカの魔物)「はぁ~…い」
魔王「」シーン
側近「一向に反応がありませんね…。手遅れだったのでしょうか…」
ゴブリン「ほら、魔王様! 大好きなプリンっすよ~、おれ食べちゃうっすよ~」モグモグ
魔王「」シーン
側近「…返事がありませんね」
勇者「魔王! 覚悟ォオオオオ!」走り込んでくる
魔王「」シーン
ゴブリン「…あっ、勇者」
クラーケン「勇者のやつ、まさか呪いで魔王様の心臓をとめたのでは」うにょうにょ
側近「ありえますね。勇者よ。正直に答えなさい。魔王様をころしたのは、あなたなのですか?」
勇者「…えっ? だっていま、俺、来たばかり…」
側近「聞いたことがあります…。人間どもの国には、植物の茎で作った人形に釘を打つことで、相手を亡き者にする呪術が存在すると…」
ゴブリン「」ゴクリ
クラーケン「ニンゲンこえー…」
側近「…フフ。やはり勇者の仕業で間違いないようですね。」
勇者「…えっ、あの、その。俺、…え。魔王? 魔王さん? あのほら、ちょっと生き返って、覚悟してくれないと困るんですよ! 俺もね、皆の希望とか未来とか託されてここに来てるんで! あの、死因が心筋梗塞とか、俺、みんなにどう説明すりゃいいんですか…! うぉおおおおおお!!!」
ゴブリン「魔王様!!」
クラーケン「魔王様ァアアア!!!」
側近「……くっ。」瞑目
魔物たちの嘆きは、魔界の闇よりなお深く。漆黒の夜空に、響き渡ったのであった。