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夏生詩集

アサガオ

作者: 夏生

アサガオの種をまいて


水をあげて


日を浴びせて


それだけで


アサガオは土の中から


ぐ、ぐ、ぐ、と


突き破った種を頭にのせたまま


伸びるのだ


双葉はもう一人前の顔をして


水をあげて


日に当てて


それだけで


葉は大きく広がって


茎は太くなって可愛くなくて



ツルが伸びてクルンクルンと


辺りかまわず絡みついて


先端を紅くしてちょっと色っぽい


蕾ができて


いよいよか、いよいよなのかと


ウキウキしてると


焦らす、焦らす


もう無理かと諦めた朝


紅い花がひとつ、ふたつ


きっとポンと音たてて咲いたんだな


ラッパみたいな形をしてるから



夏の朝、蝉のダミ声にかき消された


アサガオの咲く音


ちょっと聴いてみたい


儚げに俯く様はやっぱり色っぽい


浴衣美人のようだ


でも


暑さに負けず、蝉より長く生きるのだから


大した玉なんだ、この花は

















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