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1日目 北野天満宮

12:32 北野天満宮前

バス停に着いてから北西方向へ歩くこと3分。和風で雰囲気のあるお店に着いた。

看板には天満宮に因んでか、梅の紋様が描かれている。

「というわけで蕎麦をすすろう」

「あ、うどんとかもあるのね」

「蕎麦をすすろう」

「あ、丼物も…」

「蕎麦食えや」

全く…蕎麦食べに来て関係ないものを食べようとするとは、言語道断だ!

「てことでカレーうどん一つ」

「お蕎麦は!?さっきまでの圧は何だったのよ!」

「知らん。気分が変わった」

脳内で某カレーうどん狂騒曲が流れたからね、しょうがないね

さて、冗談は程々にして、結局二人とも大人しく茶蕎麦にした。

「茶蕎麦って本当に緑色なのね…」

「確かにな。味も違うんかな…」

というわけで、

「「いただきます」」

「――!コレ美味しいわね」

お茶の風味なのか分からないが、少しお茶の甘味を感じるような気がする。

何より香りがいい。蕎麦は元来、味では無く香りを楽しむ物のため、茶と相性抜群のようだ。

「…まあでも結局そんな茶葉が入っているわけでもないだろうし、やっぱり俺等は情報を食ってるんだろうな…」

「そんな風情のないこと言わないの。美味しい、それだけでいいでしょ?」

それはそう。

「さて、今のうちにこの後の予定を話すぞ」

お昼を食べたら、

北野天満宮へ参拝

 ↓

一旦今日泊まるホテルヘ行ってチェックイン(ここでしばらく凛で遊ぶ)

 ↓

夜ごはんを食べに行く。

 ↓

ホテルに戻る

「────と言う感じだ」

「今明らかに一つ余計な予定があったんだけど」

「気の所為だな」

俺にとっては大事な予定だからねしょうがないネ…

その後少しゆっくりとしてからお会計を済ませ、北野天満宮へと向かった。


13:18  北野天満宮

「よし来た天満宮」

「例によって北野天満宮の歴史解説あるの?」

「うん?いや、別に嫌なら聞かなくて良いんだよ」

「嫌ではないわよ」

ふむ、これは…

「いやーーなんか話す気無くなってきたなー」

「はよやれ」

「はい」

凛さん背後に黒いオーラ出てます…!!

「ではーーー!」

教えて!篁先生!!

「おー」

さて、北野天満宮の始まりだけど…そもそも、北野天満宮をはじめとする天満宮では天神様───即ち、菅原道真公を祀っている。

「学問の神様で有名ね」

That's right! 道真公は元々宇多天皇に重用され、その後醍醐天皇では右大臣にまで上り詰めたわけだ。

当然急な躍進は周囲からの嫉妬、反感を買い、時の権力者藤原時平らによって天皇を呪い殺そうとしているとデマを流され、結果として嵌められるような形で太宰府───今の福岡県へと左遷させられてしまった。

「今の太宰府天満宮かしら」

左遷先では衣食住もままならず、半ば餓死のように失意の内に亡くなったそうで―――

「中々エグいわね」

というわけで、ここからが本題だ。その後、目の上のたんこぶであった道真公が亡くなり、藤原家の天下が帰って来ると思われたが…

「物事はそう上手く行くものかしら?」

ま、当然上手く行くはずもなく、宮中で次々と死者がでた。

そしてその被害は藤原家だけにはとどまらず、天皇家にまで及び、果てには醍醐天皇が崩御してしまった。

事態を重く見た朝廷は天満宮を建て、道真公を学問の神様として祀ったという訳だそうで

「でもその話、続きがあるわよ」

「?そうなのか?」

「ええ、その後一条天皇の時代に道真公の神格化が進み、贈正一位左大臣、そして太政大臣の位が贈られたのよ」

「そこまでは知らなかったな…」

さて、丁度話に一区切りも着いた事だし、早速参拝しようとするか。

「篁、二礼二拍手一礼よ」

「流石にバカにし過ぎだ」

お賽銭を入れて、二礼二拍手一礼。

お願いごとは―――まあ、秘密ってことで。

「さてやってきましたおみくじタイム!」

「アンタは日頃の行いが悪いから大凶ね」

「そう言ってお前が凶だったらおもろいな」

天満宮のおみくじは金属製の六角柱の容器の中に金属の棒が入っていて、それを引いて棒に書いてある数字を神社の人に言うと、運勢等が書かれた紙が貰える仕組みだ。

「おっ、結構重いな…」

「流石金属製」

2人とも引き終わり、巫女さんに紙のおみくじ結果と引き換えてもらった。

「せーので見せ合うか」

「「せーの!!」」

結果は二人とも吉だった。

「これ、同じ内容だな」

「いっそ逆に運良いわね」

お互いに凶が出なかっただけ良いだろう。

「えーっと、良縁すでに来たれり…俺等良縁だって」

「…腐れ縁だけどね」

「まあでも、嫌いじゃないだろう?」

「……まあね」

「あっ、凛がデレた!」

「うっさい!」

先程まで曇り掛かっていた空が太陽によって明るく照らされる

「よしじゃあ行くか!今日の宿泊場所――湯の宿松栄へ」

バス停へ向かうその足取りは心なしか少し軽く、僅かだが地に映る2人の間の影の距離は先程よりも近づいていた…気がする。うん、そうに決まってる。

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