5話
ザック…ザック……
今、俺はボロ家の隣の畑を耕している。地下室で見つけた地図によるとこのボロ家は亜竜の森と呼ばれる森の真ん中に近いところにあるらしい。
この亜竜の森は真ん中辺りにはあまりモンスターがいないのだそうだ。
この森は迷路のようになっていて、出るためにはかなりの時間が掛かるらしい。
だから、俺は長い間住む可能性を含めて畑を耕している。
この世界では現実世界と同じように腹が減る。そのため、何も食べないと餓死する可能性がある。
畑を耕す事は意外に大変でずっと鍬を振るっているために手にまめが出来てしまった。
そして、トマトなどの種を蒔いて井戸から汲み上げた水を蒔いた俺は装備を整えて森の中に入っていった。
俺は今、安全とスキルのレベル上げのために《隠密》を駆使してある物を探していた。
ある物とは怪我をした時などに役立つ薬草である。薬草は魔物も食べるらしいので薬草を採って来て、栽培する方が安全で良いらしいので畑を耕していた。
沢山の本の中に薬草について書かれた物があったので特徴は分かるのだが何処にあるかは分からなかったので今、本を見ながら探している。
薄暗い森の中をくねくねと探している。一時間程歩き回ったところで少し開けた場所に出た。
開けた場所には薬草らしき植物が群生していた。俺は本と見比べて、本物だと分かったのでいくつかは根っこごと採って、他の薬草は根っこを残して摘んでいった。
そして、この場所を地図にマークした。
薬草は育てるのを除いて70個取れた。採ったのは全てアイテムボックスに入れてある。
俺は思ったより薬草が採れたので別の物を探すことにした。
その後、地図を見ながら探索していると何か悲鳴のような声が聞こえた。
俺は直様《索敵》を使った。すると、今いる場所から少し西に行ったところにいくつかの反応があった。
俺は見つからないように走って行った。
悲鳴の元へ行くと黒緑の醜いモンスターがいた。
ゴブリンだ。
それも結構、沢山と。ゴブリン達は何かを囲むように何かをしていた。
よく見ると、殴ったり、蹴ったりしている。
俺はゴブリンのレベルを見る。
28……31…42など十数匹いた。
俺はレベル上げのチャンスだと思い、レベルの一番高い47に銃口を向けた。
俺は音をあまり出さないようにローブを巻き付け、ゆっくりとゴブリンの頭に狙いを付けて、放つ…
・・・・・パッ…ン
小さい乾いた音がこぼれた。
ゴブリンは倒れ、
光となっていった。
…ポーン
レベルが26に上がりました。レベルが27に上がりました。・・・・・・・レベルが33に上がりました。
特定の条件を達成しました。スキル《サイレント・ショットLv1》を獲得しました。
俺は会得したばかりの《サイレント・ショット》を使った。ゴブリン達は混乱しながらなす術もなく光となった。
使った弾数は17だった。《弾数2倍》のお陰で残り5発ある。
俺は急いでゴブリン達のいた場所へ走った。
そこには白い少年、少女が血塗れで倒れていた。
容姿はかなり良い方だがこの子達はゴブリンだった。
厳密に言えば、〈ハイゴブリン〉のようだが。
俺は治療することにした。採った、薬草を使って傷口に塗って止血した。そして、 一通りの応急手当をして、草や木を使って隠れることにした。
俺は隠れながら《索敵》を使い、周りに何もいないことを確認して木にもたれ掛かった。
・・・・・・・・。
・・・・・ん?
俺はいつの間にか、寝ていたようだ。
何故か体が重い…。
俺は目を擦りながら体を見る。そこには白い二人の少年少女?が俺にしがみ付くように眠っていた。
俺はよく分からず、呆けていた。
すると、少年少女が目を覚まし此方を凝視する。
すると、二人?はにっと笑い、抱きつかれた。
俺は本当に何も分からず、暫く呆けていた……