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放課後

「今日のメインはラクテートトーラレンスだ。厳しい練習が続いていて疲労も溜まっているとは思うが、一本目から全力で飛ばしていけるようにアップとその後のATのメニューを上手に利用して欲しい。強度の高い練習になるのでダウンメニューの距離はかなり長くなっている。丁寧にこなして欲しい。詳細は配ってあるメニューの通りなので各自で確認してくれ」

 二十人ほどの集団の中心にいるのは紀和である。

「それと、今日からマネージャーとして練習に参加してもらう月城あかねさんだ」

 やっとこさデビュー。

「月城あかねだ」

 ツンとしている。

「ねー、ねー、可愛いでしょ、でしょー」

 バカがバカ騒ぎしている。

「・・・・・・全くですね」

 男前は何かボソボソ言ってはいるが良く聞こえない。

「・・・・・・」

 先見はツッコミを入れようとした。が、何も思いつかなかった。

 神々しい大物臭がぷんぷん臭う、性格はきつそうだけど仕事っぷりは優秀らしいともっぱらの噂の女の子を前にワイワイしている。特にバカは、既に昼に顔を合わせていると言うのに、更にテンションが高いから手がつけられない。

「練習を始める」

 紀和の一声でビシッと切り替え・・・・・・が出来るわけではないけれども、何だかんだでコース台の上に立ち、時間通りに練習が始まる。


 ウォーミングアップはそれぞれ比較的自由にこなしている。丁寧にフォームの確認をしながら泳ぎを仕上げている者もいれば、アップとは思えないハイペースで体を動かし、脈を上げて調子を整える者もいる。先見を始めとする朝から晩まで練習付けのハードワーカーは一日で三回目の練習ともなれば仕上がりも早いので、少し遊ばせるような泳ぎ方で余裕を持ってこなしている。尤も、最も練習量の多い紀和はいつもと一切変わらず黙々と泳いでいる。

 その後はキック(腕を使わずにキックだけで泳ぐ練習。しばしばビート板を用いる)、プル(キックを使わずに腕のストロークだけで泳ぐ練習。下半身が沈まないようにブイを足に挟むことが多い)、ドリル(正しいフォームを身につけることに特化した部分練習。片手で泳いだりするなど種目やそれぞれの泳ぎの特徴にあわせて色々なバリエーションがある)と言ったメニューが続く。キックやプルは今日のメニューの方針から、筋力トレーニングと言うよりは部分的な刺激を与えて泳ぎを調えると言った性質が強いもので、余裕を持ってこなせるサークルを丁寧にこなしつつ、所々に短い距離のダッシュをするようなものだった。尤も、最も頭の悪いボインは波風立てて元気に全力でバシャバシャしている。

 また、アップが終わったあたりからマネージャーはタイムを計る仕事が始まる。より早く泳げるように目標を決めて泳いだり、感覚とタイムのギャップを調整したり、練習強度を調節したりと、タイム一つがあるだけで練習の質は格段に上昇する。人によっては計ってもらっている、誰かに見られていると言うことそのものがパフォーマンスの向上につながることもあるくらいだ。月城は両手に二つずつ四つのストップウォッチを持ち複数のコースを平行して捌いている。経験をつんだものでなければなかなかできる芸当ではない。尤も、最も優秀な、と言うより一人しかいない、マネージャーの月城はただ計るだけではなく泳ぎのチェックや平均タイムなど、それぞれの選手の解析までも平行して行っていてなお余裕の表情だ。

 

 一連のメニューが終わると一先ずプールサイドに集まり、体を冷やさないように各自がジャージを着て待っている。メインメニューはコース台からの飛び込みでスタートし、全力全開で泳ぐことを、十分長いサークルで数本繰り返すメニューである。特にメニューの後半では疲労物質が大きく溜まり、体が動かなくなるとても強度の高い練習で、一週間のメニューの中でも数回しか行わないものである。このトレーニングでは乳酸が多く作られることから耐乳酸とも呼ばれている。

