第三話 友達からの付き合い
あれから数週間が経ち、私、日向真宵は朱雀島の生活に慣れてきた。
学校では美紅ちゃんや倉科君と同じクラスになれたので戸惑うこともなかった。
やっぱりというか、倉科君はクラスで中心的存在で、クラスのみんなに私を紹介してくれた。
家も結構住み心地が良かった。
この島は良いところだ。
「よお、日向。美紅とは打ち解けれたか?」
「うん、倉科君のおかげ」
「おお、そりゃよかった」
倉科君は制服を良いように着崩していて、まるでみんなとは存在感が違う。
それが、彼の良いところでもあるのだろう。
朱雀島は人口が多く、街の中央は広場となっている。その広場では集会が行われたり、祭りなどの行事の会場にも使われている。
美紅ちゃんに半ば強引に私はそこへ連れて行かれた。
「よおし、これで全員集まったな!」
その広場には私が転校したクラスの生徒全員が集まっていた。
「何、これ?」
私はわけが分からずテンパっていた。
すると、倉科君が私の肩に手を置いてきました。
「俺たちは転校生を温かく出迎えてやるんだ。今までそうしてきた。だから、今回も変わらずそうする……ほら!」
「きゃっ」
すると、私は水をかけられてしまった。
「水パーティーだぁ!」
倉科君の言葉を最後に、みんながバケツにくんだ水を他人にかけまくった。
少し動揺していたけど、ようやく状況を飲み込めた。
……こういうのも、アリかな。