061 イビルアイ
俺達はドグルやダルグと別れて先を進む事にした。
先頭はジャガー獣人のノワ。
「レベ上げルートですねー。」
「そそ、ガンガンレベルを上げていこう!」
「はーい。」
ノワは音探知と匂い探知、魔力探知のスキルで、モンスターと遭遇するルートを選択し、インプを倒しながら地下2階、3階と進んで行く。
倒したモンスターの解体や、苔や薬草も採取しながら進むので、歩みは遅い。
狩りは夕方で終わりにして、安全地帯で夕食をとると、ノワと狐獣人の薬師ババは錬金術の練習をする。
その間、俺とジャイアントハーフの聖騎士リンは剣の修行だ。
俺は格闘スキルを取得しているが、剣術のスキルは取得していないので、リンに指導を受けている。
数日掛けて先へ進む。
ノワの料理と錬金術の修行もかなり進み、俺の剣の腕も少しずつ向上していく。
ノワの耳がピクピク動く。
「前方からモンスターが来るよー。」
鼻もピクピク。
「初めての匂いだねー。インプじゃないみたい、もっと小さい飛行タイプだよー。その後ろから、インプ達も来るよー。」
「ダルグに聞いたモンスターの中だと、イビルアイかな?」
前方からフヨフヨと飛んで来る大きな目玉。
目玉には一対2枚の黒い蝙蝠の翼がついている。
目玉が妖しく光る。
「ん?」
やばっ、身体が動かんぞ。
麻痺か?
「ぐがっ・・・。」
狐獣人の薬師ババも麻痺した様だ。
先頭のノワは、麻痺していないようで身構えている。
ジャイアントハーフの聖騎士リンが、状態異常解除の魔法を放つ。
「お!リン、有難う。」
リンは俺とババの状態異常を解除すると、前に進みインプの攻撃を盾で防ぐ。
ノワは闇魔法の影槍でインプを貫いている。
俺もアイテムボックスから聖剣を出して、イビルアイに飛び込み薙ぎ払った。
これ、状態異常解除の魔法を使えない冒険者は、マジでヤバイぞ。
「イビルアイの目玉も素材になるのじゃがなぁ。」
「ああ~。これじゃダメか。」
目玉を聖剣をで斬り払ったので、切断されてグズグズになっていた。
目玉をそのままで殺すって難しいぞ。
あ!良いのがあった。アイテムボックスから雷の杖を出す。
これならいけるか。
それから麻痺も危険だなぁ。
アイテムボックスの中に入ってる王家の魔道具から麻痺を防御する物がないか探す。
良いのがあるじゃん。
テレレ、レッテレー♪
状態異常無効の指輪!
青い猫型ロボットのポケットの様だ。
指輪を装備する。
ババアは麻痺るけど、まあいっか。
その後、何度かイビルアイとインプ達と戦ったが、問題なく目玉も採取出来た。
雷の杖は凄いね。
何時の間にか地下5階に来ている。
ノワの耳がピクピクした。
「この先で冒険者とモンスターが戦っています。」
「ふ~ん。ちょっと見ていくか。」