「二コース計ってくれ」

 紀和が月城にお願いします。メニューの性格上より正確なタイムが要求されるため、あまり同時に沢山のコースは計れません。

「何コースでもかまわん」

 頼もしいね。

「・・・・・・手の空いているものはタイムを計るのを手伝って欲しい。必ずタッチを真上から垂直に見下ろす形で計測するように」

 正確なタイムが必要な時は必ず守りましょう。

「一組五人から六人の四組に分かれる。種目ごとにタイムの近い者と隣で泳げるように分かれて欲しい」

 隣の奴には負けられんね。

「あたしひーちゃんと一緒」

 チーム内では紀和の平泳ぎと比較的タイムが近いのは宝院のバタフライだ。しかし、宝院の方がかなり速い。そもそも男子の平泳ぎよりも女子のバタフライの方が若干速く、また、スイマーとしての実力は宝院が紀和を上回るチームのエースだ。バカの癖にどうしてか実力は本物だ。

「そうだな」

 全体に指示を出し終えた紀和は集中力を高めていく。返事をしてはいるものの気持ちは別のところにあるようだ。まあ、バカの相手なら普段からコレくらいで丁度いいじゃないかな。

「一分後の(プールにあるクロックの)上から」

 そう言うと、紀和は軽くジャンプし、手首足首をフラフラさせ、肩と背中の筋肉を大きく動かすと、数回空中で泳ぎのストロークを作ってイメージを作り、ゆっくり大きく息を吸った後に素早く吐き出す。既に練習前にストレッチは入念に行われていて、十分なウォーミングアップを行ったため、今更特別な効果が期待できるわけではない。この一連の動作は彼にとってのルーティーンであるのだ。すなわち、レース前など最高のパフォーマンスを要求される場面で毎回決まって行っている動作であって、これを切っ掛けに、いついかなる時でも全身全霊余すことなく目の前のレースに集中しきったマジでやったるぜな精神状態を呼び起こすための動作である。


 つまり、今の紀和は本気の本気だ。


 ガラッと雰囲気が変わるわけではないが、どことなく緊張感があり、なんとなしに空気が張り詰め、そこはかとなく火花が散る。分かりやすくテンションを上げ、見たままにやる気を漲らしている者もいるにはいるが、多くはいつもと表情は変わらない。ただ、若者の集団にしては若干言葉数が少なく、呼吸が丁寧で、極僅かに表情が硬かったりにやけていたりする程度だ。


 十秒前。


 普段のメニューでも声出しは行われているが、皆の声が揃う分だけシャウト効果も増していく。一組目は自由形の男子選手が並んでいる。そのセンターコースで先見が首を軽く回した後に構えを取る。静寂が更に空間を引き締め、雑多な何だかんだを飲み込み、シンプルなピュアピュアが息を呑む。


 五秒前。

 

 音が光が人が記憶が感情が何もかもが失われる。勿論、完全に失われてしまっては泳ぐどころではなくなるのではあるが、あえて言葉で説明しようとした時に今の状態を表すのにこれが最も適当なのではないかと思われた。そんな何もないけれどもスタートの合図があればすぐさま飛び込み、全速力で泳ぎきることが出来る、そんな状態。


 用意・・・・・・。


 スタートはマネージャーの仕事。少しだけいつもより低く、溜めた、しかし、同時にサッパリとした声で月城が言う。それに呼応してコース台を掴む手に力が入るもの、細かくフラフラさせていた体が微動だにしなくなるもの、僅かに重心を前方にずらすもの、微妙な変化ではあるが次の瞬間にいつでも飛び出せるように最終段階へと姿勢を調える。


 はい! 


