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1話 はじめまして異世界


 朝日が顔に降り注いで目を開いた。

じめじめとした枯れ葉とぼこぼこ飛び出した木の根っこ、


 はっ!?  と、眠りから覚めるとそこは森だった。





 「あれ……ここはどこなんだ……夢…?」




 朝の冷気と周りの景色の鮮明さは確実に夢ではなかった。



 ふと自分の格好を見てみると、昨日寝巻きがわりに着た白シャツと黒い半ズボン。


 テレビのドッキリ?誘拐?


 「テレビは流石にこんなことしないだろ、俺は一般人だ……誘拐にしても何でこんなところに?手足に何も縛られていないし……」



 寝ている間に寝ぼけてここまで来たことにして、とりあえず森を出ることにした。



 「痛ッ……裸足じゃん……」



 足元に気を付けながら開けた方に向かって行った。するとすんなりと十分程で小さい町に辿り着いた。



 町は山に囲まれたドがつくほどの田舎だった。



 「まずはここかどこかだなー」



 歩いてこれたなら歩いて帰れるはず。

聞いた方が早いだろうから人を探しながら辺りをうろつく。



 関係ないが、なんだかいつもより暖かい朝だ。これが春の訪れかな




 





 もう2時間はたっただろう、人影が全くない。この町で一番大きいであろう道路に立って待ってても車が一台も通らないし。




 「過疎化ッ………現代の社会問題……」




 明らかに異常だ、気持ちが悪い。



 次は公衆電話を使うことにした。といっても財布どころか持ち物が無いので、自販機の下からなんとか10円を見つけ出した。


 古びた公衆電話で親の電話に繋げた。例えこれに気付かなくても、後で俺が家にいないことには気付いてくれるだろう。



 「確か受話器を取って」


  ガチャ


     ツー


 「ツーって音の後にお金を入れて番号をー…



 「森倉健太 能ry


 ガチャ!!



 急いで受話器を戻した、いきなり自分の名前を呼ばれて驚いたのだ。



 「な……なに!?……気のせい?」



 もう一度受話器を手にとって耳に当てた。



 ツー



 「森倉健太 能力無し ポイント0」


 ツー


 気のせいではない、自分の名前が流れた。やはりテレビはドッキリか?ていうか能力無しってバカにされた?



 「と、とりあえず母ちゃんに電話を」



 「お掛けになった電話番号はー……」



 嘘だろ!?番号変えたのか!?家族に言わずに!?



 


 はあ~とため息をついた。そのとき、どこかから視線を感じた。



 振り返ると黒い影のようなものが建物の窓で動いた気がした。



 「人……?」



 じっとその窓を観察した。すると、




 「ねえ、あなた名前は?」



 驚いた!背後から突然女の子が話しかけてきた。



 「…ッ!?……あ、森倉健太です。」

 


 女の子の歳は俺と同じか少し年下くらいか?全体的に白い、髪も白い。


 彼女はまるで人に向けていいようなものではない冷たすぎる目だ。



 「健太くんって言うんだね!ようこそ私の街へ!案内してあげる!」


 いきなり別人になったようなかわいらしい笑顔になった。


 何なんだこの子……


 とりあえず案内してくれるらしいし、ついていってみるか。




 「まずは~……ここ!図書館!!」



 「図書館?……めっちゃ草木が…」



 「私が植物園に改造したんだ~このサボテンとかかわいくない!?」



 「おお、でか。本がカピカピ……ねぇ、この町ってー…」



 「じゃあ次は!」



 あ、遮られた。



 「ここ!この町唯一の店~」



 イオンだ、しかも色褪せた。



 「看板がジャスコのままだ……ん?なんか牧場と同じ臭いがする」


 「私が動物も付け足したんだ!ショッピングと動物園の複合施設だよ!」



 「おー!ニワトリと羊いっぱいだ。……あのこの町ってどー…」



 「次は私一番のお気に入り!」



 また聞けなかった……



 「最後はここ!映画館!!」



 この町の規模にしては大きめ?少しレトロみがある。



 「じゃあなに見る?色々あるよ!私のおすすめはー……これ!ワンピースZ!」



 彼女は壁にかけられたチラシに指差した。

なんだか好みが少し古くない?



 中に入って先に席に座らされた。

彼女は映写室に入ってフィルムをはめ込んでいる。


 勝手にいいのか?お金も払ってないけど、ダメだよな。店員も居なかったし、



 しばらくすると画面が点滅して映画が始まり、後から彼女は俺の隣に座った。

 


 

 映画が流れている



 それにしても言われるがままだったな……しかし、悪い気はしない。なぜならこの子は可愛いからだ。所々怖いけど、足の痛みを忘れるぐらいには楽しかった。そういえば俺いま裸足だった。



 こんなことがあるなんて……やはりこれは夢か?いや、この場合テレビだろうな……恋愛経験無しの男子高校生に突然美少女が訪れたら的な……。



 いまあの子は映画に夢中だ、この状況なら質問が遮られないな



 「ねえ、この町って何市?」


 映画を見ながら答えた。


 「ん?どういうこと?」


 「いや、俺どうやら迷ってるらしくて、家に帰りたいんだ。青森市ってどこの方向かな?」



 


 



   「は?」




 顔がこちらを向いた、映画が止まる、音聞こえない、

彼女ははじめてあった時の目に戻って俺の首に触れた。



 前言撤回する、可愛くない!怖い!!なぜだか分からないが喉仏に刃物を当てられてる感覚がする。



 

 「ここは私の街だよ、それ以外いる?」





 何も答えられない、それ程の圧がある。




 「い、いや……あー…」



 すると、どこからか



 「動かないで!!」



 猟銃を持った少女が立っている、



  俺を押さえていた彼女に向かってパァンと音を出して撃った。




 しかし、飛ばした玉は突如出現した謎の白くて薄い塊によって防がれていた。




 「くッ……」



 猟銃の少女は上映室を出ていった。



 「あーあ、サイテー」



 彼女は首根っこを掴んで俺を突き飛ばし、猟銃少女を追いかけた。



 いま……何が起こった?銃を……?しかもあれって、あの白いやつって……



 俺はいま人が人に銃を撃ったことも、正体不明の現象が起こったことも理解ができなかった。







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