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じゅーに

12.そーっと伸ばした手


勇者♀(魔王の髪…。サラサラ…)

勇者(トリートメントとか、どうしてるんだろう)


勇者(…やっぱり、血? 人間の血とか…)

勇者(たぶん、ヘモグロビンとか赤血球とか白血球が、傷口を固めたり、髪をサラサラにしたり、キューティクルが保護されたりするんだ…)


勇者(サラサラの魔王の髪…)

勇者(このために、どれだけの命が…)


魔王『キサマは、今まで食べた米粒の数を覚えているのか?』


勇者「…覚えて、いたい。忘れたくないんだ、魔王ーー」

勇者「俺は。俺が生きるために糧にしてきた米粒たちを、ーー決して、忘れたくないよ」


魔王「ーー勇者?」目を開ける


勇者「なんでもないよ。ーーね、魔王も、その髪をサラサラにするために犠牲になった人たちのこと、少しくらいは、考えてみてね……」


魔王「……???」キョトン

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