 と発せられた時には皆揃って宙を舞う。否、完全に揃っているわけではなく、頭一つ先見が抜け出したと言ったところだろうか。飛距離はそれほど無いのではあるが、驚異的なリアクションの速さ、浅めの入水とすばやい浮き上がり、飛び込みの勢いを殺すことなく爆発的なパワーと速いピッチで瞬く間に他との差を広げていく。先見は泳力でもチーム内では速い方ではあるが、このスタートの技術と優れた反射神経が大きな武器になっている。単純な泳ぐスピードなら殆んど変わらない選手も台からスタートをすると大きく離されてしまう。

 

 三秒一。


 タッチと同時に先見のタイムが読み上げられる。一本五十メートルの短い距離でのスプリントでは一歩抜きん出ている。他の選手は二十五秒前後で団子になっている。

「あー。くっそー」

 と悔しがっているのはタッチが合わなかったからである。際どい百分の一秒単位の勝負になりやすい短距離においては特にフィニッシュの技術は重要だ。ピッチもスピードも最大出力で勢いを最後まで殺さずに綺麗にタッチを合わせるのは、何も考えずに上手く言っている時は特別気にすることではないのではあるが、気になってしまうと意外と修正が難しいことがある。まあ、頑張りたまえ。


 二組目は男子のバタフライ、個人メドレー、女子の自由形の選手で構成されている。スタート前で皆が集中している時に保坂が一人だけオドオドしている。日々真面目に練習を重ねていてそこそこに実力があるにもかかわらず、いつまでたっても自信が持てないと言うか、勝負弱いと言うか、挙動不審だ。シャキッとしていれば男前でスポーツも出来て輝かしい青春を謳歌できること間違いなしであろうに、色々恵まれているにもかかわらずその恩恵を受けることを全力で躊躇っているガッカリな奴である。

 そんな残念な保坂ではあるが、パフォーマンス自体は悪くは無い。もうチョットいけるんじゃないかと感じられなくも無いが、しかし、頑張っているのは確かであろうし、タイムが悪いわけではない。

「何だそれ」

 なんて言ってくれるのは月城くらいであろう。おー怖い怖い。泳いだ直後で息が荒れたままではあるが、保坂はかなりとっても嬉しそうで、ニヤニヤしながらも、

「・・・・・・はっ、はい、すいません」

 とだけ言って、そそくさとプールサイドに上がる。酷い言われようであるにもかかわらず、ほくそ笑み、ムラムラし、ドキドキしながらも気持ちを高め、その後の練習のパフォーマンスが向上するあたりが、この上なくガッカリだね。


 三組目は男子の背泳ぎ、女子のバタフライ、背泳ぎの選手、そして、紀和。宝院は左手を腰に、右手で紀和を指差し、胸を張って、息すって、せーの、

「勝負だひーちゃん!」

 負けたら何でも言うこと聞いてもらうからね! と、言うことらしいです。

「良いだろう」

 紀和は目線を正面に向けたままそう答えるのは良いのだが、普通に考えてまず勝ち目は無い。それでも勝負を受けるのは紀和の拘りなのだろうか。その後、視線を少し下に向け、自分のコースを見つめながら、軽く頬を膨らませながら短く息を吐く。

「負けないもんねー」

 得意げで、誇らしげで、揚揚としている。特に胸の辺りが。

 しかし、やはり男女で力の差が合ったとしてもバタフライと平泳ぎでは話が違いすぎる。リカバリーの動作が水中を真正面から突き進む平泳ぎと、水上で腕を回すバタフライでは受ける抵抗が違いすぎる。ストロークの軌道も、キックの性能も、潜水の方法も、何もかもが違いすぎる。バタフライが元々は平泳ぎだったのは確かなことではあるが、それは遠い昔の話である。ベストタイムが近いのならともかく、力の差がハッキリしている状況でこの二人は何がしたいのか良く分からない。

「ああ、勝負だ」

 さようですか。台の上に上がり、足の指を台の端に掛け、体重を軽く掛ける。月城の合図に呼応して、腕で体を軽く引き付け、更に少しだけ重心を前方にずらす。同時に腰の位置が少し前方へずれ、いつでもどこでもドーンと来ーいな構えをつくる。

