1日目 嵐山【後編】
9:37 嵯峨嵐山駅
「っしゃー!着いたぜ嵐山!」
「どことなく風情があって素敵な所ね…で、ここからどれくらい歩くの?」
えっと、さっき見たのだと…
「大体10分くらいかな。道案内は――オレニマカセロ-」
「超不安なんだけど…」
9:57 嵐山周辺?
「……」
「……」
「「……」」
「篁…もしかして迷った?」
「…ごめん」
「――篁はやっぱり変なところで抜けてるんだから。ほら、ちょっと待って…とりあえず渡月橋周辺への行き方探すから」
「…ありがとう」
…面目ない
10:03 渡月橋前
「ようやく着いたわね」
「本当に悪かった」
「気にしなくていいわよ。事前準備任せっきりにしちゃってたし。何よりもう過ぎた話じゃないの」
「でも…」
凛がズンとこっちに来て頬を両手で掴んで引っ張り始めた
「ほら笑えーーー」
「いひゃい、いひゃい凛」
「旅は道連れっていうでしょ?ほら、早く行くわよ」
「…では気を取り直して渡月橋を渡ろうか」
「そうね!……ってあれ?思ってたより…」
…とうとう気づいてしまったか
「川、工事中?」
そう、そうなのだ。橋の下を通っている川こは重機が動いていて、せっかくの景観が壊れてしまっている。
「今は、川の氾濫防止のために工事をしているらしくてね…」
どことなく申し訳なく思って何か言おうとすると、
「まあ、残念だけど、またいっしょに来ましょ?」
楽しそうに笑う彼女の姿を見て、少し心が和んだ。
「それもそうだな。じゃ、次はお土産でも買うか」
10:15 渡月橋付近 嵐山商店街
「結構色々あるな…」
商店街を2人でお土産を探しながら練り歩く。
「お、狐の面あるぞ!コレつけて歩いたらお手軽不審者キットに…」
「捕まるからやめなさい」
それはそれとしてお面は買った。…狐の面ってカッコよくない?まあ、俺ほどのイケメンにもなるとむしろデバフ―――
「何ブツブツ呟いてるの?」
「いや俺イケメンだなって」
「キショ」
「泣いた」
しばらく歩いてると『おちゃのこさいさい』というお店を見つけた。
店頭には"京ら一油ふりかけ"なる物が売っていて、どうやらこの店の売れ筋のようだ。
「篁、これ辛いのかしら?」
「うーん、どうなんだろうな…」
と2人で話していると、店員さんが「辛くないですよー」と言って試食をさせてくれた。
「あれ!?こんなに真っ赤で辛そうなのに、全然辛くない…」
「ネギの風味も中々いいアクセントになっているね」
これは───
「「買いだな」ですね」
という訳であまりの美味しさに2袋程購入してしまったぜ…やるな…
その後も八ッ橋を買ったりして、嵯峨嵐山駅へと戻った。
12:17 嵯峨嵐山駅
「それで次はどこに行くの?」
「そろそろ小腹も空いてきた頃だろ?」
「まあ、そうね」
「そこで、次に行く場所は北野天満宮なんだが、その周辺で美味しそうなお蕎麦屋さんを見つけたから、そこで食べた後お参りしようと思っているのだけど…どうだ?」
蕎麦ってなんかこう、京都っぽいし
「良いわね、京都っぽいし」
「結構浅い考えな気もするけどな」
「旅行で食べるものなんてそんなもんでしょ」
「それもそうだな」
「にしても天満宮…おみくじとか引きたいわね」
「おっ、凛は初詣とかでおみくじを引くタイプ?」
引いちゃう引いちゃう?と煽るような口調で近づくとまたスネを蹴られた。
「やっぱりせっかくだしね」
「ミーハーだね」
「うるさいわね…そういうあんたは?」
「無論引くぞ」
「ミーハーね」
「世間一般の感性と言ってくれ」
「自分だけ逃げようとすんな」
12:23 円町駅
嵯峨野線に乗って早6分、円町駅へとついた。
「嵐山行く際に使った時も思ったんだけど、嵯峨野線の電車の本数少ないな…」
先の電車に乗り遅れていたら、次は15分程度待たないといけなかった…
あ、帰りは最初から凛に道案内は任せたよ。我、方向音痴ぞ?舐めんな
「ここはまだマシな方なんじゃない?田舎の方だと、1~2時間おきとかもザラにあるらしいし」
「乗り損ねたりしたら一巻の終わりだな…」
通勤や通学だったら遅刻間違いなしだ。
「降りてからって、天満宮まで徒歩なの?」
「いや、さすがにちょっと遠いからバスを使う。というわけでバス停まで歩こうか」
12:26 西ノ京円町
駅から歩いて3分ほどの所にそこそこ新しめのバス停があった。
現在バスがどの位置にいるのか分かる電光掲示板や、京都市のフリーwifiのアンテナも置いてあったりして、中々どうしてハイテクじゃないか。
「さすがに京都は観光客が多いだけあってバス停も整備されてんな…」
「有名な観光地でも電車で行けない場所もかなりあるからかしらね…」
バスの本数もそこそこあり、程なくしてバスが来た。
「所で篁、お昼ってどこで食べるの?お蕎麦か食べられるとは聞いたけど」
「ああ、そういえば言ってなかったけな。『田舎亭』っていうお店だ」
この話で登場したお店「おちゃのこさいさい」と”京ら一油ふりかけ”は実際に売ってます。激旨なので皆さんも是非お買い求めください。(案件ではないよ)




