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(一)-4

 群衆に紛れたのは僕らメンバーだけではなく、リーダーのロイ・レオンスカヤもいたはずだった。僕は周囲を見回してみたが、彼は見当たらなかった。

 「早く」と手を引くナボコフに引かれて再び僕たちは走り出した。大統領の演説会が行われていた公園から路上に出た。幸いなことに路上に警備兵は見当たらなかった。民衆は広い道路を渡り、走って逃げていった。僕たちも走って逃げた。

 数ブロック来たところには、普通の日常があった。往来には人が多くはないが行き交っていた。乗用車もバスも同様だった。

 僕たちは足早に、一般人として歩いて行った。時々後ろを振り返り、尾行がついていないか確認した。路上に軍人や警察官がいないかも注意した。そしてさらに数ブロック行ったところで、あるアパートメントの建物に入った。


(続く)

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