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日々は過ぎゆき 今日もまた 老いた私は 移ろいの中で 命を静かに 紡いでいくだけ

作者: 舜風人


音もなく


日々が過ぎ去ってゆく


今は猛暑の夏だけど


ついこの間までは


麗らかな春だったというのに




気が付けばそんな日々も既に過ぎ去り




今は猛暑の夏真っ盛りだとは


季節の移ろいは


いつだって


老い果てた私を置き去りにして


このように過ぎ去ってゆくんだなあ




まるで私などいなかったかのように




わたしのことなど意に介せずに




どんどん季節は過ぎ去ってゆくんだよなあ




それが季節の循環だから




それが季節の動きなのだから




私など、無視して


季節はめぐってゆくんだよなあ




それにしても


どれだけの季節が私の傍らを過ぎ去っていったんだろうか?




70年以上の歳月が過ぎ去っていったという事実に




私自身が驚くしかないんだよなあ。




そんなに年月が過ぎ去ったのか




そうして


改めて自分を見つめてみれば


老い果てた自分の姿があるばかりなのだ。




こうして人は老いてゆき


こうして衰えてゆくのだろう




そうしてある日




神様がそっと




お前の耳元に




「もういいよ」っていうまでは




この老いを生きてゆくしかないんだろうな。




季節は巡る




今は猛暑であってもそれが永続するわけもなく


やがて寒い冬が来るだろう




そしてやがて冬は去り


春が巡ってくる




その循環が季節だから




その循環が年月だから




そういう年月を


老いとともに生きて




神の御意のままに


生かされて老いを生きてゆくんだろうな




それが人生だから




それが老後人生なのだから




たのしみ?


よろこび?




老い果ての私に


これといってそんなものはないけれど




まあ


日々が平穏で


まずまず健康ならば




それが喜びであるのだろうな




老人で入院して病気療養中の人だって多いからなあ




とりあえず、健康ならそれで上出来だろうね。




あとは日々が平穏に過ぎ去ってくれさえしたら


なにも不満はないはずだろう、




食べて


寝て


起きて


生かされて


季節が巡って


夏が過ぎ


秋が来て冬となる




そうしてまた春が巡りくる




その循環が




人生そのものだからなあ




その人生を老いとともに生かされて


生きてゆく




そう




ある日




神様が


耳元で




「もういいよ」っていうまでは。




それが人生




それが老後人生なのだから。




おもえば長かったような


短かったような


70年以上の歳月


過ぎてしまえばまさにあっという間の出来事だったよなあ




生まれ

育って


学んで


故郷を旅立って大都会へ


さらに各地をさまよって


それから様々な出来事があって


そうしてある日


気が付いたら70年以上の年月が過ぎ去っていた。




人生ってなんてあっけないんだろう。




そう思わざるを得ないほどあっけなく過ぎ去った70年以上という年月




故郷を出てからこんなに遠くまで来てしまった。




後悔があるかって




いまさら後悔なんかしてもどうにもならないだろ




いまを良いとするしかないよね。




結局人生って何だったんだろう




夢だったのか


現実だったのか


過ぎ去ってしまえばすべて夢のようだけどね




故郷ははるかに遠いし




時代はどんどん過ぎ去ってゆくばかり




老いた私など置き去りにしてね




せめて日々がうららかであることだけを祈りつつ




老いた自分の命を今日も又紡ぐだけ




季節に身を任せて




風に身を任せて




穏やかに命の日々を




紡いでゆくだけ




ある日




神様が




耳もとで




「もういいよ」っていうまでは。


なぜなら


それが人生だから


それが


老後人生なのだから










































































































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