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2話 遭難者 森倉健太(16)



 俺は急いで彼女たちを追いかけた。映画館の出口をバンッと開くと、




 そこには、壊された猟銃と、あの撃った少女の生首を持つさっきまで映画を一緒に観ていた少女がいた。




 「ッ!?…………?、??!!」




 声にならない悲鳴が出た。あまりの恐怖で動けない。




 彼女の視線がこちらに向いた。途端、あの可愛らしい笑顔になった。血でびしょびしょの顔で、




 「今日はいっぱい遊んだね!私はつかれちゃったからもう帰るね!


 また、 明日、 案内してあげる」




 彼女は生首を放り捨ててどこかに行ってしまった。




 俺はもう一度死体を覗いた。



 「は、はは……作り物だよね……」



 腰が抜けてしばらく動けなかった。





 気がつくと辺りは暗くなってきた。気付かないうちに夕方になったのだ。



 これまで何時間もいたのに、あの少女たち以外に人はいなかった。



 こうなったらどこかの家に上がらせて貰おう。



 古い民家に辿り着いた。インターホンを押しても反応はない。「すみませーん!!」と昭和なドアをガシャンガシャンたたく。



 いくらたたいても人は出ない。



 「んだよー」



 そして、何件訪ねても結果は同じだった。




 「もう……どこかで、休もう」




 足も心もヘトヘトだ。木々に不法投棄されたであろうブルーシートを見つけて、体を包んだ。



 このまま寝てしまおうか……と思ったとき。



 「あなた、大丈夫だった?」




 あの時殺された猟銃の少女だった。



 「え、うそ……あ、そうか、やっぱり作り物だったんだ」



 

 「あなた名前は?」



 「……健太です。」



 「私はアイリ、水いる?」



 彼女はリュックから水のペットボトルを差し出した。



 そういえば今日一滴も飲んでいないことを思い出したと同時に、のどの乾きがものすごいことになりら俺は奪うようにして水を飲んだ。



 「もしかして、目が覚めたらここにいた?」



 俺はペットボトルを口にくわえながらうなずいた。



 「そうなのね……ねぇ、今から言うことはとても信じられないと思うけど事実なの……いい?」



 「な、なんですか?」



 「ここは別世界、私たちがもともといたところとは全く違う所なの、帰る方法も……今のところ無いわ」



 え?は?え?なにを?



 物理的に頭を抱えた。



 「理解ができないのも分かるわ、だけどこうしてる暇もない。急いで安全なところへ、ここはモンスターが出るわ」



 「は?モンスター?」



 「そう、モンスター」




 すると、がさ…がさ…と何かの足音がした。



 「噂をすればね、伏せといて」




 少女は猟銃を構えた。その先には、顔がドクロのような巨大なテナガザルが。




 「ア,イウ、エエエエエ……………… …お」




 突然!!テナガザルが少女に向かった!!

しかし、少女は冷静に猟銃でやつの頭部に発砲した。



 パァン!



 モンスターは静かに倒れた。



 少女はそれを小さくなるように関節を折り畳み、大きな袋に入れた。



 「ついてきて、近くに私の拠点がある」



 アイリはビール瓶のケースや段ボール、ごみ袋がごちゃごちゃ散乱した狭い道に行くと、まるで廃墟のような家についた。



 「アイツはこういった汚いところには近づいてこないの。だから隠れるにはうってつけよ」



 「あいつって?」



 「見たでしょ、あの白髪の女」



 あの子か……



 「さ 入って、仲間が待ってる」



 仲間?



 戸を開けても真っ暗、人がいるような感じはしなかった。アイリは中に入って、床下に扉があるところで止まった。



 「ここよ」



 開けると光が漏れてきた。



 ガタ



 中は地下室のようになっていて、沢山の缶詰や干物が置かれていた。そして人が4人いる。いずれも少年や少女だった。



 「アイリ、その人は?」



 仲間であろう1人が俺に気付いたようだ。



 「彼も気がついたらここにいたみたい」



 「どうも、健太です。」



 「裸足じゃないか!?大丈夫だったのか?」



 ありがたいことに、住人は「サイズが合えばだけど……」と言って、奥から古びた運動靴を俺にくれた。



 

 すると、アイリは背負っていた黒い袋を仲間の前に出した。



 たしかそれはあのモンスターの死骸が入ってる……

あ、袋の口から手が飛び出してる


 彼女はポケットからスマホを取り出して一度電源を入れてからすぐに消した。


 「ポイントが1しか入ってなかった。レベル1ね」


 ポイント……?



 「まあでも、残基は20あるんでしょ。いいじゃないか」


 ?……話についていけてないな


 「いいえ、さっき一つ減ったわ」



 


 仲間達は驚いた顔で彼女を見た。



 「減ったって……あの女にやられたのか?」



 アイリが頷くとみんな「あー」と同情と落胆が混ざった反応をした。



 「やっぱり死ぬのって痛いわね」



 死んだ……?