 紀和のリアクションは他の者と対して変わらないようにも見えるが、実際のところはかなり速い。キッチリかっちりバッチリ踏み切っているので台を蹴っている時間が他の選手より長いだけである。その証拠に、筋力や飛込みと浮き上がりの技術の問題でもあるが、入水地点が他の選手より遠くにあり、浮き上がりの時点では先頭・・・・・・ではないが、宝院のドルフィンキックの潜水に並んでいる。

 しかし、スイムスピードではさすがに宝院が強い。バカだから疲れない、あるいは、バカだからコントロールできない、とか言う本当にどこかしらがバカになってしまった暴走気味のパフォーマンスは驚異的だ。バカなので意識はしていないのではあるが、テクニカルにも優れた泳ぎをしている。バカの癖に、ひーちゃんメニューを日々休むことなく全力で泳ぎ続けたためにいつの間にか出来上がったフォームなのである。確かにバカには効果の無い特別な技術指導が無くとも、丁寧な練習を続け、距離をこなしていけば、自然に経験則的に自分に適したストロークの軌道やボディバランスを身につけることが出来る。例えバカであっても出来る。

 こうして見事、紀和のパフォーマンスが悪かったわけではないが、勝利した宝院は、満足そうにルンルンしている。

「アタシの勝ちー」

 へいへーい、どんなもんだいな表情は意外にも少し、本当に少しだけだからね、爽やかで健康的に可愛かった。まあ、次の瞬間にはバカっぽい顔に戻っていたのでもしかすると見間違いかもしれない・・・・・・、そうだ、これは見間違いだね、そうに違いない。


 ちなみに四組目は、他の平泳ぎの選手と競泳を始めたばかりの初心者で構成される。この組に紀和がいないのはタイムが離れすぎているためである。それどころか、紀和と宝院は二組目のメンバーと比べても若干速い。種目によって層の厚さやバランスが悪いのは一高校の部活動としては良くあることである。チームの特徴としては、宝院のバタフライ(個人メドレーを泳ぐ時もある)、紀和の平泳ぎ、先見の自由形短距離が抜きん出ていて、男子の自由形とバタフライに戦力が固まり、背泳ぎに不安がある、と言った所だろうか。


 一本目を終えた段階ではまだ余力のある表情をしているものは多いが、耐乳酸のメニューが苦しくなるのはこれからである。一般にトレーニングスピードと呼ばれる、乳酸の形成と除去の速度が同じと考えられているものよりも速く泳ごうとすると乳酸が溜まっていくのではあるが、このメニューは乳酸をガッツリ溜めてそれに耐える練習である。そのガッツリ溜まったメニューの最後の方ではビックリなほど体が動かなくて、とても苦しくなってくる。

「やべぇ」

 先見はとても苦しくなっている。決してそれが悪いわけではない。先見のようなスプリンターは出力が大きく、乳酸を一杯形成できるので当然披露するのも他の選手よりも早い。いち早く苦しくなるほどに高い出力があるのも長所であって、最後まで耐え切れることが必ずしも良い傾向であるわけではない。

「・・・・・・(苦しくて言葉が出ない)」

 むしろスプリンターとしてはとても良い傾向だ。

「あー」

 フラフラで大の字になって横になる。良い練習が出来てるね、とってもとっても良い傾向だね。

「ラスト一本」

 どこかで誰かが言っている。まだメニューは終わってませんよ、ゆうたくん。ふっふっふー、人が苦しんでいるところを見るのは楽しくて堪らんね。月城もそう思っているに違いない。

