表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪逆無道の異世界冒険記  作者: ボルトコボルト
34/192

034 亜人の国

ノワの母でジャガー獣人のミズキが、俺に問い質す。


「タクミ様、大切な事を確認させて下さい!我々はタクミ様がここに亜人の国を作ると言う認識でおりますが、認識はあっておりますか!」


まあ、亜人達にとっては大切な事だろうな。


オクオ達に自分達で国を造れって言ったものの、領主が務まらなそうなので、ジジイや教主レンを領主にしようとしてるし。


ジジイは兎も角、教主レンは会った事も無い人族だしね。


今までの虐げられてた境遇を考えると、人族はあまり信用出来ないんだろうね。


「勘違いするな。いいか、今から言う事を最後まで聞け!」


「はい。」

皆、無言で真剣に俺を見詰めた。


俺が(・・)亜人の国を造る事は無い!」


「え!・・・。」


亜人達は驚き、諦めの表情になる。


特に奴隷であるコボルトのコウキとコボオ、オークのオクオは明らかに落胆した。


お前達(・・・)が国を造るんだ。」


「え?」

皆驚愕の表情になる。


「俺に国を造って貰って、そこに暮らすだけの安定を求めてどうする?」


「・・・。」

唖然として俺を見詰める皆。


「それがお前達の国か?俺の国に住ませて貰ってるだけだろう。そこに自由があるのか?もし、俺が死んで、危なくなったらまた逃げるのか?」


「・・・。」


「自らの手で苦労して自らの国を造れ!それが本当のお前達の国だ。自らの家族や種族の為に死ぬ気で守れ!そこに本当の自由があるはずだ。」


「その通りで御座います。私が間違っていました。タクミ様に全てを任せる他人本位の考えでした。」


ミズキが恥ずかしそうに、しかしやる気を見せて俺を見つめた。


皆もやる気に満ちた目に変わった。


「まあ、話は最後まで聞け。」


「は、はい。」


「亜人の国と言う事は・・・。

今此処に俺とジジイとヤマトの3人の人族がいる。また、ノワとリンは半分人族だ。俺達を追い出す気か?」


ノワの父は人族で母はジャガー獣人だし、リンはジャイアントハーフだ。


「そ、そんな事は・・・。」


「俺からのお願いだ。亜人だけの国では無く、人族も含めて全ての種族が、差別のない平等な国にして欲しい。」


「も、勿論です!」

ミズキが強く反応した。


「この土地と建国の資金は、俺が出してやる。そして、政治に詳しい者が、当面は領主として纏める事が必要であろう。」


「有難う御座います。その通りで御座います。」

ミズキは納得した様だ。


他の皆も希望と決意を胸に燃えている。


「この国は荒れる。チャンスだと思わないか?このチャンスに自分達の国を造ってみろ!」


「はい!」


皆の声が響いた。


まあ、成り行きで国を造る方向になったけど、王になったりするのは面倒なんだよね。


書類仕事嫌いだし、冒険したいし、得意の丸投げです。


土地と資金を出したから、俺が死ぬまでは良いように使う気満々の俺です。


俺って(わる)だよなぁ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