 アイリは首もとをさすっている。さっきまで暗くて分からなかったが、彼女の首に血が真っ直ぐ、まるで切断されたあとのようについていた。


 


 俺は理解していないというか、それを拒んでいた。死んで復活?意味が分からない。



 「あ、あの……いったい何の話をして……」



 「さっき別世界って言ったわよね」



 「はい……」



 「この世界は……何て言うのかしら……おかしなことになってて……まるでー…」




 「ゲームみたいになっているんだ」



 仲間の男が割って入った。



 「ゲーム……?」



 「君はここに来てから一度スマホや固定電話を使ったかい?」



 「……固定電話を一回」



 「その時変なこと言われたでしょ」



 確か、俺の名前と……無能?的なことを言われた。



 「はい確か」



 「一度これ点けてみて」



 アイリはそう言ってスマホをこちらに渡した。



 俺はいつも通り電源ボタンを入れた。……しかし、画面はいつも通りではなかった。




 真っ青な画面、まるでブルースクリーンのような、そこに、



 森倉健太 能力無し 0P 10L



 と小さい文字で書かれていた。



 「わぁ!!??何だこれ!?壊しちゃった!?」



 しばらくすると、元のスマホに戻ってパスワードを入力する画面に、



 「あ、!?……え?えぇ?直った?」



 アイリは画面が戻ったことを確認して、スマホを回収した。



 「文字が出たり音が出る電子機器はすべて、電源を入れた人間の情報を映すの。まあ、分かるのは名前と能力……ポイントと残基」



 「あ、あの!残基とかポイントとかもう分かんないんですけど」



 アイリは一度ゆっくりまばたきをして言った。



 「さっきのモンスター、ああいったものを倒すと何点か入るわ、それは強さによって変わるみたい。」



 モンスターの入った袋の方をチラリと見る。



 「それと残基のほうは、ゲームとかでよくある残基、そのまんまの意味よ。」



 ゲーム…?残基?マリオとかの?



 「あれはホントに命の数なの……どれだけ死んでもいいか……あそこの二人はもう五度は死んでるわ」



 二人は肩をすくめた。



 「それと、能力……これが一番大事ね……」



 彼女はスマホの電源を自分で入れて俺に見せる



 吉田愛理 治癒 53P 19L



 スマホにはそう映った。俺は急いで彼女たちを追いかけた。映画館の出口をバンッと開くと、




 そこには、壊された猟銃と、あの撃った少女の生首を持つさっきまで映画を一緒に観ていた少女がいた。




 「ッ!?…………?、??!!」




 声にならない悲鳴が出た。あまりの恐怖で動けない。




 彼女の視線がこちらに向いた。途端、あの可愛らしい笑顔になった。血でびしょびしょの顔で、




 「今日はいっぱい遊んだね!私はつかれちゃったからもう帰るね!


 また、 明日、 案内してあげる」




 彼女は生首を放り捨ててどこかに行ってしまった。




 俺はもう一度死体を覗いた。



 「は、はは……作り物だよね……」



 腰が抜けてしばらく動けなかった。





 気がつくと辺りは暗くなってきた。気付かないうちに夕方になったのだ。



 これまで何時間もいたのに、あの少女たち以外に人はいなかった。



 こうなったらどこかの家に上がらせて貰おう。



 古い民家に辿り着いた。インターホンを押しても反応はない。「すみませーん!!」と昭和なドアをガシャンガシャンたたく。



 いくらたたいても人は出ない。



 「んだよー」



 そして、何件訪ねても結果は同じだった。




 「もう……どこかで、休もう」




 足も心もヘトヘトだ。木々に不法投棄されたであろうブルーシートを見つけて、体を包んだ。



 このまま寝てしまおうか……と思ったとき。



 「あなた、大丈夫だった?」




 あの時殺された猟銃の少女だった。



 「え、うそ……あ、そうか、やっぱり作り物だったんだ」



 

 「あなた名前は?」



 「……健太です。」



 「私はアイリ、水いる?」



 彼女はリュックから水のペットボトルを差し出した。



 そういえば今日一滴も飲んでいないことを思い出したと同時に、のどの乾きがものすごいことになりら俺は奪うようにして水を飲んだ。



 「もしかして、目が覚めたらここにいた?」



 俺はペットボトルを口にくわえながらうなずいた。



 「そうなのね……ねぇ、今から言うことはとても信じられないと思うけど事実なの……いい?」



 「な、なんですか?」



 「ここは別世界、私たちがもともといたところとは全く違う所なの、帰る方法も……今のところ無いわ」



 え?は?え?なにを?



