1回表:野球人生の始まり
誤字脱字があるかもしれませんが、そこらへんは勘弁して下さい。長編の予定です。
「さぁ、今や野球界史上最高のピッチャーになった神野!あと一つのアウトで完全試合達成ですっ!振りかぶって投げました!」
1990年神野信護は宮城県に生まれた。これから8年後神野信護は類い希な野球の才能を見せることになる。
「父さん、何みてるの?」
「ああ、野球中継だよ。ん?もしかして信護、野球に興味があるのか?」
信護の父、勇はとても嬉しそうに言った。 「いや、そうじゃないけど……」 「おお、そうか!信護は野球が好きになったか!」
勇は満面の笑みで言葉を続ける。
「よし、じゃあ公園にキャッチボールしに行こう」
「いや無視かよ。俺は別に好きじゃないって言ったんだけど」
そう言っている間に勇はボールとグローブを準備していた。
「って、準備早っ!マジで無視かよ!」
「行くぞー」
信護は勇に引っぱられ公園に行った。
「はぁぁ〜」
半強制的にグローブを付けられ、公園でキャッチボールをしていると、
「おっ、信護は結構肩が強いなー。それにコントロールもいい」
「えっ、マジ?」
信護はまんざらでもないようだ。
「うん、マジ。これならどこのポジションでも大丈夫だな」
勇はまだ満面の笑みを浮かべている。
「あー、こんなに上手いんならバットを持って来れば良かった」
しばらく無言でキャッチボールをしていると、意を決したように信護が口を開いた。
「…ねぇ、野球ってどこに行けば出来るの?」
さっき褒められたからか信護はやる気になったようだった。
「うーん、今の時代はクラブチームとかがあるんじゃないか?」
「ふーん、じゃあクラブチームで野球がしたい!」
「よっしゃ、それなら父さんがすごい良いチームを知ってるから、紹介してやるよ」
勇は今までずっと満面の笑みだったが、信護の返事を聞いて更に笑顔になった。
「よし、明日は日曜だから、一緒に道具を買ってクラブチームに行くか!」
「うん!」
「それじゃあ、帰ろうか。父さん久し振りだから投げ過ぎたから肩が痛い」
勇は苦笑いで肩を押さえ言った。
「えー、もっと投げたい」
「ダメ〜。父さんの肩もだが、信護の肩も壊れるぞ。それに信護はまだ先があるじゃないか。帰るぞ」
勇は道具を持って公園から出て行こうとした
「あっ、父さん待ってよ〜」
信護は急いで道具を片付けて後を追った。
後に神野信護はこう言っている。
『あの日に父が野球中継を見てなかったら、今の僕はなかったでしょうね。』
これが神野信護の野球人生の始まりである。