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3話 能力者 森倉健太 (16)



 翌日の早朝、俺は森の中にいる。

なぜかって?それは今から化物を倒すためだ。


 昨日のあの後、アイリがもろもろ教えてくれた。


 一つ目、能力ってのは一度モンスターを自分で殺すと手に入る。


 二つ目、残基はポイントで買える。たしか100点で10個だってさ。


 三つ目、あの髪が白い子はめちゃくちゃヤバイやつで、アイリ達を何回か殺してる。

この町には最初から居たみたい。



 そんなこんなで俺は今大きなフォークみたいな農具を握りしめて、彼女たちの合図を待ってる。


 でも、いちいちこんな危険なことしてる理由がある。それは昨夜のあのあとのこと…





9時間前……




 「以上が今私たちが置かれている現状よ」


 「まじか」



 突然、仲間の1人が俺の背中を指差して言った。


 「なあそれなに?」


 

   ペラ


 人の形をした白い紙が背から剥がれた。


 何だ?と思い拾うと、それはピクピクと振動していた。


 それを見たアイリは顔を真っ青になって、


 「拠点がバレたわ」


 「なんだって!?」 「うそ!?」


 え……というは?どういうことだ?……


 バレる→白髪女が来る→皆殺し


 「あッ…………!?ご、ごめん!!」



 アイリが紙を取ってビリビリに破ると、


 「いいわ、いつかはこうなっていた。……やつを倒すわよ……作戦がある」






 現在に戻る……


 というわけで俺の失態でこうなったわけ




 「健太!!そっち行った!!」



 俺は木の裏に隠れ、やってきたモンスターを横から刺した。この時思わず目をつぶってしまう。



  グサ


 「や、…やったか?」


 ゆっくり目を開けて見る


 「よけて!!」


 「え?」



 その瞬間、俺の頭は大きな手と爪で潰された。



 





 「ハッ!!??」



 

 気がつくと俺は地面で寝ていた。足元には仲間達が止めを刺したモンスター



 「い……今、あ、顔が」


 しきりに頭を触って変形していないか確認している。


 今死んだ?確かに感じた。脳みそが外に出るのを、言葉にならないほどの激痛と共にどろどろした風呂のお湯が頭皮を撫でる感覚。


 逆流しそうになった胃酸を押し戻し、生き返ったことを実感した。


 「大丈夫か」


 気がついた1人が声をかけてくれた。


 「うん……たぶん」



 「はじめて死んだときは軽くパニックになるよな」


 


 すると、木々の奥の方から「もう一匹いたぞー!!」と呼ぶ声が。


 


 今度は失敗しないと意気込んで、落ちていた武器を拾った。



 未だ信じることはできないが、俺は一度死んで生き返ってるんだ。だから捨て身覚悟でやってやる。



 呼ばれた方に行ってみると、そこにはまるでビッキフットのようなモンスターがいた。



 仲間が異能で足止めして、アイリが猟銃で肩を撃った。



 しかし、怪物は怯みもせず周りの人間をなぎ払い、彼女に襲いかかった。



 「グサ」



 俺はモンスターの首もとに飛びかかり、確実に息の根を止めるように武器を深く突き刺した。



 「ゴポゴポご……ご」



 怪物は血の泡を吹き出して悶え、少しして動かなくなった。アイリはギリギリ無事だったらしい。




 「あんた……その動き、いきなりどうしたの……」


 「いや、君危なかったし」


 「はあ…まあありがとう」


 


 

 すると突然ポンと貰ったケータイから通知の音が聞こえた。


 何だと思い電源を点けると、



 森倉健太 圧縮 5P 9L



 5ポイント……あ!!前まで能力無しだったところが……あ?圧縮?に、なってる。

残基も1減ってるし。これが0になったらまじのがちで死ぬのかな?



 「能力出た?」


 気になったアイリが聞いてきた。



 「うん……圧縮だって、圧縮ってなに?」


 これが俺の超能力?何ができるんだ?



 「あ?おいおまえ武器はどうした」


 仲間の1人が俺に言った。



 「え?もらったやつならずっと握って……」



 あると思っていた手のひらには、あのフォークのような農具ではなく、小さく光ったまるで点のようなものだった。



 「何だこれ……」



 すると光が消えて、その点が急激に大きくなり、元の武器の姿に戻った。



 「は?え?」



 重さも元通り、大きさも元通り、……点……圧縮……


 これが俺の?力なのか?

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