 物理的に頭を抱えた。



 「理解ができないのも分かるわ、だけどこうしてる暇もない。急いで安全なところへ、ここはモンスターが出るわ」



 「は?モンスター?」



 「そう、モンスター」




 すると、がさ…がさ…と何かの足音がした。



 「噂をすればね、伏せといて」




 少女は猟銃を構えた。その先には、顔がドクロのような巨大なテナガザルが。




 「ア,イウ、エエエエエ……………… …お」




 突然!!テナガザルが少女に向かった!!

しかし、少女は冷静に猟銃でやつの頭部に発砲した。



 パァン!



 モンスターは静かに倒れた。



 少女はそれを小さくなるように関節を折り畳み、大きな袋に入れた。



 「ついてきて、近くに私の拠点がある」



 アイリはビール瓶のケースや段ボール、ごみ袋がごちゃごちゃ散乱した狭い道に行くと、まるで廃墟のような家についた。



 「アイツはこういった汚いところには近づいてこないの。だから隠れるにはうってつけよ」



 「あいつって?」



 「見たでしょ、あの白髪の女」



 あの子か……



 「さ 入って、仲間が待ってる」



 仲間?



 戸を開けても真っ暗、人がいるような感じはしなかった。アイリは中に入って、床下に扉があるところで止まった。



 「ここよ」



 開けると光が漏れてきた。



 ガタ



 中は地下室のようになっていて、沢山の缶詰や干物が置かれていた。そして人が4人いる。いずれも少年や少女だった。



 「アイリ、その人は?」



 仲間であろう1人が俺に気付いたようだ。



 「彼も気がついたらここにいたみたい」



 「どうも、健太です。」



 「裸足じゃないか!?大丈夫だったのか?」



 ありがたいことに、住人は「サイズが合えばだけど……」と言って、奥から古びた運動靴を俺にくれた。



 

 すると、アイリは背負っていた黒い袋を仲間の前に出した。



 たしかそれはあのモンスターの死骸が入ってる……

あ、袋の口から手が飛び出してる


 彼女はポケットからスマホを取り出して一度電源を入れてからすぐに消した。


 「ポイントが1しか入ってなかった。レベル1ね」


 ポイント……?



 「まあでも、残基は20あるんでしょ。いいじゃないか」


 ?……話についていけてないな


 「いいえ、さっき一つ減ったわ」



 


 仲間達は驚いた顔で彼女を見た。



 「減ったって……あの女にやられたのか?」



 アイリが頷くとみんな「あー」と同情と落胆が混ざった反応をした。



 「やっぱり死ぬのって痛いわね」



 死んだ……?


 アイリは首もとをさすっている。さっきまで暗くて分からなかったが、彼女の首に血が真っ直ぐ、まるで切断されたあとのようについていた。


 


 俺は理解していないというか、それを拒んでいた。死んで復活?意味が分からない。



 「あ、あの……いったい何の話をして……」



 「さっき別世界って言ったわよね」



 「はい……」



 「この世界は……何て言うのかしら……おかしなことになってて……まるでー…」




 「ゲームみたいになっているんだ」



 仲間の男が割って入った。



 「ゲーム……?」



 「君はここに来てから一度スマホや固定電話を使ったかい?」



 「……固定電話を一回」



 「その時変なこと言われたでしょ」



 確か、俺の名前と……無能?的なことを言われた。



 「はい確か」



 「一度これ点けてみて」



 アイリはそう言ってスマホをこちらに渡した。



 俺はいつも通り電源ボタンを入れた。……しかし、画面はいつも通りではなかった。




 真っ青な画面、まるでブルースクリーンのような、そこに、



 森倉健太 能力無し 0P 10L



 と小さい文字で書かれていた。



 「わぁ!!??何だこれ!?壊しちゃった!?」



 しばらくすると、元のスマホに戻ってパスワードを入力する画面に、



 「あ、!?……え?えぇ?直った?」



 アイリは画面が戻ったことを確認して、スマホを回収した。



 「文字が出たり音が出る電子機器はすべて、電源を入れた人間の情報を映すの。まあ、分かるのは名前と能力……ポイントと残基」



 「あ、あの!残基とかポイントとかもう分かんないんですけど」



 アイリは一度ゆっくりまばたきをして言った。



 「さっきのモンスター、ああいったものを倒すと何点か入るわ、それは強さによって変わるみたい。」



 モンスターの入った袋の方をチラリと見る。



 「それと残基のほうは、ゲームとかでよくある残基、そのまんまの意味よ。」



 ゲーム…?残基?マリオとかの?



 「あれはホントに命の数なの……どれだけ死んでもいいか……あそこの二人はもう五度は死んでるわ」



 二人は肩をすくめた。



 「それと、能力……これが一番大事ね……」



 彼女はスマホの電源を自分で入れて俺に見せる



 吉田愛理 治癒 53P 19L



 スマホにはそう映った。

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