「さっさと立て」

 きりっとした表情だ。

「おう」

 と言って上体を起こすが、立ち上がれない。良く分からないが何故だか笑っている。

「最後の勝負だ!」

 こちらも笑っている。バカだけは最後まで元気一杯だ。ここまでバカだと逆に羨ましいよ。逆にね。

「おう」

 紀和も高いパフォーマンスを見せてはいるものの、バカではないので当然バテてきます。勝算は無いに等しいでしょう。

「いっくぞー」

 へいへーい。


 そんなこんなでメインメニューは終了。やりました、頑張りました、えらいえらい。

「もとのコースに戻ってダウンメニューを始める」

 疲れを残さないためのクールダウン。主に低めの脈で丁寧に泳ぐメニューになっている。キッチリこなそうとすると厳しいメニューの直後なので意外と苦しく感じられるものではあるが、とても大事な練習なのですよ。そんな事を無視して元気に泳いでいるバカを除いて皆真面目泳いでいるようだ。

 一方、月城の方は各選手のタイム・脈拍等のデータをまとめ、ノートパソコンに打ち込んでいた。泳ぎの特徴を記録した部分には耳が痛い言葉がギッシリ詰まっている。これで殆んどの部員は月城に歯向かえなくなってしまうのだろう。ただ、それはチームを強くしてくれることで、喜ばしいことではあるけれども。本当に優秀なマネージャーだ。 

 

 そうこうしているうちに今日のメニューは終了。果てました、くたばりました、悶絶しました。

「かなり強度の高い練習だったので、ストレッチ等のアフターケア、食事と休養を十分に取るように」

 紀和先生の有難いお言葉を賜ることが出来る、それはもう、とても有難いミーティングでございます。

「はーい」

 宝院はニコニコしている。

「明日はエンデュランス系のメニューが中心になる。練習前に必ずメニューを確認して置くように」

 持久系のメニューのこと。

「ほーい」

 宝院はルンルンしている。しかし、恐らくは、否、間違いなく、意味を理解していない。

「今日の練習は以上だ。お疲れ様」

 お疲れ様でした。


 練習を終えたころには辺りは真っ暗になっていて、戸締りをして明かりを消すと、遠くからではお互いの顔も確認できない。

「いくぞ」

 月城が紀和を呼び出す。

「ああ」

 プロテインを飲みながら返事をする紀和。ちなみに紀和の食事と練習にあわせた紀和仕様の紀和プロテインであって、紀和が好んでいるホエイプロテインアイソレートを用いた高いたんぱく質含有率の乳清蛋白に加えて、紀和に必要な一部のアミノ酸と十一種類のビタミンとカルシウム・鉄・マグネシウムが含まれている、紀和の紀和による紀和のためのプロテインなのだ。

「あー、だめだよー、今日はアタシが勝ったんだから」

 宝院はひーちゃん所有権を主張している。

「・・・・・・そうだったな。どうしたいんだ」

 紀和は巨大なライスボールを貪り食っている。

「じゃあねー、うーんとね、ご飯食べにいこうよー」

 お腹空いてるんだね。

「分かった。練習後の食事は大事だな」

 良い心がけだな、と勝手に思っているのだろうか。

「うんうん、そうだよねー」

 キャッキャしている。

「おい、我も連れて行け」

 おおっと、そこに割って入りますか、あかねちゃん。まあ、バカと二人きりにしたく無いのかな。うんうん、そうだよね、分かるよ、あかねちゃん。

「あ・・・・・・あの・・・・・・」

 保坂が参戦。月城がいるなら俺も行くぜ的なノリなのだろうが、語調にその勢いは全く感じられない。

「お、どっか行くのかー」

 遠くの方から先見が駆けつけます。

「あれー、皆も行くの? うーん、・・・・・・じゃあ、あかねちゃんの歓迎会だねー」

 若干不満そうな表情が見えたような気もしたが、気のせいなのだろう、バカっぽくケラケラしている。

「で、何か食べたいものはあるのか?」

 それを決めないとね。

「えーっとね、一杯食べれるところが良い!!」

 答になっていない。

「分かった」

 なっていました。



 こうして一行は紀和に連れられて何やら一杯食べれるところへと向かって行った。

 よーし、食べるぞー! えいえいおー。

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